断捨離が海外移住に必須のスキルであるのはなぜか


これまで複数の国に住んできた経験として、
断捨離は海外移住をする上で重要な能力であり、
なおかつ海外移住は断捨離の絶好の機会であるという結論に至った。

双方がお互いに引きつけあっているような関係で、
無理に切り離すよりもセットで手に入れた方が早い。


日本で引っ越す場合、
引っ越しのサカイやアーク引越センターのような業者を雇うか、
友人等に手伝ってもらうことが多いだろう。

どちらにしても、
車を出して荷物を運ぶことになり、
ダンボールの箱が多少増えたところで
実際の手間や料金にはあまり影響しない。

それなら、ただでさえ引っ越しで手間がかかっているのに
不要なものを仕分けて捨てる動機にならないのも納得できる。

いつか使うものを捨てるきっかけがないし、
なんとなく取っておいているものは案外多いもので、
私が初めて海外移住をした時もそうだった。

その時は別に断捨離という言葉を意識していたわけでもないし、
むしろそうしたブームが来る前だった。

ただ、国際運送で荷物を送った時の
状態の悪さは聞き及んでいたので、
できれば避けたかった。

荷物がボロボロになって届くとか、
指定した日時に到着しないとか、
悪い噂は色々聞く。

しかも私が最初に移住した先はマレーシアで、
いかにもいい加減なイメージの国。

住み始めたら、実際いい加減だった(苦笑)。

その後に家族連れでやって来た移住仲間の一人は
20箱近くダンボールを日本から送ったらしいが、
無事だったのは3箱程度。

のこりはボコボコになっていたり、
本が入っていたダンボールに至っては
なぜかビニール袋に移し替えられていたらしい。

しかも謝罪の一言もないというので、
日本だったらちょっとした不祥事に分類されそうな出来事だが
マレーシアではあきらめるしかない。


現地入りしてからコンドミニアムを探すことにしていたため、
日本を出る段階では送り先の住所すら未定。

こんな状態だったので、
自分で持って運べる荷物以外は断舎離した。

初めての海外移住において
何を持っていくべきかがわからなかったので、
この時は重い荷物を羽田空港に持って行って、
大きなボストンバッグを預入荷物として預けた。

この時点で所有物は日本在住時の
2割程度に減ったのではないかと思う。


海外では持ち物が少なくていい理由

移住に際して断捨離がしやすいのは、
多くの国で家具や家電が部屋に付随しているから。

日本だと内見の際の部屋の中はがらんどうで、
家具を入れると思ったより手狭になってしまったりする。

しかし、私がマレーシアやフィリピンで住んだコンドミニアム、
あるいはバンコクやチェンマイ、ジャカルタ等で見てきた部屋は
どこも家具と家電が内見の段階で揃っている。

そこに住み始めるので、
冷蔵庫や洗濯機、テレビ、ベッドのように
かさばるものを持ち込む必要がない。


そのため、服や身の回りの道具を持ってくれば
あっさり海外移住できてしまう。

さすがに洗濯機を背負って空港に行く気にはなれないし、
もし購入するなら現地で買うか、
すでに使っているものを国際配達で送るかの
二択を迫られることになっただろう。

しかし、現実にはそのような不便はない。

最初から用意されているので。


おかげでマレーシア内で別のコンドミニアムに引っ越すのも簡単で、
荷物をまとめてタクシーで一度移動するだけで住んだ。

引越し業者など頼む必要はなく、
一回の移動であっさり終了。

このへんのフットワークの軽さは断捨離の成果であり、
海外生活の嬉しいところ。


2年間マレーシアで暮らした後は
フィリピンに移住した。

そして、このときは預入荷物すら使わず、
飛行機の持ち込み手荷物の範囲内に荷物を収めた。

2年も暮らしていると服や靴がいつの間にか増殖するもので、
バンコクに行くたびに買って来た服がかさみ、
結局8割ほどは捨てることになった。

また、変圧器のように
初めての移住の時には必要かと思って持ってきたものの、
実際は要らないと分かったものも手放した。


こうして荷物の重量は10キロを少し超えるだけとなり、
フィリピンに到着してマニラのマカティ市で
無事にコンドミニアムを見つけることができたのだが、
入居の際にオーナー(大家さん)に驚かれた。

「荷物は後から届くの?」と聞かれたので、
「これで全部」と答えたら、
「本当に?これだけ?」と繰り返し確認された。

たしかに、私もたったこれだけの荷物で
引っ越しをしたのは初めての経験。

驚かれるのも無理はない。

ここまで持ち物が少ない30代を見たこともなかった。


別にミニマリストになりたいと思って
ガラガラの部屋に住んでいるわけではない。

オーナーが用意してくれたテレビやソファ、
テーブルに机、冷蔵庫、洗濯機、オーディオ等が揃い、
コンドミニアムの共用部分にはプールやジムもある。

それらを自由に利用できるが、
ただ所有していないだけ。

所有権は私にはないが、使用することはできる。

それで十分だと感じるようになった。


名画を見たいと思った時に、
その絵を展示している美術館に行けばいいのと同じ。

ゴッホの星月夜を見るために
ニューヨークのMOMAに行ったことがあるが、
まさか星月夜を買おうとは思わない。

身の回りの品についても、
わざわざ買わなくてもいいのではないか?

そんな気が強くなってきた。


生活をシンプルにしておいた方が、
環境や自分の感覚の変化に対応しやすい。

実際、マニラでの1年の生活の後は、
1年半ほど色々な国でホテル暮らしをしてみたのだが、
荷物がミニマムな状態を保たなければ
移動が大変で仕方がない。

この時はいきなり大幅に断舎離したわけではなく、
日本を出る時に多くの持ち物を手放し、
マレーシアからフィリピンに行く時に再び絞り込んだ。

この経験があったからこそ、
本当に必要な最小限の範囲が見極められた。


日本からマレーシアに移住した時には、
海外生活で必要な持ち物が分からず手探りだったが、
最初の断捨離を通じてさらに削れるものと、
そうではないものの区別がつくようになった。

あまりにも身の回りのものが多すぎると、
1つ1つに対する意識がどうしても希薄になる。

それをある程度絞り込めたことで、
残ったもののジャッジも的確になった。


基本的に断捨離は思い切って一度で行うほうが
ちょこちょこと進めるよりも効率的。

ただ、何度か段階を経たほうが失敗しないのも事実。

そう考えると、
スパンとして時に2年、時に1年の期間を置いているので、
移住するたびに不要な物を捨てるというのは
結果的にほどよいスタンスだった。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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