オーストリアの長距離鉄道(OBB)はヨーロッパ有数のひどさ

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オーストラリアの長距離鉄道は、
ヨーロッパの中でブルガリアと一、ニを争うほど
ひどい印象を持っている。

ワーストランキングのトップレベルで、
とても不快な思いをした。


今回はミュンヘンからバスでインスブルックに入り、
アルプスに面したチロルの街を楽しんだ後、
OBB(オーストリア連邦鉄道)の長距離鉄道でザルツブルクへ。

その後、バスでバートイシュルまで行って、
そこからは再び鉄道でハルシュタットに移動。

ハルシュタットからは鉄道でグラーツへ行って、
最後にバスで隣国、スロベニアの首都リュブリャナへ抜けた。

つまり、長距離鉄道を使ったのは
インスブルック−ザルツブルク、
バートイシュル−ハルシュタット、
ハルシュタット−グラーツの3区間。

リュブリャナ行きにバスを選んだのは、
もうオーストリアで鉄道に乗るのはうんざりだったから。

グラーツ中央駅の目の前にバスターミナルがあったし、
これ以上不確実性に翻弄されないために
鉄道を避けてバスを選択した。


ノルトケッテという山から見渡すインスブルックは美しかったし、
郊外のアンブラス城ものどかで好きだった。

ザルツブルクのホーエンザルツブルク城やミラベル宮殿、
ザルツァッハ川の川下りも思い出に残っている。

ハルシュタットの湖と街の調和も素晴らしかった。

しかし、オーストリア内での移動については
不快な思いをすることが多く、
せっかく良い思い出ができても、
去り際に嫌な記憶が上書きされてしまう。

それがこの国の残念なところ。



では、オーストリアの長距離鉄道の何が悪かったのか?

乗り心地がひどかったわけではない。

車両はヨーロッパの中でも標準的なレベルで、
特別良くも悪くもなかった。

遅延が頻発して、定刻通りに動かないかと言えば、
そんなこともなかった。

時刻表と多少の前後はあっても、
予定時刻から10分以内には鉄道が来た。


問題なのは、オンラインでの予約システム。

オーストリアに限らず、
ヨーロッパの長距離鉄道をネットで予約した場合、
PDFや画像が送られてくることが多い。

そこにQRコードが載っていたり、
あるいは予約番号が書かれていたり。

それをチケット代わりに提示するというのが
標準的なシステム。

プリントアウトを求められることもあるが、
大抵はパソコンやスマホで示せば問題ない。


しかし、オーストリアはこの点が違う。

インスブルックからザルツブルクに向かう途中、
多くのヨーロッパ諸国と同様に
ホームへの自動改札等はなく、
鉄道が動き出してから車掌がチェックしに来た。

そこで送付されてきたPDFファイルを見せると、
これはチケットではないと言う。

日付や区間、出発時間、購入金額等も書いてあるにも関わらず。

どういうことかと質問すると、
「これはチケットではない、支払いをしなくてはいけない」
と繰り返すばかりでらちが明かない。

一向に会話が進展しないまま、
車掌はいったん後ろの車両に去っていった。


その後、ザルツブルクが近づいてきた頃、
もう1度車掌が戻ってきた。

英語がろくに話せないから会話が成り立たないのか、
職業人として問題があって説明すらする気がないのか知らないが、
これ以上関わり合うのもストレスなので
二重払いになることを承知で支払いを決めたところ、
スマホで画像を見せてきた。

チケットの販売機のようなものが、そこに映っている。

勝ち誇ったような顔でそれを指差す車掌の様子を見る限り、
駅に設置されていると思われるその機械で
事前に何かの手続きが必要だったらしい。

カバンの中にある財布に手を伸ばすと、
なぜか車掌は気分良さそうに立ち去った。


そんなことがあったので、
バートイシュルからハルシュタットへの長距離鉄道を予約した時は、
どこかに説明書きがないか注意を払った。

結果として分かったのは、
決済までは英語とドイツ語を選べるが、
購入後のメールは強制的にドイツ語になる。

そこにチケット購入後のプロセスについて説明があっても、
ドイツ語がわからない限り理解不能。

オーストリア人とドイツ人には良くても、
それ以外の国の大多数の人間は困ると思うのだが・・・。


仕方ないので、
時間に余裕を持ってバートイシュルの駅に向かい、
それらしい機械を操作してみた。

番号を入力する欄があったので、
そこに手持ちのチケットのそれらしい番号を入れたが
チケットが発給される様子はまったくない。

そこで、チケット売り場で尋ねてみた。

バートイシュルは小さい駅で、
窓口は3つほどしかなく、
私が訪れた時に開いていた窓口は1つだった。


まずはPDFをホテルでプリントアウトしてもらった紙を見せ、
これが長距離鉄道のチケットとして使えるか確認した。

答えは使えないとのこと。

ウェブサイトで予約したのだが、
この後に何か手続きが必要なのか質問すると、
いかにも面倒くさそうに首を振りながら
「それは私の仕事じゃない」と言い出したので、
無視して「どうすればいいのか?あの機械で手続きをするのか?」と尋ねると
「私の仕事じゃない」を連呼しながら、
なぜかチケットの発給を始めた。

手続きの方法の質問に対して、
なぜ自分の仕事ではない発給業務を始めるのか、
こちらの質問に最後まで回答しない理由は何なのか分からない。

オーストリアの長距離鉄道のスタッフは
会話が成立しないのだろうか。

絵に描いたような嫌々仕事をする様子にうんざりしながら、
一応礼を言ってハルシュタットへ向かった。


この2つの出来事から、
もうオーストリアで鉄道を利用するために
オンラインでの予約は使わないことに決めた。

なぜこのような独自ルールを採用しているのか、
そしてどんな基準で社員を雇用して教育しているのか知らないが、
ダメなシステムにはかかわらない方がいい。

ハルシュタットからグラーツ行きのチケットは
事前に予約をせずに、
当日窓口で購入した。


オーストリアはインスブルックやハルシュタットのように、
自然に恵まれている街がある一方、
ウィーンやザルツブルクのように歴史や芸術に彩られてもいる。

有り余るほどの観光資産をずっと手にしてきた結果、
観光業に携わるスタッフのいい加減さはところどころで目についた。

失礼なホテルのフロントがいたり、
インスブルックの某博物館の対応がひどかったり、
博物館の館内案内でもドイツ語表記しかなく、
英語での案内もなかったり。


こうした姿勢は、ギリシャやイタリアに通じるところがある。

文化的にはドイツよりと認識していたが、
旅行関係の仕事については南欧に近い気質なのかもしれない。

旅先として魅力的な国だけに、残念だった。


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