日本の将来が暗いという予言は当たり前になった。
人口が減少するだけではなく、
少子高齢化によって現役世代が減って
引退後の高齢者世代のための社会負担が
重くのしかかってくる。
国の借金は膨れ上がる一方だし、
すでに地方には疲弊しているエリアも多い。
日本の労働生産性は低く、
怠け者のイメージがあるスペインにも劣るほど。
外国人による不動産の購入にもほとんど規制がなく、
中国人を中心に都内一等地のタワーマンションや
水源地まで買い占められている状況。
フィリピンやタイのような新興国ですら
外国人の土地取得には厳しい規制があるのに、
なぜか日本はガードがゆるい。
アメリカやオーストラリアでは
サイレント・インベージョンが問題になっている。
これは主に中国による
武力によらない侵略のことで、
現地の経済や政治に根を張っていくことで
実質的に他国を操ることが目的になっている。
土地の取得も、
こうした形式での侵略に
大きく寄与することは言うまでもない。
たしかに日本の将来が暗いと思える理由には事欠かない。
もちろん未来に希望以外何もない国も存在しないし、
多かれ少なかれどの国も懸念材料はあるものだが、
日本に関しては少子高齢化のように
人口動態によって確実に引き起こされる負の未来が存在する。
ただし、国としての将来と
個人の人生の相関関係は確実に薄れている。
言い換えれば、
カントリーリスクによる影響を
軽減した生き方ができる時代になった。
仮に日本の経済が崩壊したとしても、
長い停滞どころか衰退の一途を辿ったとしても、
それがあなたの人生を台なしにするとは限らない。
備えがあれば、
国としての将来と自分の人生の行く末は切り離せる。
そして、私は日本を含めて特定の国のカントリーリスクを
できる限り軽減するように仕組みを作ってきた。
その内容を具体的に説明してみよう。
日本の労働環境が悪いなら
ブラック企業や終身雇用の崩壊、サービス残業、労働生産性の低さ。
日本で働くことに行き詰まりを感じている人は少なくないと思うが、
経済が弱くなれば仕事がないという事態に陥ることもありえる。
では、それで人生は詰むのか?
別にそんなことはなく、
海外で働くという選択肢もある。
将来が明るいか暗いかは国によっても、
業界によっても大きく違ってくる。
若い世代なら長期的な展望を持ってキャリアを作れば
日本という国に縛られずに活躍できるだろう。
ある程度年齡がいっているのなら、
これまでの実績を元にして海外転職をしたり、
起業する手もある。
また、人に雇われない前提であれば、
住む国と働く国が一致する必然性もない。
ネットがこれだけ普及した今、
仕組みを作り上げればどこにいても仕事はできるようになるし、
私自身もそのようにしている。
知り合いの経営者は、
自分はオーナー(株主)としての立場で経営を離れ、
各社の社長に経営を任せてシンガポールに移住した。
実際は彼が社長達を指揮しているが、
社員とは基本的に接触すらせずに
会社を回すことができている。
オフィスに通勤できる圏内で自宅を探す必然性が
薄れてきているのは事実。
会社に雇われてサラリーマンになり、
給料で生活するという方法以外に目を向けると
多様な生き方を選択できる環境が整っている。
環境の良い国に住めばいい
日本を出て海外で暮らし始めたのは2011年の初頭だが、
それからはマレーシアとフィリピンでコンドミニアムを借り、
合計で3年半ほど暮らしてきた。
それ以外はホテル住まいをしながら
各国を無査証で滞在可能な期間で周っている。
すでにマレーシアではMM2H(リタイアメントビザ)を取り、
フィリピンではクオータビザ(永住権)を取得済み。
もし日本に何かあっても、
国際信用力が落ちてパスポートの信頼度が落ちても
住める国を確保した。
将来への備えがあれば、
少なくとも憂いの一部は拭い去れる。
暗い展望ばかりを強調するつもりはないが、
日本は地震大国。
東京が大ダメージを受けるようなことがあれば、
経済は混乱することが十分ありえる。
あるいは3.11のように震災で原発に問題が起きれば
住むのに適した場所ではなくなる可能性も。
そうしたカントリーリスクに備えるためには、
外国でビザをとっておくのが
リスク分散の手段の1つになるだろう。
日本の先行きに不安を覚えるなら、
効力に期限のない永住権を取得しておくと安心感が増す。
ビザ取得以外の方法も
あるいはカナダ等で出産し、子供を一時的に二重国籍にする家庭もある。
この場合には子供が23歳になるまでに
どちらかの国籍を選択しなくてはいけない。
というのも、日本は二重国籍を認めておらず、
出生主義を取るカナダのような国で国籍を取っても、
23歳までに一方に絞らなければいけないため。
ということは、
子供が生まれてから20年以上の期間に渡って
法律に則った形で二重国籍は可能ということ。
これから20年の日本の未来予測をするよりも、
20年後に後出しジャンケンのような形で
より良い環境の方の国籍を選択するのは合理的な話。
その間に震災で思いがけないことが起きているかもしれないし、
中国や北朝鮮といった暗い地政学的リスクを背負っている以上、
有事による可能性も否定できない。
それなら、子供のために
国籍を保留するという選択も知識と行動力があれば
現実的な範囲内ということになる。
震災のような自然災害だけではなく、
経済の崩壊によってスラム化が進む恐れもある。
日本では利用されていない空き家が現在も多く、
今後は人口が減っていくのに建築業界は
新規の建物の建設の手をゆるめていない。
誰も住まなくなった建物が
素行の良くない人間の集まりに使われ、
たまり場になるということも容易に想像できる。
住環境として見れば、
そういった暗い未来予測も成り立ち、
日本が安全で治安の良い国であり続けられる保証もない。
そうなれば、
より環境の良い国に住めるように
備えをしておくのは一つの選択肢になるだろう。
国から資産を切り離す
いくら自分の身を海外に置いたところで、
流浪の民ではないのだから
お金がないとまともに生活ができない。
幸い、日本から海外に資産を移すことは
建前上は自由ということになっている。
この建前上はという言葉を入れたのは、
銀行からの海外送金の手続きが厳しくなり、
さらには海外送金にマイナンバーを求めるようになったりと
お金を移動することへの規制が厳しくなっているため。
もちろん資産を日本から出すのは違法でも何でもないが、
現実の手続きへの締め付けは厳しい。
とは言え、不可能なわけではないので、
日本の将来に預金封鎖のような事態が起こるかどうかは別として、
複数の国に資産を分散しておけば安全なのは間違いない。
過去を振り返っても、
ロシアやアルゼンチンのように経済破綻した国は多いし、
日本だって戦後には国民の資産を没収した過去がある。
将来に向けて、何があるかなんて分からない。
まして紙幣を刷りまくってインフレを起こし、
実質的な借金の軽減を図るという施策自体が
円の価値を下げることになる。
複数国に資産を分散してみた
私は香港の銀行口座を中心にフィリピンやマレーシア、シンガポール等に資産を分散し、
通貨も円だけではなく米ドルやユーロ、香港ドル、
マレーシアのリンギット、フィリピンのペソ等を保有している。
他にもタイやフィリピンにコンドミニアムを買い、
現物資産である不動産にも分散。
さらに事業投資や長期積立ファンドで
様々な性質の資産に振り分けた。
1つの通貨や金融商品に資産を集中させるのは危険。
しかし、以前の私は日本国内で
円資産のみを持っていた。
日本の将来が明るいか暗いかという将来予測より、
複数の国に分散させた方が安全と気付くまでは。
今ではどこかの国に問題が起きたとしても、
残りの資産が残る。
為替について言えば、
円が下がったらその分ドルやユーロの価値が上がるし、
ドルが下がれば別の通貨が強くなるだけ。
手持ちのポートフォリオのバランスは変わるが、
致命的な痛手を受けるリスクは小さくなった。
また、ビットコインのような仮想通貨によって
国という概念すらも超えた経済システムもできている。
国と個人の先行きを切り離す
もし日本の将来が暗いとしても、それはあなたの人生が暗澹たるものになることと
イコールではない。
もちろん、大多数の日本人は
国の先行きと命運を共にすることと思う。
しかし、カントリーリスクを軽減する手段がある以上、
準備することは十分に可能。
働く場所も住む国も、資産を置く場所も
その気になれば選ぶ事ができる時代なのが現代。
そして、上記の場所は一致している必要もない。
日本で給与収入を得て働きながら
香港で資産を運用しても問題ない。
給与水準の高いスイスで職を得ながら、
毎週末は物価の安い隣のイタリアで過ごしてもいい。
オンラインで行える仕事なら、
顧客のいる国に住む必要もない。
そんな時代が来ている以上、
日本の将来の見通しが暗いのを嘆くよりも、
対策を講じるのがリアリストとしてやるべきことだろう。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
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