バンコクからホーチミンに飛び、そのまま中部のフエやダナンを経由してハノイに北上していったが、どうもベトナム人とは性格の面でいまいちしっくりこないというか、気質が合わないと思うことがたびたびあった。
これまでも東南アジアで5年ほど暮らしてきたし、タイはたびたび訪れてきたが、ざっくりした印象としては、ベトナム人の性格はタイ人を中国化した印象。
実際、地理的にもベトナムは中国の国境と接しているし、歴史的に見ても中国の支配を受けていた時代が長く、文化圏として近接している。
国として中国の影響を受けていることについては疑うべくもないし、気質の部分で近いものがあったとしても特に不思議はない。
一方、ベトナム人の女性はヘルシーな食事を反映して痩せているし、アオザイも人気がある。
東南アジアの中でも屈指の健康的な食習慣があるのがベトナムで、フォーやバインセオ、生春巻き等を見ても、それが分かる。
香草を含めた野菜を多く摂る文化があるため、油を取りすぎるマレーシア人や、肉・米に偏りすぎたフィリピン人に比べると体型がスリムな上、30歳を越えてもスタイルがキープされがち。
そんなベトナム人女性にはまる男性も少なからずいるし、すでに付き合っていて、結婚を考えている日本人男性に会ったこともある。
他方で、ベトナム人男性がモテるという話は聞いたことがなく、欧米における日本人男女の人気の不均衡にも似ている。
ここでは具体的な出来事を例にベトナム人の国民性の特徴を見ていこうと思う。
ホーチミンでは妙に人がぶつかってくる
今回ベトナムの旅の起点となったホーチミンだが、最初のうち感じたのは、体や鞄にぶつかってくる人が多いということ。
それに対して特に気にしている様子もないし、まして謝ってくる人は皆無。
最初はスリの疑いを抱いたので警戒していたが、鞄の中身が盗られたことはなく、単独でのスリでもなければ、一人が気を引いておいて仲間がその間に物を盗むという手口でもない模様。
ただ単に人の体に触れることに抵抗がないだけらしいが、こちらが違和感を覚えるぐらいぶつかってきた。
思い返してみると、バイクタクシーの運転手も妙に馴れ馴れしいし、物売りにしても腕を叩いてきたりするので、パーソナルスペースが日本人や一般的な先進国の人間に比べて狭いらしい。
中国においても歩いていて、かかとを踏まれても謝られることはめったにないし、以前に中国の珠海という街に住んでいた友人の話では、たまに香港に行って足を踏まれたら、相手が謝ってくるのでビックリしたことがあるという。
中国本土に住んでいると、そんなことはまずなく、謝罪も何もないガサツな街で暮らしているので、すぐ近くの香港に来て相手が一言詫びを口にするだけでもマナーの違いを感じたという。
ベトナムも中国ほどではないがガサツなところがあり、バイクタクシーの声の掛け方を考えてみても、平気で人を指さした後に手招きをしたりとか、日本であればクレームの対象になるくらいにダラけた態度(たとえば、バイクの上に寝そべったまま)で悪びれる様子もなく声をかけてくる。
しかも、無視してもしつこい。
特にハノイとホーチミンはその傾向が強かった。
なお、中部のフエからホーチミンにベトナム航空の国内線で飛んだ時も、飛行機の着陸後に乗客が立ち上がって荷物を取り出す間も、これまでに経験したことがないほどに人がぶつかってくる。
日本人とベトナム人の感覚が違うだけではなく、国際的に見てもかなり特殊な感覚を彼らは持っているらしい。
こういった特徴は他にもインドなどで見られるが、個人的には好きではない。
ホイアンでは自転車もぶつかってくる
ホイアンはハノイやホーチミンに比べると街の規模が小さく、ぐっとローカル感が増す。
ただし交通量は多く、歩道の整備もいまいちなので自転車やバイクをよけながら歩かなくてはならず、かなりストレスになる。
一応歩道が用意されている道も多いのだが、バイク置き場のようになっていたり、店の看板やローカルレストランの席でふさがれていることが多々あり、実際に歩道を歩ける場所はレア。
ベトナム人は信号が嫌いなのか、彼らの性格的に適当に空気を読みながらカオスな交通事情のままであることを望んでいるのか知らないが、ろくに信号もない。
これは同じ中部のダナンについても言えること。
ホテルで自転車を借りて走ってみたが、大きめの交差点は危険すぎて渡りたくなかったし、特にダナン中心部にあるハン川付近はひどかった。
ホイアンの旧市街の道を歩いていても、時折自転車が後ろから足にぶつかってきたり、前から来た自転車と衝突しそうになったことが何度かある。
その時も相手が謝ってきたことはなく、申し訳なさそうな様子も垣間見えない。
そういう気質というか、ベトナム人の国民性なのだろうが、ぶつかってきておいて「どうかした?」と言わんばかりの態度を見ると、もはや関わり合いになるのもバカバカしくなってくる。
ホーチミンでの空港での出来事
ホーチミンの街の北側にはタンソンニャット国際空港があり、ベトナムでもハノイのノイバイ国際空港と並んで空の玄関口となっている。
フエのフバイ国際空港行きの国内便に乗るため、ベトジェットという航空会社のチケットカウンターに並んでいた。
しばらく列に並び、次は私というところにきていったん区切られたのだが、そのあと離陸直前のハノイやハイフォン行きの予約をした人が優先的に通され始めた。
次から次に湧いて出て、どうしてこうも時間ギリギリになっている人がぞろぞろと現れるのか理解に苦しんだ。
数人程度ならわかるが、15分以上待たされる程に時間ギリギリの人が続々現れるというのは、これまで各国を旅してきた中でもかなりの異常事態。
これがベトナム人の時間感覚なのかどうかはよくわからないが、その状態で待たされる間、ホームレスらしき男が列の最前列とチケットカウンターの間をなぜかうろうろして声をかけて周ってきた。
ただし、お金や食べ物を恵んでほしいと言っている様子でもなく、誰も何かを手渡す様子はない。
そして私のところにもやってきたのだが、馴れ馴れしく何度も腕を触ってくるし、英語でベトナム語は話せないと言っているにもかかわらず、延々向こうの言葉で話してくる。
途中から面倒になって日本語であっちに行けと言い始めたが、気にする様子もない。
当然、こちらが日本語や英語でしゃべっているのでベトナム語が通じていないことは理解できていると思うのだが、それでも退散する様子がない。
たびたびベトジェットの係員が横を歩いてチケットカウンターへの誘導をおこなっているので、当然その様子が目に入っているはずだが、特に注意するわけでもない。
そこら辺の管理の甘さとか、不審者が紛れ込んでも何もしないルーズな気質も理解し難いものがある。
これがローカルレストラン等であればわかるが、仮にも警備が厳重な空港でこのようなことがまかり通っているのはどうしたものかと思う。
接客は愛想がよく適当?
ベトナム人の性格は、ホテルやレストランの接客にはかなり向いているのではないかというのが今回の旅の感想。
比較的愛想がよく、特にホテルのフロント等はしっかりした接客の教育も受けているらしく、ホーチミンにしろハノイにしろ、あるいはフエやダナンにしろ気持ちよく宿泊することができた。
ただしホーチミンの一部のバーやレストランでは、ある程度店員が忙しくなってくると、処理能力があまり高くないのか、注文の間違いや、注文を紛失したのでもう一度教えてほしいと言ってきたり、会計を頼んでも完全に忘れていたりといったことが時々あった。
どちらかというといい加減に思われているフィリピン人のほうが、レストランの接客においては正確さが高いような印象は受けたが、平均的な愛想の良さという部分ではベトナム人に軍配が上がる印象。
ただし、ダナンやホイアンのような中部の観光の町については、より一層適当さが際立っていた。
ダナンのミーケビーチ付近のレストランでは、メニューを持ってきてから注文を取るまで、急かすように斜め後ろに張り付いたままの店と、どこか行ったきりこちらが呼ぶまで店員が一切戻ってこない店の二極化が見られた。
ホイアンは短期で観光に訪れるだけの一見客が大多数のためか、半数ぐらいの店は適当に仕事をしているのが丸出しだった。
また、トゥボン川を中心にした旧市街近くに長く滞在して感じたのは、白人への対応が優先されている場面が多々あるということ。
白人優遇がベトナム人全体について言えることなのか、古都というだけではなく観光都市であるホイアンに限定されている事情なのかは定かではない。
騒音はベトナムに付き物
ベトナム人の国民性を語る上で、騒音に対する感覚の鈍さは見逃せない。
大音量で音楽をかけることはもちろん、運転中もむやみやたらにクラクションをそこら中で鳴らすので、いざ危険が迫ってもクラクションが警告として機能しない。
ホテルの従業員も大声で歌いだしたり、好き放題な印象。
ホテルの造りも防音が弱く、ベトナム在住の人に話を聞いても、コンドミニアムも同様に防音性能は低いと言う。
ホーチミンやハノイのような大都市で静寂を求めるのは無理にしても、古都であるフエやホイアンならどうかと思ったが、まったく無駄な期待だった。
静かに滞在したいというニーズを満たすために訪れる国としては、ベトナムは完全に不適格。
うるさいことを前提にして訪れる方が賢明だろう。
ある条件を満たせば、いい人達
ホーチミン在住の日本人の知人2人に現地で話を聞く機会があった。
ベトナム人の特徴として、外国人に対しては警戒心があったり、身内以外には冷たかったりする一方で、心理的な意味で身内に入れば同族意識が強いというか、家族や友人に対しては親切で助け合おうとする気持ちが強いという。
国や政府が歴史的にも信用できず、身内や同族間での結びつきが強いというのは中国において観察される傾向だが、ベトナムもどこか同じ空気があるらしい。
もっとも血縁関係にはなくても友人関係になるだけで随分違うということなので、関わり方によっても印象は変わってくるだろう。
今回旅する中でも、ベトナム人とは性格が合わないと感じる場面が街中では時々あった反面で、ホテルの人達はとても親切で、移動手段等の相談にも丁寧にのってくれた。
ベトナムの国民性を特別に好きというわけではないものの、旅行をしたり、あるいは数か月間の滞在をしたりするくらいであれば、特に大きなストレスはなさそうというのが今の印象。
今回はバンコクから行ったのと、タイのすぐ近くの国なので、タイと比べるといまいちという印象はぬぐえないが、これは単純に比較対象であるタイのレベルが高いからとも言える。
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