HSBCもシティバンクも日本から撤退。その事実が表すものは?


世界的な銀行であるシティバンクやHSBCの撤退が相次ぐのは何を意味するのか?

それが今回の記事のテーマ。

日本の銀行や金融市場に関して言えば、ガラパゴスとか護送船団方式と揶揄されることも多く、昭和の時代であるかのような規制が未だにはびこっている現状がある。

こういったことに嫌気が差して、HSBCやシティバンクが日本から撤退したばかりではなく、さらには、スタンダードチャータードも日本での富裕層ビジネスを取りやめてしまった。

法規制だけが唯一の問題というわけではもちろんなく、それ以外の要因もあり、日本においては富裕層といっても数億円レベルの資産を持っている人が大半で、数百億円や数千億円といった超富裕層の人数が少なく、プライベートバンクの文化も根付いていないことから、スタンダードチャータードにとって旨味がないという側面もある。


また、地方の高齢者のように外資系の銀行に疑いを持つ人も多く、シティバンクやHSBCといっても名前からして信用してもらえないということも聞く。

世界的な格付けが高くても、日本国内での信用力は地銀以下なのだから、ブランド力の通じなさ具合は深刻だろう。


HSBCの撤退は数年前の出来事だが、ついにシティバンクも同じ道をたどることとなり、三井住友銀行に個人向け部門を売却することになった。それ以外の銀行もシティバンクの買収には乗り出していて、約一兆円ともいわれる外貨預金の残高であったり、三兆八千億円とされる預金量、そして富裕層の顧客層を狙って競争が繰り広げられたようだが、どうやらそれを制したのは三井住友銀行だった。

もっとも、シティバンクが三井住友銀行に身売りすることによって、顧客を失うということは十分にありえることだし、今後もどれだけのサービスや顧客数の維持をできるかということは不明なところ。

また一言でシティバンクといっても、ゴールド口座などの上位口座の利用者のほうが活用度が高く、逆にそれ以外の層というのはメインバンクとして利用している割合が少ないので、あまり旨味がないという話もある。

富裕層や上位層がどういった動きをするかが今後も注目されるところ。


ちなみにシティバンクは日本からのみ撤退しているわけではなくて、他にもスペインやトルコ、あるいはギリシャといった思うようなリターンが見込めないところからも、個人向け業務の分野において撤退を表明しているし、数十カ国の個人向け業務を提供しているもののアメリカ以外での個人向けの融資ということに着目してみるとオーストラリア、メキシコ、韓国のわずか3カ国で約半分の割合を占めていて、それ以外の国においては小規模でほそぼそとやっているのが実際のところ。

そう考えてみると日本だけが異常に魅力のない市場とみなされたわけではないという若干の希望も湧いてくるものの、HSBCやスタンダードチャータードなどにつづき、シティバンクまで撤退してしまったというのは日本人の投資家や資産家にとってはかなり痛いところ。

海外送金などのことを考えても、日本円で収入がある場合には海外送金しやすい銀行を維持しておきたいと思っていた人も多いだろうし、そういった意味では痛手となる。

プライベートバンクの概念を持ち込んだことをはじめとして、シティバンクについてはいくつかの功績が讃えられているが、残念ながら日本から撤退することによって受けられるサービスの幅というのは狭まってしまい、ますます金融鎖国という印象は強まってしまった。


なお、HSBCが撤退した市場といえば、日本の他にタイも挙げられる。

どうも口座を持っておきたい国に限って撤退してしまっているような気が・・・。


こうしてHSBCやシティバンク、スタンダード・チャータードなどが去っていき、香港などの金融立国と比べるとますます差が付く形となってしまい、まことに遺憾なところ。

いくら海外に資産を移したり海外活用すると言っても、日本をノータッチというわけにはいかないので、この点については海外居住者であっても懸念が残る。




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