複数の国で永住権を取得することは可能。ただし・・・

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永住権を複数の国で取得することは、
直接的には問題のない行為となる。

というのも、永住権はビザの一種なので、
アメリカの観光ビザとタイの観光ビザと
マレーシアの観光ビザを取得したとしても
どこの国の規約にも反しないのと同じ。

前提として加えておくと、
永住権は国籍には影響を及ぼさない。

より強い権利である市民権の場合には国籍も付与され、
さらに日本が二重国籍を禁止している国のために
市民権取得が国籍変更も伴うことになる。


私の場合、マレーシアでリタイアメントビザ(MM2H)を取って、
それから1年半ほどたってから
フィリピンの永住権(クオータビザ)を取得。

この2つのビザを保有している。

他にもベトナムの3ヶ月の観光ビザを取ったり、
アメリカに行く際にはESTAを取ったりしたが、
もちろん何の差支えもない。

フィリピンのクオータビザを理由に
他国の観光ビザの申請を却下されたりはしないし、
逆に他のビザを持っているとクオータビザが失効したりもしない。


ただし、複数の永住権を持っている場合、
実質的に保持が不可能なこともある。


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滞在日数に制約がある永住権も

たとえば、イギリスの場合には
年間の半数以上の日数、つまり183日以上を
イギリスで過ごすことが条件として課せられている。

言い換えれば、半年以上を他の国で過ごすと、
イギリスの永住権は失効してしまう。

他にも生活の本拠をイギリスから移した場合も同様だが、
これについては判断基準が明確ではないだけに
不利益な扱いを受けるリスクをはらんでいる。


台湾の永住権も同様に年間183日以上の滞在が
義務付けられており、
それを破ると執行してしまう。

特別な理由があれば2年までは台湾を離れることが認められるが、
頻繁に生じるものではないだろう。


ということは、イギリスと台湾の永住権を取得できても、
一方の条件を満たせば他方は失効。

あちらを立てればこちらが立たずの関係になる。

他にカナダの永住権も5年のうち3年は住まないといけないため、
やはり日数制限の問題が出て来る。


この意味で、複数の権利が干渉しあって
両立しないことがある。


ただ、これは永住権に内包された性質ではない。

単純に一部の国の条件に最低滞在日数が規定されていて、
それの両立が不可能なだけ。

たとえばフィリピンのクオータビザなら、
1年に1度移民局にアニュアルレポートの手続きで
出向く必要があるだけ。

実際には5年に1度で十分とされているので、
まったく住んでいなくてもいいことになる。

事実、私はフィリピンに住み続ける予定だったわけではないし、
クオータビザ取得後も2年近くフィリピンで暮らしていない。

しかし、それによって失効したりはしない。

将来に渡り、いつでも住めるという保険になっている。


つまり、複数の永住権を取得する際に注意が必要なのは、
それぞれの条件が両立するかということ。

フィリピンとイギリスの永住権なら問題ない。

しかし、イギリスとカナダや台湾では、
どこかの国の滞在日数が実現されず、
将来的に失効してしまう。

その意味では、
複数の権利が互いに邪魔をしてしまう状況はありえる。


ただし、現実にそのようなことが起こるかと言えば、
その確率は低いと言わざるをえない。


永住権を複数持つ人が少ない理由

複数の永住権を取ろうにも、
そう簡単に取れるわけではない。

たとえば、イギリスの場合なら、
有効なビザを持って現地で5年以上働いたり、
ビザを持ちながら働かずに10年滞在した場合、
結婚して配偶者ビザを取ってから2年たった場合。

このように他のビザで当初は滞在し、
数年が過ぎると永住権が与えられる例は世界的にもよく見られる。

別の例を挙げると香港も同じで、
こちらは7年の居住が条件となる。

私がお世話になっている香港の金融のプロは
この条件を満たして永住権を取得した。


このように、数年がかりで滞在条件を満たすわけだが、
大半の人はその国で起業するか、
雇われて仕事をすることで就労ビザ等を獲得し、
それを更新して何年も仕事をした結果として永住権に手が届く。

同じことを複数の国でする人はあまりいないだろう。


永住権を取りやすい国

例外的に取得が容易な国としてはフィリピンがあり、
こちらは手続きのために3回フィリピンに渡航する以外だと、
5万ドルを国外から送金し、
手続完了まで現地の銀行口座に残しておくだけ。

この5万ドルは自分の口座の中で維持しておき、
手続き終了後は出金するなり、
別の国に送金するなりして問題ない。

ここまでハードルが低い国は少数のため、
あくまで例外扱いと考えるのが妥当だろう。


なお、永住権を持って数年間滞在すると、
市民権にバージョンアップできる場合もある。

ただし、前述の通り日本人が他国で市民権を取ると
日本国籍を喪失するというデメリットがあるため、
現実に市民権を取得する人はごく限られる。

感情的にも、パスポートの利便性の面からも、
日本国籍を捨てることはマイナス面が大きすぎるだろう。


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