今回のセブ島への移住費用は、
以前マニラに住んだ時と違い、
驚くほど安く済んだ。
日本国内で引っ越す場合であれば、
一般的に敷金礼金と不動産会社への仲介手数料を支払い、
引っ越し業者に荷物を運んでもらう場合であれば、
そちらの費用も発生する。
最近だと礼金が必要のない物件も増えているとはいえ、
前払いの家賃も含めるとそれなりの金額になることも多い。
国内であっても近場であればともかく、
いくつも県境をまたいで引っ越すような場合であれば、
引っ越し業者への支払いも
それなりの出費になってくる。
さらに言えば遠方の場合、
引っ越し先の物件を探すのも一苦労。
内見の際の交通費であったりとか、
場合によってはホテル代を支払って
不動産を見に行かなければいけなかったりもする。
今回のセブ移住については、
元々住むことを決心して
マクタン・セブ国際空港を訪れたわけではなかった。
旅行のついでに賃貸物件を見て、気に入ったら住み、
そうでもなければそのまましばらくセブでホテルに泊まるか、
もしくは他の国に行こうと思っていた。
1年半ほどホテル暮らしをしていたので、
この辺りはかなり柔軟に対応できる。
このような事情もあり、
何が何でもセブに移住しようという
確固たる決意があったわけではない。
そんなこともあって、
今回の移住費用に航空券代や、
コンドミニアムに入居するまでのホテル代を
入れるべきかどうかというところも、
かなり微妙なところ。
仮にそれを算入しないとすれば、
前払い家賃1ヶ月とデポジットの費用で1ヶ月分、
合計で家賃2ヶ月分のみで移住できたことになる。
通常であれば不動産会社への
仲介手数料が必要になるところだが、
今回はその会社の自社物件ということで、
手数料もかからなかった。
デポジットについても、
通常であれば退去後に戻ってくる。
前払い家賃は特別な費用ではなくて、
あくまでも通常の家賃を最初に払ったというだけの話なので、
ある意味ではほぼ無料でセブ島に移住できてしまったことになる。
航空券代等を算入するとしても、
チェンマイからセブへの航空券は
片道1万5千円ぐらいだった。
そこに1週間分のホテル代を加えたのが
移住費用ということになり、
どちらにしても大きな額ではない。
何よりも家具や家電が完全に揃っていて、
タオルやシャンプー等のアメニティ、
さらには食器や洗剤といった細かいところまで用意されていた。
ホテルとほぼ同様の設備になっているため、
旅行の一環としてやってきて
そのまま住み付くことができるというのは非常に便利な環境。
タオルに関しては用意されている分だけでは足りなかったので
バスタオルを買い足した程度。
それ以外はこれといって何かを用意することもなく、
そのまま住み始めることができる環境が整っていた。
こうなってくると、
東京から福岡に引っ越す場合の費用よりも、
東京からセブに移住する場合の方が
コスト的にも安いのではないかとすら思ってしまう。
もちろん住むためのコンドミニアムを見つけるのに時間がかかれば
その分のホテル代がかさむので逆転は十分に有り得る。
とはいえ、すんなりと物件を見つけることさえできれば
驚くほどコストを抑えることができる。
もちろん利用する不動産会社によっては
仲介手数料等が上乗せされるので、
もっと費用はかかってくる。
そこら辺もやり方次第では
低コストに抑えられるというのが、
今回の経験で分かったこと。
マニラとセブの移住費用で大きな差が出た理由
日本人が移住する際にも関係のあるフィリピンの商慣習として、
小切手決済が盛んに行われることが挙げられる。
家賃も基本は小切手が支払手段となる。
セブに住み始めた時は、
すでにBDO銀行とHSBCフィリピンに口座があり、
小切手帳も発行されていた。
そのため、前払家賃は1ヶ月のみで、
残りは未来の日付の小切手を振り出しただけ。
毎月大家さんが期限が来た小切手を換金するので、
その分のお金が銀行口座から引き落とされる。
つまり、毎月銀行振込をするのと負担は変わらない。
しかし、マニラに移住した時は、
この方法を使えなかった。
これはマニラがセブと異なる環境にあるのではなく、
フィリピンの銀行の規則の問題。
外国人が銀行口座を開く場合、
フィリピンでは対象となるのは居住者のみ。
そのため、住所証明が必要書類となる。
まだ物件が決まった段階では、
住所証明となる公共料金の請求書等がなく、
口座が開けなかった。
そのため、小切手払いができず、
家賃を前払いで12ヶ月支払うことになった。
さらにデポジットや不動産会社への仲介手数料もあり、
マニラへの移住費用は家賃が15ヶ月分。
加えて航空券代やその他の雑費もかかったので、
まとまった資金が必要だった。
銀行口座がない場合、
セブでも同じことが起こる可能性は十分にある。
最終的には、不動産会社や大家さんとの交渉次第ではあるが。
セブ島の1ヶ月の生活費は?
移住当初の費用は上記の通りだが、
毎月のコストはどのくらいかかるのか?
まず、大前提として
家賃が生活費の相当な部分を占めるということ。
たとえばマクタン島のモーベンピックホテルの居住棟の場合、
スタジオタイプの部屋で月10万円程度だった。
モーベンピックホテルは海に面しており、
実際に内見をしてみたが、
とても景観が優れていた。
立地的には、シャングリラやクリムゾンリゾートと
同じ並びと言えばピンと来る人もいるだろう。
マクタン島はセブ島の一部のような扱いで、
実際2つの橋でつながっているので
すぐに行き来できる。
いわゆるセブの空港とされるマクタン国際空港も、
その名の通りマクタン島側にある。
モーベンピックホテルの居住棟はもちろん、
マクタン島の南側はビーチが広がり、
いわゆる南の島、南国の楽園の様相を呈している。
このあたりのコンドミニアムであれば、
1DKの部屋でも家賃が1ヶ月10万円を越える部屋はざら。
一方で商業エリアのセブシティも
そこそこの価格のコンドミニアムが多い。
月7万円程度の家賃から、
それなりに選べる物件が出てくる。
もっと生活費を節約したければ
セブシティとマクタン島の間にある
マンダウエを選択することが多いが、
この場合は月5万円以下の物件もあるらしい。
食費は現地の屋台のような店なら
200円ぐらいで済むことも多い。
セブシティのアヤラモールのレストランなら
一食1,000円ぐらい。
そのため、セブシティで暮らしても
月に15万円もあれば十分暮らせる。
マッサージは1時間150ペソ、450円程度からあるし、
人件費の安さは際立っているので、
やはり家賃と食費の占める割合が大きく、
その部分をどうコントロールするかで
毎月の費用が変わってくる。
なお、メイドを雇う場合、
住み込みで月3万円前後が相場。
マニラが月4万円〜5万円程度なので、
やはりセブの方が安くで仕事をしてもらえる。
とは言え、同じ部屋に同居するのは気が進まないので、
私は住み込みではなく通いで来てもらうことにした。
週に一回掃除をしてもらえるし、
フィリピン人とは思えないほどキビキビと仕事をしてくれて、
とても満足している。
大半のセブ移住者は海と無縁に暮らしている
セブと言えばビーチリゾートのイメージが強いが、
日本人が多く訪れるのはマクタン島の南側。
シャングリラホテルやクリムゾンリゾート等の
リゾートホテルが並ぶエリア。
ここに住んでいる日本人もいるが、
移住者の多くはセブシティや
マンダウエのコンドミニアムで暮らしている。
このあたりでも高層階なら海が見えるが、
砂浜ではなくコンテナ船が行き来するような港。
華やかさや楽園の感じではない。
そもそもセブシティはマニラに続き、
フィリピン第二の商業圏。
マニラよりは自然があるものの、
街中はお世辞にも緑が豊かとは言えない。
セブシティの東側のリロアンや
西側のタリサイまで行けば事情は変わってくるが、
今度は生活の利便性に問題が出てくる。
もし美しい海に憧れて移住するなら、
マクタン島の南部を中心に物件を探すのが得策。
セブシティの物件を見て回ったところで、
人気のアヤラモールやITパークは商業施設であって
海とは無関係なので。
「セブでは食事に困らない」は本当か?
セブではフィリピン料理以外にも、
和食やイタリアン、中華等の様々な料理が食べられる。
日本人移住者もそれなりに多いので、
(海外在留邦人数調査統計によると約2900人)
和食レストランもそこそこ充実している。
日本人がオーナーの本格的な味のところもあれば、
あからさまになんちゃって和食な店も。
清水や但馬屋、筑前屋、知暮里、夢屋喜兵衛等、
日本人でも納得の店もある。
そのため、セブなら日本人が移住しても
食べ物に困らないというのは納得。
ただし、マニラに住んだ経験からすると、
少々物足りなく感じるのも事実。
他の移住先として人気の街である
バンコクと比較すればまったく相手にならない。
かなり限られた店しか、
本格的な和食は食べられないと思ったほうがいいだろう。
一方、イタリアンは充実しているし、
パスタも日本人好みのアルデンテが多い。
また、スイーツは甘みが強めの
濃厚なチョコレートケーキやチーズケーキが充実していて、
生クリーム系はあまり見かけない。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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