マレーシアは英語が通じる?住んでみての率直な感想

プトラジャヤのオフィスビル
マレーシアとフィリピン、台湾に住んでみて、
英語が通じる頻度が高い順に並べると
フィリピン、マレーシア、台湾の順になった。

他にも世界各国を周って過ごしてきたが、
東南アジアの中に限定しても
国によって語学力には大きな差がある。

例えば、マレーシアの隣国、タイ。

生活水準が高く、
インフラも整っている国だが、
不思議と英語が通じない。

これは体感上の問題だけではなく、
英語力の調査でもアジアで下位に入っていた。

たとえば、世界各地で事業展開している
留学エージェント、EFの調査では
タイは74位にランクインしている。

EFの調査結果

ちなみに、日本は53位、インドネシアが61位となっている。

では、マレーシアはどうか?

マレーシアの順位


先程のEFの調査の結果、
マレーシアは26位となかなかの高評価。

現地に住んでみても、
フィリピンやシンガポールほどではないが、
かなり英語が通じることが多い。

マレーシアの場合、
マレー語が第一言語となっているため、
必ずしも英語が通じるわけではない。

さすがにローカルレストラン等では通じないことが大半だし、
個人経営のカフェでもダメなことがしばしば。

しかし、それぞれの職業の人が
仕事に必要な範囲では分かっていることが多い。

たとえば、マレーシアで行きつけの美容院で
いつも担当している美容師は英語が話せないが、
日常会話はダメでもカットについての指示は理解してくれる。

目的を明確にした学習と実践を行ってきたのだろう。

他に英語が話せる美容師も同じ店にいたので、
どうしても通じない時は彼らが通訳をしてくれた。


ちなみに、EFの発表したランキングで
アジアの他の国を見てみると、
最も順位が高かったのがシンガポールで5位。

フィリピンは20位。

このあたりは、現地に住んだ体感としても
英語が通じる度合いとマッチしている。

他にも、インドが34位、香港が33位、
東南アジアで最も低かったのが94位のカンボジアとなっている。



マングリッシュは聞き取りやすい?

KLセントラル駅
マレーシア人の英語の発音については、
マングリッシュと言われるように独特の訛りがある。

わかりやすいのは、
語尾に上がり調子で「ア〜」と付けること。

移住当初は、
なぜ彼らは毎回確認を求めるように
最後に「ア〜、ア〜」聞いてくるのだろうと思った。

ちなみに、隣のタイでは語尾に「カー」が付くことが多い。


他にも発音やイントネーションが
ネイティブとは当然違う。

隣国、シンガポールの英語もシングリッシュと呼ばれるが、
それに近いなまりがある。

マレーシアの歴史を紐解くと、
イギリス統治時代が長かったため、
英語もイギリス英語より。

この点がアメリカ寄りの英語を話すフィリピンと
対比されることが多い点。

もっとも、マングリッシュがイギリス式の英語に近いかと言えば、
相当離れてしまっている。

とは言え、非ネイティブの国に
完璧な発音を求めるのもおかしな話だし、
ネイティブの国でもオーストラリアのように
訛りがひどい国もある。

それを考えると、
マレーシアは英語が通じる方と言ってよいだろう。



ネイティブ・イングリッシュは逆効果!?

アメリカやイギリスで
きっちり英語を学んできた人にとっては、
マングリッシュは聞き取りづらい部分があると思う。

さらに、文法を正確にと心がけたところで、
理解されなくなるだけ。

マレーシアでは仮定法など使わない方が
大抵の場合うまくいく。

やれ仮定法過去だ、
やれ仮定法現在だといった区別をしても
正確に伝わる確率が下がるだけ。

場合によっては、
過去形すら使わずに動詞を現在形のままにした方が
相手に分かってもらえたりする。

以前にクアラルンプール在住の駐在員の人から、
「マレーシアに住むほど英語が崩れていく」と聞いたが、
アメリカへの留学経験のあった彼には
その通りだったのだろう。


一方で私のように片言の英語で海外移住した身としては
流暢すぎない彼らの話し方はかえって聞き取りやすい。

もともと、世界の英語話者の7割以上は
非ネイティブなわけだし、
特別理解が難しい発音をしてくるわけでもなく、
コミュニケーションは取りやすい。

向こうがネイティブではない分、
こちらも不完全な英語でも臆せず話しやすいというメリットもある。

このあたりは語学との向き合い方次第といったところ。



マレーシアの中で英語力の高い民族は?

夜のブキビンタン
マレーシアはマレー系・中国系・インド系の
主に3つの民族で構成されている。

このうち、多数派はマレー系で人口の70%強を占め、
伝統的に政治に強いとされてきた。

人口が多いので数の論理に強いのだが、
最近は政治面でも中国系に押され気味な部分も。


中国系住民は20%ほどで、経済に強いのが特徴。

インド系は10%弱を占め、
平均所得が低くて政治的な力も持っていない。


この3つの民族のうち、
英語を流暢に話す人が多いのは中国系。

中国系マレーシア人は華人とも呼ばれ、
何世代にも渡ってマレーシアに順応している。

この点は移民から世代を経ても
自分たちのペースを崩さないインド系とは違うところ。

中国系マレーシア人は
マレーシアの経済を牛耳っているだけあり、
優秀な人が多い。

それは英語力にも表れている。

もちろんマレーシア訛りはあるものの、
マレー系やインド系に比べると
比較的聞き取りやすい英語を話していることが多い。



マレー語ができなくても暮らせる国

イポーのバー
マレーシアに移住してきてから、
公用語のマレー語を勉強したことがない。

中国系住民も2割ほどいるので
中国語を話せる人もかなりいるのだが、
そちらもまったく分からない。

日本語は当然通じないので、
片言の英語だけで暮らすことになったが、
部屋を現地の業者から借りることもできたし、
日常の用事も済ませることができている。

そのレベルでは英語が通用するし、
これは旅行にしても同じこと。

現地の言葉がわからなくても、
それで旅行や生活が困難になることはない。

もっとも、部屋探しのときには
言葉の問題が解消されたところで
問い合わせの返信に2週間かかる時間感覚や、
説明内容が二転三転するいい加減さといった国民性には
戸惑わされる部分もあったが。


ちなみに、中国語もよく通じる国なので、
英語がまったく話せなくても
中国語ができれば暮らすことができる。

実際、それを理由に
マレーシアに移住してくる中国人や香港人もいるし、
街中での中国語の看板も頻繁に目にする。


語学の面で考えると、
ヨーロッパでもスペインやギリシャと比べたら
よほど英語が通じるとすら感じる。

色々と住みづらいと感じることは多い国だが、
マレーシアは語学の面では特に問題がなかった。



留学先としては問題も

本場イギリスよりも格安の費用で
マレーシアならイギリス式英語を学べるということで、
語学留学や親子留学でもマレーシアは注目されている。

一方、誘拐等の犯罪も多い国で、
先日もクアラルンプールのコンドミニアムで
誘拐未遂にあった日本人女性が話題になっていた。

その女性はたまたまマレーシアに来ていた両親と
一緒だったこともあり、
幸い子供を守ることはできたらしい。

この事件をきっかけにクアラルンプールを後にして
日本に帰国することにしたようだが、
こういった事件はマレーシアでは時々耳にする。

子供を一人で歩かせるには治安上の問題もあるし、
学校に行っている間も万全のセキュリティが
常時提供されているかはあやしいところ。

こういったリスク面についても、
留学の前に熟慮しておく必要がある。


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