南国を楽園と感じられる期間



日本人にとって、南の島はある種の憧れのアイコンでもある。

分かりやすいパラダイスの象徴の一つが美しいビーチに囲まれた南国で、確かに写真で見た時に映えるので、憧れを抱くのもわかる。

実際、TwitterやFacebookを見ていて、そういった絶景の写真がシェアされたり、リツイートされたりしていることも少なくない。

具体的に言うと、東南アジアであれば、セブやボホール島、あるいはインドネシアのバリ、タイのプーケットなどがこういった場所に該当する。

私の友人の中にも、プーケットやセブに自宅を購入したり、あるいはコンドミニアムを借りて住んでいる人がいる。

では、実際問題としてどういった生活を送っているかというと、意外にも海に行くことがないとか、月に1、2度とか、そのくらいの人が多い。

例えばサーフィンをやっている人であれば、毎日海に入ることもあるかもしれないが、そういったマリンスポーツをしていない人が毎日海辺に行くかと言えばかなり疑問があるし、まして海の中に入ることはあまりしない。

東南アジアのコンドミニアムであれば、プールが完備されていることがデフォルトなので、わざわざ海に入って塩分でベタベタになるより、波のたたないプールで泳ぐ方が手軽で簡単な方法だし、当然ながらシャワーも完備されていて利便性が高い。

実際、プーケットに住んでいる友人は、海は眺めるものであって、入るものではないと断言したほど。

実際に海が好きで好きで仕方ないという場合であれば、こういった浜辺での生活は心を惹きつけて離さないほど魅力的に感じるかもしれないが、私のようにマリンスポーツをするわけでもなく、特別に海が好きというわけでもないのであれば、1週間もいればだんだん飽きてくる。

しかも、海沿いはホテルにしてもコンドミニアムや戸建にしても、立地面で不動産が高額になり、そこから一本内陸側に入るだけでも一気に物件価格が下がるのは、投資家にとって常識となっている。

オーシャンビューの部屋なのかどうかというのは、生活コストに大きく関わってくる。

こういったことを考えた時に、別に窓から海が見える必要はどこにも感じないし、むしろ照り返しがすごいので、時間帯によってはカーテンやブラインドを閉めなければいけなくなって、それはそれで本末転倒な結果となる。

特に、パソコンで仕事をしていたりすると、眩しさは目の疲れと直結して、作業効率にも響いてくる。

こういったことを考えると、目の前が海というのも考え物で、メリットなのかどうかは疑問が残る。


災害のリスクも

島によっては、津波のリスクもある。

セブのように周りの島が波を吸収してくれるような形状になっているとか、そういった場合であればともかく、プーケットのように過去に津波の被害が及んでいた場所も存在する。

こういった場合、海沿いの立地はある種のリスク要因であって、必ずしもメリットとは限らない。

プーケットに住んでいる友人が今現在所有しているのは、急な坂を登った先の高台にある戸建だが、以前プーケットの津波で被害を受けた経験をもとに購入したという。

津波の際にちょうどプーケットに居合わせて、彼も波に巻き込まれて、直後の記憶を失っているらしい。

軽い記憶喪失のような状態で、数日間彼の姿を見た知人や友人はいるものの、自分自身では全くその時に何をしていたのか覚えていない。

記憶が戻ってからは、日本の携帯電話を海外ローミングで使うことができたので、連絡を取り合ったり、その姿を見て、周りにいた旅行者や住人が電話を貸してほしいとお願いしてきたので、緊急事態だと思って貸していたら、携帯電話の費用が100万円を超えてしまったという逸話も持っている。

他にも島によっては、台風や地震といった天災の被害を繰り返し受けている場所もある。


南国暮らしに憧れる人は多いが、もし実現させることができそうなのであれば、その前にせめて、一週間くらいは一つの場所で飽きないかどうか、滞在して実験してみた方がいいだろう。

不動産を買ってしまった後に自分には合わなかったとわかっても、あとの祭りになってしまうので、その前に小さくテストしておけば、失敗することを防ぐことができる。


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