
ソフィア、プロヴディフ、ヴェリコ・タルノヴォと主要三都市を周ってみて感じたのは、ブルガリアは一度観光旅行に来る価値はあっても、ロングステイや長期滞在にはあまり向いていないということ。
東欧の中でも物価が安く、ヨーロッパの生活を東南アジア並みのコストで満喫できるという意味では確かに魅力的な部分もなくはないが、それ以外の東欧の国と比べた場合には、明らかに住み心地の面で見劣りする。
それぞれの町ごとに理由が違うが、まずは首都のソフィアについて言うと、とにかく歩いていてタバコ臭く、受動喫煙で鼻の粘膜が痛くなった。
これまでも国や町によっては、車の排気ガスで空気が汚染されているのを感じることはあったし、最近はそういった理由もあって緑豊かなところに住みたいと思うようにもなっていたが、ソフィアは全く違う理由で空気が汚かった。
そしてこれは、日常的に外出をする際に事実上避けられないことで、どうしようもない。
ブルガリアは経済発展も思わしくないし、旧共産主義時代の建物も多数残っていて、時代から取り残されている印象がある。
ヨーロッパだからといって所得水準が高いわけでもなく、急速に発展しているわけでもないという意味で言うと、新興国よりもむしろ多くの問題を抱えており、喫煙等の状況を考えても、先進国とはほど遠い状況にある。
そして、この状況が急速に変わっていく兆しもない。
世界的に禁煙がスタンダードになる風潮の中、ブルガリアはまだまだその空気感を無視していることになる。
ソフィアは中心部の一角にレストランが集中しているので、それ以外の場所においては、まともに食事をする場所がないというデメリットもある。
ホテルのレストランやルームサービスで食べる手もあるが、もしコンドミニアムやアパートを借りて長期滞在をするのであれば、ホテルのようにはいかないので、なかなか厳しいところ。
ちなみにヨーグルトは世界的な規格商品としての要素が強く、日本で食べてもタイで食べてもブルガリアで食べても、ほとんど味は変わらない。
そしてビフィズス菌が腸内環境に働きかけるプラスの健康効果よりも、受動喫煙によるマイナスの作用の方が、個人的には大きいように感じた。 か
安全かどうかで考えても、ブルガリアの治安はとても良いとはいえず、私自身もパソコンの盗難にあった。
プロヴディフの場合

ソフィアに続いて人口で2番目の都市となるプロヴディフについては、こちらはまず一つ目に退屈な町であるということと、さほど風光明媚でもないことが長期滞在に向かない理由として挙げられる。
オールドタウンの部分については確かに往年の面影はあるものの、石畳が粗く、道が歩きづらい。
そこに坂道が加わるのでなおさら。
そして、メインストリートと、そこから一本はさんだ道ぐらいにしかレストランはないので、プロヴディフも案の定食べるところは少なく、食のバリエーションが貧相で、4泊しただけでも食べるところの選択肢がなくなってしまった。
最有力候補はヴェリコ・タルノヴォ

最後にヴェリコ・タルノヴォに行ったが、ここが一番有力な感じがした。
レストランが少ないのは他と同じではあるものの、人口密度が低いので、比較的空気もきれいで、旧市街周辺であればそれなりに食べるところもあり、環境も悪くはない。
とはいえ、長期滞在に向いていると言えるほどヴェリコ・タルノヴォに魅力があるわけでもなく、結局のところ東欧の中でも、ブルガリアは候補から外れてしまった。