マレーシアの今後の住環境を在住者目線で解説

マレーシアに住んでみて感じるのは、
日本に比べて住環境の変化のスピードが早いこと。



停滞という言葉が似合う日本と違い、
マレーシアは開発も進んでいくし、
物価も上昇している。

マレーシアでの生活については
以前にも記事にしたが、
やはり街の変化は大きい。

特にクアラルンプールの一部エリアや
大規模開発が行われているジョホールバルは
工事を目にする頻度も高い。

しかも、ジョホールバルはイスカンダル計画が
すでに陰りを見せて失敗の雰囲気が漂っている上、
フォレストシティに至っては
マハティール首相自ら外国人による購入を
阻止する構えを見せた。

マハティール首相は国内外で名君とされる政治家で、
2018年5月に再び首相になる以前にも、
1981年から2003年まで首相を務め、
ルックイースト政策等でマレーシアの発展を牽引してきた。

ちなみに、医師の資格も持っている人物。

彼がマレーシア人にとって無益な開発に待ったをかけた。


こうしてジョホールバルの大規模開発には
ますます暗雲が立ち込める次第となり、
人口に見合わない開発が何をもたらすかの
社会実験の場のようになってしまった。

中国の鬼城のようなゴーストタウンになるのだろうか?

そして、周りの競合する物件はどう影響を受けるのか?

当然他のコンドミニアムも
無関係ではいられないだろう。

なにしろ入居者は有限なのだから。

とは言え、開発が頓挫した地域が
住環境として魅力を兼ね備えられるところまで
発展することは望めない。

商業施設の出店等が不十分に終わる地域も
ますます増えていくことだろう。


日系の不動産会社の中にはすでに撤退したところもある。

ビジネスとして考えると真っ当な判断だが、
取り残された投資家の苦労話も聞こえてくる。


物価上昇率を見ると、
2010年 1.7%
2011年 3.2%
2012年 1.6%
2013年 2.1%
2014年 3.1%
2015年 2.1%
2016年 2.1%
2017年 3.7%
となっている。
(マレーシア投資開発庁調べ)

日本の同時期のインフレ率が
-0.27%から1%未満におおむね収まっているのに比べて
明らかに年々マレーシアの物価が上昇しているのがわかる。
(2014年のみ、日本のインフレ率が2.76%)

現地在住者にとって、
生活費が値上がりしているのは
肌感覚で理解できているところ。

ただし、リンギット安になっているために、
日本円換算すると物価上昇を吸収しても
余りあるメリットを受けられている。

このあたりは為替の問題なので、
今後も変動していくところで、
円ベースで考えている場合には
物価の上昇より為替変動の方が大きなインパクトがある。

特に年金を受け取っているリタイア世代の中には、
円安・リンギット高になったら
悲鳴をあげる人も出てくるだろう。


同じくマレーシア投資開発庁が発表している
経済成長率を見ると、
2010年 7.2%
2011年 5.1%
2012年 5.6%
2013年 4.7%
2014年 6.1%
2015年 4.9%
2016年 4.2%
2017年 5.9%
と堅調に推移している。

とは言え、マレーシア人の生産性が
高いかと問われると答えはNO。

これはマレーシア在住者なら
共通の見解ではないだろうか。

見積もりを求めても期日通りに出てこない。

家電の修理はいつになったら終わるのか分からない。

それが常態になっている国なので、
資源頼みの感は否めない。

前述のマハティール首相もこの件には苦言を呈しており、
ルックイースト政策の方向性については
今でも変わっていない模様。

ニューズウィーク:マレーシアの若者たちに「日本人を見習おう」 マハティール首相、ルックイースト再び

マハティール政権になってから
中国と距離を置く姿勢も見えてきている。

それは中国のデベロッパーである碧桂園控股の
フォレストシティにNOを突きつけたことからも分かる。

また、フィリピンのドゥテルテ大統領に
中国の一帯一路政策に気をつけるように
アドバイスを送ったことも報道された。

アジアの安定のためには、
覇権主義への意欲を見せる中国の封じ込めは必須。

この点においては、
マレーシアの後に移住したフィリピンよりも
今の段階ではマレーシアの方が堅実に見える。

住環境の基礎となる国防の面では、
マレーシアがフィリピンを一歩リードといったところか。


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