3年ぶりに日本に戻って来て感じているのは、日本で和食を食べたからと言って劇的に美味しいわけではないということ。
普通に考えれば、やはり日本のクオリティは世界の中でも特殊でおかしくないはず。
何しろ元々の和食の発祥地であるわけなのだから、他とは群を抜いているのが当然にすら思える。
しかしながら、マニラやバンコクのように日本人が多く住んでいて、なおかつ日本人の板前さんが包丁を握っているとか、若しくは日本人のシェフが現地の人に味を指導しているような場合であれば、案外日本と大してクオリティの変わらない料理が出てくる。
刺身や寿司のような比較的素材の味が重要になってくるものはもちろん、すき焼きや牛丼のように味付けが関わってくるようなものについても、決して海外だからと言って見劣りするとは限らない。
むしろ、マニラのリトル東京の店の方が、日本の下手な定食屋よりも料理が美味しいことすらある。
バンコクのトンローやプロンポン、タニヤ通りの店にも同様のことが言える。
そういう意味で言うと、日本に戻って来たからと言って食事がすごく楽しみというわけでもない。
実際にスーパーなどに行って物価を調査してみると、やはり海外の日本食材店で購入する場合に比べると、半額や三割引きぐらいで購入することが出来るので、日本の食材同士で比較するとかなり割安感はある。
しかしながら、味の部分で言うとそこまでのレベルの違いはない。
ただし、これは一般的な定食屋等の話で、例えば一食3万円程度するようなこだわりの店であれば、やはり日本のクオリティはかなり際立っているということを感じる。
海外に行くと標準的な日本人、もしくはローカルの人でも来れるようなところに価格設定をするのが一般的なので、高級店は少ない。
それに比べると、日本はミシュランの星を貰っているレストランも多いし、いわゆる富裕層狙いの高級店も数多く存在している。
そういった店に関して言えば、やはり日本ならではのサービスやもてなしを受けられるのも事実ではある一方で、一般的な中間層と呼ばれる人たちが行くようなレストランであれば、東南アジア諸国とそこまで大きな差はないのではないかと感じている。
その一方で和菓子とか、あるいは洋菓子も含めたスイーツは日本のレベルが非常に高いし、選択肢も多い。
この部分はデパ地下などに行って、ある程度こだわっている商品を買った場合もそうだし、あるいはコンビニで手軽に手に入るスイーツを見ても同じことが言える。
東南アジアの場合だと、そもそもの選択肢が少ないし、こだわったものであれば日本よりも金額がかえって高くなっている場合もある。
そういうことを考えると、日本はスイーツにおいてかなり恵まれた国だと感じる。
コンビニの食品に関しては保存料や添加物の問題もあるので、健康への影響は心配される部分もあるが、単純に味ということで言えばレベルが高い。
コンビニで安い弁当も売られているので、こちらも健康への影響はとりあえず無視して、安い金額で美味しいものを食べてお腹をいっぱいにしたいということであれば、そこそこ恵まれた環境だろう。
確かにフィリピンのセブンイレブンの方が、圧倒的に安い商品は提供しているし、サンドイッチの価格も二分の一から三分の一程度ではあるものの、クオリティの差を考えれば、日本のコンビニは決してコストパフォーマンスは悪くない。