その中の一つに、「いま現在の国籍はどこですか?」というものがあった。
もちろん私は生まれてからずっと日本国籍のままだし、今後も変える予定はない。
しかしながら、このような誤解を受けるのも、ある意味でもっともなことで、世の中にはリタイアメントビザや永住権を取得した段階で、その国に帰化したものと誤解している人がいる。
実際には、ただ単にその国に住む権利であるビザを得ているだけなので、国籍が日本から変わるということはない。
これが市民権であれば話は違ってきて、原則として市民権を取った国の国民になるということになり、パスポートの発行国も変わることになる。
しかしながら、私はただ単に海外に居住してビザを取っているだけという扱いなので、あくまでも日本の10年物の赤いパスポートを持っているし、国籍も変わってはいない。
住民票は抜いているので日本に戸籍は残ってはいないものの、いつでも住民票をまた戻して、日本に住める状態は保っている。
日本国籍は貴重
こうして海外に住んでいると、どこの国に国籍を持っていても変わらないのではかという概念が一瞬頭をよぎることはある。しかしよく考えてみればそんなことはなく、日本人であることは無視しがたい大きなメリットがある。
例えばフィリピン人であれば、わざわざ事前にビザの申請をしてそれから渡航をしなければいけない国に日本人ならビザなしで入れるとか、空港で観光ビザを取得できるとか、そういった便宜が図られていることが多い。
Henley & Partnersのpassport indexで日本は1位に位置づけられるほど、日本人は他国へ渡航しやすい環境を享受している。
その権利を手放すことはそうそう考えられないし、やはり自分が生まれ育った国の国民でありたいという気持ちもある。
海外に住むようになって多少は国際人という感覚も出てきたが、突然縁もゆかりもない国の人間として扱われても、やはりそれに対しては戸惑いがあるというのが、実際のところ。
そういった意味で、海外に居住するようになって選択肢が広がったのは事実だし、視野も広がった。
しかしながら、変わらないものもあるし、変える必要がないものも存在する。
そういったことを考えると、今後も市民権自体をどこかの国で取るということは考えてはいない。
今後フィリピンで永住権の手続きが完了すれば、その段階で永住権の保持者ということにはなるが、それによって特に国籍に変更はないし、実際問題として何が変わるというわけではない。
ただ単にいつでもフィリピンに住めるということと、滞在する期限に制限がなくなるというだけの話。
アメリカのグリーンカードのリスク
実は以前にアメリカのグリーンカードを取らないかという提案を受けたこともあるものの、こちらも検討はしたものの、却下することにした。というのは、アメリカでグリーンカードを取るのは、いわゆる永住権を取っていることになるが、グリーンカードを取得してしまうとアメリカに税金を払わなければいけない義務が発生するため。
さらに言うとゆくゆくは市民権も取れるということも説明として受けたが、市民権については今回話したような理由で、どこの国でも取る予定はないのでお断りすることにした。
国籍と居住国がずれているのは不思議に感じるかもしれないが、世界的に見ればよくある話。
フィリピンのOFWのように国境を越えて出稼ぎに出ている人もいれば、リタイアして自分の国ではなく、もっと気候の良いところで暮らすという人もいる。
グローバル企業に勤めていれば、他の国に転勤になることもある。
そういった意味ではますます国境にとらわれる必要は感じなくなっていくし、その一方で自分がどの国の出身であるかという文化的背景やアイデンティティについては、こだわり続けたいとも思う。
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