多くの人がワーホリで行く国といえば、
オーストラリアやニュージーランド、
カナダ、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスあたりだろう。
他にも制度上、とこう可能な国として
韓国、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、
ノルウェー、ポルトガル、ポーランドがある。
私自身はマレーシアとフィリピンで海外生活を送った後、
もっと色々な国に住みたいと思って
各国でホテル暮らしをしながら現地を視察し、
ビザについてもリサーチを行ってきた。
その結果として痛感するのは、
ワーホリに行ける期間というのは
向こう20年やってこないレベルのチャンスであるということ。
これはどういうことか?
国によって多少の差があるが、
原則としてワーホリの対象年齢は18歳から30歳まで。
そして、この30歳を除く30代と40代については、
ビザ取得の不毛期間と呼べる時期。
なぜかと言えば、
50歳以上ならリタイアメントビザの対象になる国が多く、
その意味で海外に住みやすくなる。
しかし、30代と40代に関しては、
リタイアメントビザはマレーシアやフィリピンのような
ごく限られた国でしか取得できない。
現地で雇用されるならまだしも、
自分でビジネスを持ちながら好きな国に住むのは難しい。
国によって商慣習や法律、マーケットの性質、顧客動向等が異なるため、
他の国でうまくいっているビジネスを
そのまま持ち込めばいいわけではないので。
私も今は自分でビジネスを行いつつ、
それを遠隔で行っている。
結果として基本的にビジネスビザは取れないので、
本格的に住める国は限られる。
フィリピンの永住権やマレーシアのリタイアメントビザは取ったが、
住みたい国の中でビザが取れる国の方が少数派。
その点、ワーホリなら行ける国は限られているが、
魅力的な国も多く含まれている。
30歳までの年齡で海外生活をしたいなら、
このチャンスは最大限に活用したいところ。
一方で、わざわざワーホリの制度を使わなくても、
簡単に住める国もある。
たとえば、カナダはそれに該当する。
この国は普通に観光客として入国すれば、
その段階で半年のビザをもらえる。
そこから南隣のアメリカに渡ってから戻ってくれば、
それだけで1年。
あるいは観光ビザの延長を2回申請でき、
期間はそれぞれ半年。
つまり2回の延長によって当初の半年と合計して
1年半も住むことが可能。
ワーホリで行ける1年を越えることができる。
となれば、ワーホリが可能な限られた期間を
カナダで使うことには慎重になった方がいいだろう。
同様の条件がある国としては、台湾が挙げられる。
こちらは一回の滞在は90日までだが、
一度出国して再入国することを繰り返す、
ビザランへの規制がゆるい。
そのため、近隣諸国、香港やマカオや日本、フィリピン等に
旅行に行って戻れば住み着くことが可能。
こちらもワーホリの制度を使う意味があるかは疑問。
31歳から49歳までの間は、
長きに渡ってビザ取得における苦難の時期になる。
それなら、ワーホリの権利は最大限有効に活用したい。
住みたくても、なかなか住めない国へ。
そんな条件で見ると、どの国を選ぶべきだろうか?
最適解は人によって異なるが、
私ならヨーロッパの国を選ぶ。
ワーホリでヨーロッパを選ぶ理由
イギリスとアイルランド以外のヨーロッパの大多数の国は、
シェンゲン協定に加盟している。
このシェンゲン協定というのは、
各国間の移動の自由を認めるもの。
簡単に言えば、
国境でのパスポートコントロールがなく、
あたかも同一国の中での移動のように動ける制度。
たとえば、フランスからスペインに鉄道や長距離バスで移動する時には、
パスポートの提示も求められないし、スタンプも押されない。
これはシェンゲン協定のおかげ。
この制度にはプラスもマイナスもあり、
それがワーホリで行く国を選ぶ時にも関わってくる。
プラスの側面としては、
ヨーロッパ内での移動がとにかく簡単なので、
旅行に行きやすいということ。
マイナスの面としては、
シェンゲン協定加盟国の通算で
半年以内に90日しか滞在ができないこと。
つまり、ヨーロッパのほとんどの国を1つとみなして、
90日の滞在のみ。
ノービザや観光ビザでカナダは半年、
アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドは3ヶ月滞在可能。
これに対し、ヨーロッパは各国の合計で3ヶ月。
複数の国を周ろうと思うと、
圧倒的に時間が足りない。
事実、私はこの数年間、
毎年滞在期限ギリギリまでヨーロッパに滞在する旅をしているが、
いまだに周りたい街を網羅できていない。
ドイツやフランス、ノルウェー、デンマーク、
ポルトガル、ポーランドにワーホリで滞在すれば、
滞在期間の間に近隣諸国への旅行が自由。
ヨーロッパ好きにはたまらない強みとなる。
ちなみに、寒さが苦手な人の場合、
ポルトガルは冬でも比較的温暖。
クリスマスをリスボンで過ごしたこともあるが、
同緯度のスパインやフランスと比べても
5度ぐらいは違った。
体感的には、薄手のコート一枚分ぐらいの差。
これは地味なようで大きい。
全体的に寒さの厳しいヨーロッパの中で、
西側の大西洋から温かい風が吹くポルトガルは
相対的に温暖な気候となっている。
また、ポーランドは知名度こそ低いが、
物価が安くて東南アジアに近い生活費で住める。
街並みも美しいし、
東欧で唯一ワーホリで行ける国なので、
こちらも候補として検討する価値が十分にある。
賃金と生活費が高い国・安い国のどちらがいい?
ワーホリでは国によって細かいルールが異なるにしろ、
原則として一定時間まで働くことが可能だが、
賃金と生活費はおおむね比例する。
オーストラリアやノルウェー、デンマークは特に賃金が高いが、
一方で物価も世界トップレベル。
時給が1,500円を越えたところで、
それは贅沢な暮らしができるわけではない。
むしろ生活費を切り詰めてカツカツな生活を強いられるし、
日本から多少のお金を持っていっても
物価の高さによってあっさり消えてしまう。
ただし、逆に言えば生活費をできるだけ抑え、
シェアハウスに住んで食事は自炊し、
できるだけお金を使わずに節約するのなら
出稼ぎ労働者のように手元にお金を残せるし、
時給が高いだけに多少の金額になる。
逆に物価の安い国に行き、
日本でお金を稼いでから優雅な生活を送ることも可能。
台湾なら住居以外は安いので、
わざわざ自炊をしなくても200円〜300円で食事ができる。
しかもアメリカのピザやホットドッグと違い、
健康的な食事をすることができる。
ヨーロッパならポーランドとポルトガルが
ワーホリで行ける国の中では物価が安い。
そこまで切り詰めなくても、
月に12万円ほどあれば暮らせるだろう。
働いてお金を残したいのか、
それとも日本からお金を持っていって
現地ではそれなりの水準の生活がしたいのか?
それによって物価が高い国を選ぶのがいいか、
安い国を選ぶのがいいかは変わってくる。
少なくとも、時給の高さに希望を持って
いい暮らしができると勘違いしたまま
ワーホリに行くことはお勧めしない。
人件費が高いということは、
基本的にその他の物価も高いということなのだから。
英語を安く学びに行くなら
オーストラリアはワーホリの人気国で、
多くの人が渡航している。
仮にもネイティブの英語を話せる国なので、
語学留学も兼ねて行く人が多い。
ただし、実際にオーストラリアとイギリス、アメリカを比べると分かるが、
明らかになまりがひどい。
それは英語が流暢に話せなくても分かるレベルで。
しかもオーストラリア人は
なまった英語に後ろめたさを持っておらず、
自分たちが正しいという前提で
コミュニケーションを取ってくることもしばしば。
たしかに英語が母語でも何でもない日本人に比べれば、
彼らの方が英語を正しく話せているのだろうが、
意思疎通のために歩み寄る気持ちは薄い。
20年前なら、生活費が安いからオーストラリアというのはありだったし、
老後の海外移住先としても人気だった。
年金でのんびり暮らせる国として。
しかし時代は代わり、
オーストラリアの物価は世界でも最高値圏。
シドニーで暮らす場合、
ロンドンやニューヨークよりもコストがかかる感覚がある。
それならイギリスやアメリカに行って
世界標準の英語を学んだほうがいい。
もちろん地方に行けば、
生活費はもっと安くで押さえることもできる。
また、そこまで発音にこだわらないなら、
イングランドの隣にあるアイルランドという手もある。
こちらもクイーンズイングリッシュには遠く、
なまりはあるが、イングランド以上に物価が安い。
滞在するのが楽というメリットがあるし、
オーストラリアの半額程度で生活できる。
自然も豊かで、住環境としても素晴らしい。
ダブリンのBloom BrasserieとPHX Bistroは
また食事に行きたい店でもある。
サッカーだとアイリッシュ魂を強調されることもあるが、
実際のアイルランド人は荒々しいわけではなく、
寡黙だが温かみがある人が多い印象だった。
派手さはないが、
日本人のメンタリティとの相性はいいと思う。
ワーホリで行く国としてはあまりメジャーではないが、
こういった選択肢も持っておくと
より広い視野で選ぶことが可能になる。
最後に個人的に選ぶのなら、
まずはポーランドを選択する。
これで東欧を中心に堪能した後、
時間が許せばポルトガルに渡航。
2年あればヨーロッパで行きたい街を
ほぼ制覇することも可能だろう。
その後もワーホリに行けるのであれば、
アイルランドで英語をしっかり学びつつ、
自然の多い場所でのんびり過ごす道を選ぶことになるだろう。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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電子書籍の目次等も掲載しているので、
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