海外でセミリタイア生活をしてみた。資金の条件や毎日の様子は?


サラリーマンの頃の夢は、早く資産を作りセミリタイア生活を送ることだった。

当時は海外に住みたいとは思っていなかったし、マレーシアやフィリピン、タイ、台湾と複数の国に住む未来を思い描いていなかった。

セミリタイアのための条件を満たすために株式や不動産投資を学んでみたり、微々たる給料の中から貯金をしたりしてみたが、その当時はゴールが見えていたわけではない。

何しろサラリーマンとしての給料が月収20万円だったので、その金額では生活費を除いた金額を貯金したところで金額はたかが知れているし、セミリタイア生活を送るにはあまりにも心許なかった。

どう計算しても、40代や50代前半では不可能だったし、資産運用をするにも資金が少なすぎる。

しかし、現実に海外でセミリタイアを実現してみると、思ったのと違うルートを通っていたことが分かった。

一生遊んで暮らせるだけの資産を作る以外の方法が、実はあった。


サラリーマンのままならセミリタイアできなかった


早い段階で仕事漬けの日々から解放されるための条件として、一定以上の資産を作って、その利息や家賃収入等で食べていくか、もしくは資産を食いつぶしていく方法が一般的にイメージされる。

ハイレバレッジな投資をして、その運用益で生活するのはリスクが大きすぎる。

投資に失敗して資産を失ったら目も当てられない。

いきなり路頭に迷うことになってしまう。


そうなると、せいぜい年利3%〜4%の利回りで資産を運用し、生涯安泰というのが条件だろう。

慎ましい生活を送って年間支出300万程度に押さえるなら、1億円の資金を元手に3%で資産運用すれば運用益だけで生活できる。


しかしながら、こうした資産運用以外のセミリタイアの方法もあって、小さなビジネスを作り、そこから完全に引退するのではなく、ちょっとしたメンテナンス作業とか、そのくらいのことしか必要ない状態にして生活していくこともできる。

私の場合は、こちらの条件を先に達成することができた。

というより、完全な引退ではなくセミリタイアという定義を考えると、こちらが本来の姿ではないかと。


どちらにしてもサラリーマンのままだったら、達成することは不可能。

何しろ、一定以上の資産を作るといっても、20代や30代の段階では給料も安く、順当にいけば予想される残りの寿命も長いわけなので、資産を食いつぶして生きていくのは非常にリスクが高い。

年齢が高くなってくればこちらの方法でもいいと思うが、若い段階では難しいと思った方が現実的。

一方、自分のビジネスを作って、メンテナンスとか最低限の作業に限定してセミリタイア生活を送る場合も、当然ながらサラリーマンとしての本業の活動では条件を満たすことができないので、時間外に副業をして自分で仕組みを作るとか、そういった取り組みが必須となる。

私の場合だと、まずはサラリーマン時代に副業としてビジネスを小さく初めて、それから独立を果たした。

その後、仕組みが出来てきたら、1日に5分〜15分くらいのメンテナンスや対応をするだけで済むようになったので、そこからセミリタイア生活を始めてみることにした。


セミリタイアに求められる条件とは?


一言でセミリタイア生活を送ると言っても、年齢によって求められる条件や資産額は変わってくる。

当然ながら30歳の場合と60歳の場合では、今後の人生において必要とされる資金の額が違うし、長く生きるほどに経済危機とか、インフレやデフレ、資産額の上昇や下落といった不確定要因も増えてくる。

そういったものに柔軟に対応できるようにしておかないと、後悔することになりかねない。

その意味では、仕事から完全に引退するのではなくて、まだ片足は残しておく状態のセミリタイアは機動性が高く、面白い選択肢であるように感じた。

当時の私はまだ30代に入ったばかりだったので、仕事を完全に辞めたいわけでもなかったし、むしろ独立してからはストレスフリーの状態で働くことができていたので、切実に仕事を辞めたいと思っていたサラリーマン時代とは事情が違っていた。

ひとまず私がやったのは、今後の人生でどのくらいの支出が必要であるかを、ざっくりと計算してみること。

その資金を現在の資産額で全てまかなえるかということと、現在ほぼ自動で回っているビジネスが生涯に渡ってどのくらい稼いでくれるのか、ということも継続性も含めて試算してみたところ、セミリタイア生活を送るための条件を満たしているという結論に至った。


私の場合は、現在は直接的に株はやっていないが、ファンド投資を通して各国の株式を保有したり、あるいは海外に不動産を複数持っていたりもするので、単なる貯金として資産を保有しているというよりは、それ以外の金融資産や不動産等に分散している。

そういったところから得られる収入も含めると、もはや資金的な面で仕事を中心にした生活を送る必要はないという結論に至った。


実験的に仕事から離れてみた


人生において大きな決断を下すのは緊張するものだが、セミリタイア生活に関して言うと、特にそういった感慨深いものではなく、むしろ実験として小さくスタートしてみようという思いがあった。

ビジネスであれば、いきなり巨額の資金を投入するのではなくて、まずは小さくスタートしてみて、テスト結果を見ながら改善したり、撤退したりの判断をするのは常識。

これは人生においても通用する法則で、気まぐれにフィリピンやマレーシアに移住してみた時も、合わなければ戻ればいいという気持ちがあった。

永住しようという思いがないからこそ変化を起こせたし、フィリピンに住んでいた時にセミリタイア生活を送ってみようと思った時も同じこと。

居心地がいいのであれば継続すればいいし、そうでないのであれば辞めればいい。

戻ってくることができない状況を作ったわけではないので、そこら辺はあまり深刻に考える必要がなかった。


時間が余って困った


毎朝その日の状況に応じて、ビジネスの仕組みを5分から15分ほどメンテナンスはするものの、それ以外には特にビジネスを行うことなく、日々を過ごすことにしたのだが、思いのほか時間が余ることになった。

映画を見るにしても、1日中見ていると退屈になってくるし、私は旅に出ている時以外は家にいるのが好きなので、毎日毎日大部分の時間を外で過ごしたいとも思わない。

そうなってくると遊び歩くにしても限界が出てくるし、家で本でも読もうかと思っていても、インプットした情報をアウトプットする場がほとんどないわけで、仕事を辞めてしまうと本を読む意味も薄れてしまった。

何かを学ぶこと自体に意味があるわけではなくて、それを実践したり、結果を見て行動を修正していくことに意味があるわけで、あくまでも本はヒントに過ぎないと思っている。

その理屈で言うと、やはり仕事というアウトプットの場は必要なものだと感じた。


その当時は、フィリピンのプール付きコンドミニアムに住んでいたので、プールサイドのデッキチェアで寝そべってくつろいでもみたが、さすがに何時間もそのまま寝ているのは退屈でしかなく、かといってプールで1時間も2時間も泳ぎ続けるほどの体力もない。

プールサイドにはゲームルームがあり、ビリヤード台やダーツ、卓球台、Wiiもあった。

とは言え、1人で淡々とビリヤードやダーツをしていても楽しくはない。

プールサイドで寝そべるのも、なんとなくビリヤードをするのも、充実した生活を送っていくために軸になるような活動ではない。

マッサージも毎日受けるようなものではないし、何かやりがいのあることをしたくなった。


海外セミリタイア生活の終わり

マニラ湾
結局、セミリタイア生活を実践してみた結果、虚しいだけという結論に至り、仕事に復帰することにした。

もともとが1人でビジネスをしているので職場に復帰するようなこともなく、戻ってくると言っても自分の気持ち一つなので、特に誰かに断りを入れる必要がないのは幸いだった。

照れながらオフィスに復帰するでもなく、気分1つで復帰した。

こんな感じで、結局2ヶ月も経たずにセミリタイア生活は頓挫して、ほどほどに働くのが理想的という結論に至った。

もちろんこれは働き方を自分で選べる場合という限定は付くし、もし仮に私がサラリーマン生活をいまだに続けていたのであれば、今すぐに仕事を辞めたいと心から願っていたはず。

そういった意味で言うと、働く時間とか場所とか、そういったものの自由を得ながら、さらには仕事や顧客を選べるという環境を作って、やりがいのある仕事をしていくのがベストという結論に至った。


実際、仕事に復帰してからも長期の旅行に出たりすることはあり、先日までは1年半に渡ってホテル暮らしをしながら世界を回ってきた。

セミリタイアしてみたのはマニラのマカティ市にあるコンドミニアムに住んでいた時だが、そこに1年住んだ後は自宅を引き払い、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、北米と周ってきた。

それは仕事をしながらでもできることだったので、もはや引退したいという気持ちはない。

むしろ仕事によって自己成長、顧客への貢献を果たしながら旅をする方が充実感もあり、日々が実りあるものとなった。

現在はセブのコンドミニアムを借りているが、数ヶ月後にはコンドミニアムの契約期間が切れるので、その後は再び色々な国を周る予定でいる。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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