富裕層の海外移住のメリットが薄れている



富裕層の海外移住が大きく話題になったのは
3.11の後だった。

情報が早く、
比較的自由がきくことも多い人達が
次々に日本を離れて暮らすようになった。

その中には富裕層も多く含まれていた。


その後も税金逃れという文脈で
お金持ちの海外移住が語られる頻度が増えたように感じる。

それだけ関心が高まったということだろうし、
庶民の嫉妬心を刺激すれば
記事がお金になるという報道側の目論見もあるのだろう。


現実的に見た時、
この数年で節税の面で見るとメリットは薄れている。

出国税、相続税の免除の厳格化、
国外財産の報告、各国の金融機関の情報共有等。



出国税は人生を狂わすことも

日本を出る際に株式等を1億円以上保有している場合、
課せられるのが出国税(Exit Tax)。

基準となる金額を見ても分かる通り、
富裕層が対象の制度となる。

一般に一億円以上の資産を持つのが富裕層と定義されるので、
その階層だけを狙い撃ちした税制となる。


キャピタルフライトの防止を目的にしているが、
税金を株式で納めることはできないため、
現金で納税する必要がある。

潤沢なキャッシュがあればいいが、
現実はそうでない場合も多い。

お金持ちが持っているのは資産で、
現金は意外に持っていないことも珍しくないので。

たとえば会社を上場させた経営者の場合、
資産の大半が株式になる。

そうなると、出国税を納めるために
保有する自社の株式のいち部を売却しなくてはいけない。

しかし、持ち分の割合が大きいと
簡単に市場に流すこともできないし、
下手をすると会社の信用力が低下したり、
株価が下落する原因になりかねない。

そのため、
本来の資産価値を大きく損ない、
会社を現役で経営しているかどうかにかかわらず、
株式を持っている会社の経営にも影響を与えるリスクすらある。



相続税も厳しい基準が

以前は相続人と被相続人、
つまり亡くなる人と財産を受け継ぐ人の両方が
海外に5年住んでいれば(非居住者になっていれば)
相続税が免除される規定になっていた。

5年というのも決して短い期間ではないが、
この期間が倍の10年に変更された。

つまり、資産を受け取る子供が40歳の場合、
50歳までは日本非居住者になっている必要がある。

これはなかなか難易度が高い。

富裕層に限らず、
移住しても飽きてしまうケースもあれば、
なんらかの理由で日本に戻る必要が生じることも。

たとえば、相続人の子供が海外の学校になじめず、
精神的に参ってしまうとか。

あるいは被相続人(相続される側)の病状が重くなり、
勝手知ったる日本での生活を切望するようになるとか。

そもそも10年経過前に被相続人が
亡くなってしまう可能性だってある。

10年という期間は想像しているよりも長く、
人生の相当な部分を拘束されることになる。


もちろん居心地の良い国を見つけられればいいが、
純粋に相続税の免除だけを目的にした場合には
ハードルが相当高くなったと言えるだろう。



資産はすでに把握されている

日本に居住していて、
国外に5,000万円以上の資産を持っている場合、
税務署に報告する義務がある。

これから海外移住をする場合、
この規定がすでに適用されているので、
国外の資産があれば報告どおりの内容は
すでに国税が情報を握っている。

富裕層に限らず、
個人情報の一部である資産状況を把握されることを
嫌う人は多いが、実際は筒抜けと思った方がいいだろう。

銀行からの海外送金も
100万円以上なら報告が行くし、
OECD各国をはじめとして多国間で
銀行の口座情報を共有するようになった。

つまり、日本から資産を逃しても、
その動きは補足されていると考えた方が妥当。

隠し資産は通用しないので、
納税も含めてよりクリーンなお金でなければ
いずれペナルティを受けることになる。


出国税のために日本を出る際に
大きな金額を納めなくてはいけなくなり、
相続税も免除されるための難易度が上がり、
資産もすでに把握されている。

富裕層がこれから海外移住をする場合、
数年前に比べると旨味が減っているのは間違いない。


とは言え、
居住国によっては所得税等の税金が大幅に下がるし、
シンガポールや香港の人気は衰えないだろう。

とは言え、単純に他の国に住んでみたいという場合にも、
出国税という強固な壁が立ちはだかるわけなので、
多額の株式を持っている人には受難の時代となる。

特に現金化が難しい株式の場合には、
資産の換金性という課題から
実質的に海外移住を断念する理由になりえる制度。

これはなかなか恐ろしい。



大切なことを

どんな仕事をするか、どこに住むか、誰と付き合うか?

本当はすべてあなた自身が決めることなのに、
現実の世界ではそれが許されない。

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