アバカリゾートやシャングリラ、プランテーションベイなど、名高いリゾートホテルを有するマクタン島ではあるものの、実際問題、島全体として見た時に、リゾートエリアが広いのかと言えば、意外にそうでもない。
マクタン島は、事実上セブ島の一部として扱われることも多いぐらい小さな島であり、その中でもリゾートとして使われているのは、島の中でも南側の海沿いのみ。
北側は海の向こうがセブシティであることもあり、決してリゾートエリアではなく、貨物の運送等に使われている。
中心部は空港や町になっていたり、あるいはあまり開発がされていなかったりして、いわゆるリゾートとは程遠いイメージになる。
もし初めてマクタン島を訪れる人が、空港からマクタン島の中心部や、あるいはウォーターフロントホテルのような空港近くのホテルに宿を取り、南部にあるリゾートエリアに近づかなければ、ここがリゾート地であることをにわかには信じられないだろう。
マクタン島のビーチは、ホテルのプライベートビーチになっていたり、あるいはデイユースで利用することはできるものの、有料になっているので、道をブラブラと歩いていると、たまたま遭遇するということは原則としてない。
明確な目的意識を持ってビーチに行く必要があるので、なんとなくマクタン島に来たという場合には、結局美しいビーチを一度も見ることなく、終わってしまう可能性もある。
そうなってくると、実を言うとマクタン島の中でもビーチリゾートと言えるのは、ごく一部のエリアのみ。
大部分のエリアには小屋と呼んだ方がいいような住宅や店が立ち並び、外国人が1人歩きをするには少々抵抗を感じるような場所が島のかなりの割合を占めている。
他の国のビーチを考えてみると
もっとも、いわゆる世界的なリゾートエリアであっても、ビーチから離れると、そこまで特別感があるわけでもなく、一般の町並みが広がっている事自体は珍しいことではない。例えばペナンについても同様のことが言えるし、あるいは南仏のニースであっても、海から離れるといかにもなビーチリゾートやバカンス先という感じではなくなる。
もちろん日本人の目から見ると、ニースは調和の取れた美しい町なので、海を離れてもそれはそれで見所があるのは間違いないが、コートダジュールの海沿いは、海から離れればわからなくなる。
こうして考えてみると、内陸部でリゾート感が感じられないのは、マクタン島に特有のことではなく、比較的一般的なことと言える。
ただし残念なのは、マクタン島の場合、ニースと違い、町歩きを楽しめるような環境ではなく、ごみごみとした汚い町か、閑散とした場所かという二択になってしまう。
交通手段も基本的には、タクシーかジプニー、トライシクルぐらいしかなく、外国人が安心して使えるものとしては、やはりタクシーになってくる。
しかしながら、リゾートエリアになってくると、あまりタクシーの通りがなかったりもするので、少々交通は不便なところがある。
そして、すぐ近くのパングラオ島に国際空港が建設されているため、今後マクタン島は存在感を小さくしてくのかもしれない。
何しろパングラオ島の方が、明らかに海が透明で美しく、島もインフラが整ってはいないものの、どちらかと言えばのんびりとしていて、マクタン島の治安よりも安全な印象がある。
そうなってくると、わざわざマクタン島に行くよりも、パングラオ島に行く方が魅力的だと考えるダイバーや、バカンスシーズンの観光客が増えるのは何の不思議もない。
もっともホテルのレベルに関して言うと、パングラオ島よりもマクタン島の方が上だし、まして商業エリアということで言えば、パングラオ島に隣接しているボホール島よりも、セブシティの方が比べものにならないほど発展している。
その点に関してのマクタン島・セブ島の地位は、今後も当面揺らぐことはないだろう。
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