マレーシアに住んでいた頃には、そこらじゅうに犬がうろうろしていた。
いわゆる野良犬で、飼い主がいるわけではない。
最初のうちは近くによってくるたびに怖かったし、あるときには草むらから突然犬が出てきて思わず横っ飛びに跳ねたが、慣れてみると野良犬は非常におとなしいのがわかった。
他にも猫もたくさんマレーシアには生息していて、子猫が集まって暮らしているのも見たことがある。
これに比べると、マニラの中でもマカティというエリアは非常に整然としているところがって、猫や犬が異常に少ない。
もうすでに1年近く住むにも関わらず、野良犬は2回ほどしか見たことがないし、猫も1ヶ月に1回見るかどうかの頻度。
それだけ保健所のようなところが熱心に活動しているのだろうと思う一方で、もう少し猫くらいは見かけることがあってもいいというのが、現地に在住していて感じるところ。
先日はDiscovery Primeaホテルの前で野良猫の親子を見たが、かなりレアだった。
それ以外のペットも少なく、そもそもマカティでペットショップを見たことがない。
1回だけショッピングモールで引き取り手のない犬を集めて、里親を募集していたのは見たことがある。
おそらくそのまま飼い主が見つからないと処分されてしまうということだったと思うが、そういったことではない通常のペットショップは、マカティを歩いていてもまったく見かけることがない。
マレーシアにおいてもそれほど数は多くはなかったものの、いくつかペットショップを見かけた記憶がある。
どういうわけか、その店先でアヒルがひも等にまったくつながれずに放し飼いになっていたのを発見したこともある。
残念ながらマレーシアのペットショップはとても衛生的とは思えず、そこにいる動物に触ると病気になってしまうのではないかと不安を覚えるくらいの状態だった。
店内も薄暗く、華やかなかわいいペットが多数取り揃えられているという雰囲気は、遠目からしてもまったく感じられない。
こうしたことを考えると、やはり日本のような先進国はだいぶ格が違うのを感じる。
一方で、フィリピンで比較的良く見かける動物は鶏。
これが電柱等に結ばれて飼われていることはちょくちょく見かけることがある。
あれはペットして飼っているというよりは、恐らく食肉のためとか、もしくは卵を産ませるために飼っているのだと思うので、あくまでも生活の糧という側面が強いのだろう。
しかしながら、トサカがなかなか立派な体格で威風堂々とした鶏もいて、道端にいると妙な風格に驚いたりすることもある。
今後フィリピンがさらに豊かになってくれば、ペットに癒されたいという欲求を持った人も増えてくるだろうし、これから先ペットショップが普及してくることがフィリピンの経済発展の程度を示す一つの指標になるのかもしれない。
今でもチワワやマルチーズのような血統の犬を連れて散歩をしている人を見かけることはあるものの、ほとんどの場合は外国人。
それも欧米系の人が中心。
まだまだフィリピンの現地の人がそういった犬を連れているのは見かけないし、彼らの所得水準を考えてもそういった高価なペットを飼うことは難しいのだろう。