フランスで迫害されるアマゾンに見る国家と企業の勢力の入れ替わり


かつて国家は万能とも思える力を一身に握り、
それを誇示するように使ってきた。

権力が暴走しないように作られた三権分立もまた、
強大過ぎる力ゆえの制約。

しかし、そんな勢力図は過去の話になったのかもしれない。



フランスはアマゾンを狙い撃ちするかのように
書籍の割引と無料配達を禁止する法案を通した。

これを見る限り、いまだに国家が強い力を維持しているように見える。

ただ、本当にそうなのか?

多国籍企業となったアマゾンにとって、
たしかにこの法案はダメージになるだろう。

しかし、致命的な痛手には成りえない。

フランスという市場を捨てることすらありえる。


もはや企業が国境を越えて力をつけてきたことによって、
国家はその動きのすべてを支配下に置くことはできず、
時に行われるトリッキーな動きに目を白黒させるしかない。

グーグルやアマゾン、スターバックスが行う租税回避も
まさにその一例。

スイスやルクセンブルク、アイルランドといった国を利用して
自社に有利な課税条件を引き出す手口は
多国籍企業にはスタンダードになっていくかもしれない。







国家という枠組みの中で考える限り、
相互協力には時間がかかる。

特にタックスヘイブンになっている国は利権を握っているので、
他国においそれと追従することはないわけだし、
その国の権利を侵害するのは現代法の常識として許されない。


こうしたジレンマが国家の首を絞め、
その隙間をくぐり抜ける企業や個人に力を供給している。

かつての国家が万能だった時代は終わりを告げ、
すでに新しい力関係のルールに移行している。

それは硬直的な規則にしたがった世界ではなく、
常に流動的でとどまることを知らない変化が常になる世界。


情報のアップデートが必須になってきた時代が訪れている。

その意味では面倒で厄介でもあるし、
多くのチャンスが転がっているということでもある。




フランスは1つの法案を通すことでアマゾンに対し
牽制を行うことはできた。

しかし、それが根本的な解決にはならない。

フランスが国家であることそのものが、
行動範囲の限界を規定してしまうのだから。


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