マニラが危険か安全かという話が無意味な理由【在住者の視点】

スポンサーリンク
マカティ
マニラは安全なのか、危険なのか?

現地に住んでみての率直な感想を述べてみたい。

スポンサーリンク

マラテに行ってみたところ・・・

まず、私にとってフィリピンは初の海外生活の場ではなく、
その前にマレーシアに2年以上住んでいた。

そこからマニラにやって来たが、
当初はコンドミニアムを借りる前に
マラテ地区のホテルに宿泊してみた。

ここはマニラでも治安が悪いとされる場所だけあって、
たしかに空気がピリピリしているのを感じた。

銃を持った警備員がコンビニや飲食店の前に立っていて、
街を歩いていても気が抜けない雰囲気が漂っている。

パソコンを持ち歩くのは危険と判断して、
ホテルの部屋のスーツケースの中に保管しておいた。


住み始めたのはマカティのレガスピ地区で、
マラテとは一転してマニラ市内でも安全な場所。

こちらはマレーシア時代よりもよほど治安の良さを感じた

夜になって一人歩きをしても平気だし、
1年が経過しても危険な目にあったり、
知人が事件に巻き込まれたりすることもない。

マレーシアの時のように
ノコギリらしき刃物を持った男が走ってきたり、
それをバットやゴルフクラブを持った男達が
集団で追いかけている現場に立ち会わせたこともない。

近所に住んでいる知人が
青龍刀を持った4人組に襲われ、
強盗に遭ったりした話も聞かない。


マカティやグローバルシティ(BCG)は特に安全なエリアで、
マニラの中でも例外的な位置づけ。

マラテはマラテで特別に危険な部類には入るが、
大半のエリアはその中間ということになる。

そして、マニラの大半は決して安全とは言えない。

体感的にはニューヨークと大差ない感じを受ける。


ただ、日本人が移住してくる場合、
マカティやグローバルシティ、オルティガス等の
いわゆる外国人エリアに住むことが多い。

マカティ

こうした場所に関しては、
フィリピン政府も外貨獲得の目的もあって
安全面に配慮している。

このあたりはフィリピンのしたたかなところで、
国土全部を均等に開発するという無理難題は最初から放棄して
地域ごとの特色を重視している。

結果、外国人がお金を落とすエリアを作り、
それ以外の部分よりも治安維持を優先している。

マニラ以外でも、
セブならマクタンやセブシティは同様だし、
エルニドやボラカイのようなリゾートも同じ。

いかに外国人旅行者を誘致するかを重視しているので、
このあたりはフィリピンの一般的なイメージよりも
ずっと安全になっている。



マニラの危険度はレベル1

フィリピンの銀行
外務省の海外危険情報にもとづくと、
マニラの危険度はレベル1となっており、
「十分注意」に分類されている。

同じフィリピンでも場所によっては
レベル3(渡航中止勧告)やレベル2(不要不急の渡航中止)に
指定されているエリアもある。

テロが多いことで有名なミンダナオ島は
レベル3のエリアもあるが、
日本人が通常訪れる場所ではないので
あまり関係はないだろう。


マニラで多い犯罪としては、
スリ、置き引き、ひったくりといった軽犯罪の他、
時には強盗も。

なにしろ銃社会の国なので、
強盗に使われる銃が本物である可能性は高い。

命を落とさないためにも、
時には素直にお金を差し出す判断も必要。

他にもタクシー等のぼったくり、
空港職員や警官による賄賂の要求、
詐欺や美人局、睡眠強盗などもある。


マニラの中でも高級ショッピングモールである
グリーンベルトを歩いていた時、
何度か20代前半の女性に声をかけられた。

店を聞かれたりした後、
返答しても不自然についてくる。

そして、そのまま食事に誘われた。

睡眠薬でも入れられて昏睡強盗に遭うのか?

ガラの悪い男が登場して美人局に巻き込まれるのか?

定番の「母親が病気で」という詐欺でもするのか?

共犯のぼったくりバーにでも誘われるのか?

様々なリスクが頭をよぎったが、
同じようなことはセブでより頻繁に起こった。

当然断ったので、
話を受けていたらどんな末路に至ったのかは分からない。

ただ、犯罪のにおいがするのは間違いなかった。



マニラでも特に危険な場所は?

有名なところでは、
スラム街のスモーキーマウンテンがある。



ただし、ここは外国人が足を踏み入れるような場所ではなく、
現実的にはマニラ在住の日本人にとっても
旅行に来た人にとっても通常は縁がない場所。

もう少し現実的なところでは、
先程も出てきたマラテ(Malate)がマニラでも危険エリアの一角。

かつての歓楽街が浄化作戦で一掃され、
その後に残ったのが現在のマラテの姿。

ストリートチルドレンも多く、
スリや置き引き等の多発地帯となっている。

2018年11月にはマラテで
日本人男性が昼間に銃殺される事件も起こった。


マラテやスモーキーマウンテン以外だと、
エドサ(Edsa)やキアポ(Quiapo)が
治安の悪いエリアとして知られる。

特に夜は注意が必要なので、
出歩くなら徒歩ではなくタクシーを使うほうが安全。



安全のために避けるべき行動

ジプニー
マニラは危険な場所もあるし、
マカティやBCGのような治安の良いエリアでも
最低限の注意は必要。

たとえば、街を歩いていて
日本語で話しかけてくるフィリピン人には
関わらない方が無難。

世界共通だが、
いきなり日本語で声をかけてくる相手は
詐欺師等の問題のある人物である可能性が高い。


イヤホンで音楽を聞きながら歩くのも
注意が散漫になってスリやひったくりに遭いやすくなる。

盗みやすいカモであるというシグナルを出すことにもなるので、
マニラではイヤホンはしない方がいい。


ガイドブックを街中で開くのも
極力避けたいところ。

不慣れな旅行者であると見られれば
狙われるリスクが高まる。


アクセサリー類も付けない方が安全。

知り合いのフィリピン人が
マニラ市内をバスで通勤していたところ、
ネックレスを引きちぎられて盗まれた事件があった。

犯人が銃を持っている可能性もあるので、
周りも犯人が去るまでは助けてくれないらしい。

フィリピン人同士でもこのようなことがあるぐらいなので、
外国人である日本人はいっそうリスクが高い。


夜に道端のATMでお金を引き出したり、
道端でお金を数えたりするのも危険。

一緒に旅行に行った人同士で
割り勘の支払い等がある場合でも、
安全な店の中でお金の受け渡しをするなり、
ホテルの部屋の中で行うなりした方がいい。


ジプニーや電車の利用は控え、
タクシー移動にすることも安全の確保に有効。

マニラではジプニーも電車も外国人は目立つし、
スリが多いことでも知られている。

私の友人のフィリピン在住者も
ジプニーでiphoneをスられたことがあった。

また、ジプニーでは強盗事件も報告されており、
安全な交通機関ではない。



犯罪に巻き込まれたら

もしマニラで犯罪に遭遇したら、
警察の電話番号は911または117。

911がフィリピンの警察、救急、消防の番号。

117がマニラの警察となる。

もっとも、フィリピン警察が
いちいち外国人が被害者の軽犯罪を
真剣に解決しようとすることは期待できない。

旅行保険の要件を満たす目的でなければ、
警察への連絡をしても
無駄な手間ひまがかかるだけかもしれない。


日本大使館の電話番号は02-551-5710、
住所は2627Roxas Boulevard, Pasay City, Metro Manila, 1300。

パスポートの盗難あった場合には、
大使館への連絡が必要となる。



最近の傾向では中心部より郊外が・・・

ショッピングモール
ここのところの傾向として言うと、
マニラは市内中心部よりも郊外の治安が荒れている。

これはドゥテルテ大統領就任後、
麻薬犯罪を中心に取り締まりが厳しくなったために
マニラの街中から外へと犯罪者が逃げ出したためとされる。

その後もこの傾向は続いている模様。

多くの日本人旅行者やマニラ在住者にとっては
望ましい傾向と言えるだろう。

何しろ郊外に出ていく機会はめったにないので。

私もマカティに住み始めてから、
マニラの市内から出たのは1度だけ。

それはカビテという街の不動産視察のためで、
それ以降はめったにマカティからも出ない。

なにしろ出る理由がないので。


マニラは観光資源が乏しく、
あえて挙げればマニラ大聖堂やサンチャゴ砦がある
イントラムロスのあたり。



ここは移民局もあるため、
永住権取得手続きでは訪れたが、
普段行くような場所ではない。

ちなみに、このあたりはうさんくさい客引きが多く、
不慣れな観光客向けにトライシクルや馬車が声をかけてくる。

自分から写真を撮らせておいて、
後からチップを請求してくるという報告も。


こうしたエリアから、
さらにマニラの外に出る機会はほぼない。

移動するなら飛行機になるので、
ニノイ・アキノ国際空港を利用することになる。

陸路は使わない。


また、ニノイ・アキノ国際空港は、
世界の空港ランキングでも
ワースト1に選ばれたこともあるほど
不便で汚職まみれで治安が悪いとされたこともあるが、
現在では汚職や治安は改善されている。

ニノイ・アキノ国際空港

かつてのように、
空港職員が荷物に銃弾を入れて
賄賂を要求するといった事件も聞かなくなった。

もっとも、今でも空港で
スーツケースをぐるぐる巻きに
ラッピングするサービスがあるのは
その頃の名残。

ただし、ターミナル間の距離と移動手段の不便さは変わらず、
清々しい気持ちで使える空港かと言われると
首を横に振らざるをえない。

以前よりは改善されたというだけで、
まだまだ先進国のレベルには遠いし、
近隣のタイのスワンナプーム国際空港にも程遠い。

むしろ同じバンコクの2番手である
ドンムアン空港よりもさらに不便なのが実態。

このあたりは改善のめどが立たず、
以前より危険は少なくなったとは言え、
根本的な不便さは解消される様子がない。



結局、マニラの治安はどうなのか?

フォートボニファシオ
世界的に見ても、
マニラはエリアによって
安全か危険かの評価が大きく変わる街。

マラテのように危険な場所から、
マカティのような安全な場所まで含んでいるので。

面積で考えれば、
たいていのエリアは危ない部類に入る。

ただし、日本人が住むような場所、
つまりマカティやBCGに関しては
イメージの良いマレーシアよりも安全に感じる。

そのため、フィリピンやマニラといった大きなくくりではなく、
もっと細分化したエリアで考えないと意味がないだろう。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事