これまで海外4カ国に1年以上ロングステイしてきたが、
移住に失敗して後悔する人、帰国する人も見てきた。
私自身はマレーシアで2年、
フィリピンで1年4ヶ月、
台湾で1年のロングステイをして、
現在はタイに住んで2年弱。
正直、海外に住むのはもっと大変だと思っていたし、
思った以上に快適だった。
とは言え、個人差があるのも事実。
今回は、海外ロングステイに失敗する人の
特徴を5つ挙げてみた。
無意味な下見
本格的なロングステイをする前に、下見で現地を訪れる人は多い。
ただ、現地に泊まれば
効果のある下見ができるとは限らない。
ありがちなのは、
現地で生活するのとはまったく別の環境で
時間を過ごしてしまうこと。
たとえば、クアラルンプールでロングステイを考える人が、
下見に来た時にはブキビンタンに宿泊し、
ロングステイの時には
日本人も多く住むモントキアラに住むような場合。
ブキビンタンとモントキアラは距離的にも離れているし、
街の雰囲気も利便性もまったく違う。
クアラルンプールの中心部の1つで
高架鉄道も通っているブキビンタンに対し、
モントキアラは車か徒歩で移動することになる
郊外の高級住宅街。
これだけの違いがあれば、
下見をしても意味がないのは明白。
一般にホテルが集中するのは街の中心部で、
そのエリアにロングステイする人は少ない。
なにしろコンドミニアムを借りた場合の
家賃が高いので。
最初から居住エリアの見当ぐらいはつけておかないと、
下見が単なる旅行に成り代わってしまう。
これではロングステイの前提条件がずれてくるので、
失敗の原因になる。
過剰なあこがれ
移住先を楽園のように考えている人ほど、実際に住み始めてからの後悔や落胆が大きい。
どの国もなにかしらの問題は抱えているし、
それは前提に考えるしかない。
私がロングステイをしてきた国で見ても、
マレーシアは食事が飽きやすく、
タクシーのトラブルが異常に多かった。
フィリピンは事務手続きのいい加減さが目立つし、
これは銀行にすら当てはまること。
きっちりかっちり物事を進めたいと思っても、
到底無理なお国柄。
人口ボーナスが東南アジアの中でも長く続くため、
国連による将来の経済予測は明るいが、
労働力の質を考えるとどうなることか・・・。
台湾とタイは英語がろくに通じない。
他にも細かい点を挙げれば
様々な問題点が出てくる。
ただ、それは日本に帰国することを想定しても同じで、
ユートピアはしょせん空想上の産物。
その国や街の欠点を見つけても、
ロングステイの失敗が確定するわけではない。
現実にうまく折り合いを付けていかないと
住環境にばかりこだわっているうちに
人生が終わってしまう。
家族の問題
自分自身の問題の他に、家族がネックになってしまう例も多くある。
ロングステイを言い出した段階で
夫婦の間に温度差がある場合も。
また、移住後に意見がずれていく場合もある。
子供がいれば教育の問題もあるため、
学校が合う・合わないということも。
バンコクのように日本人が大勢住む街でも、
日本人学校はたった一つ。
そこが合わなければ、
インターナショナルスクールや地元校に
転校を考えることになる。
しかし、語学力や学費の問題で
選択肢が十分に確保できるとは限らない。
学校やクラスメイトの相性は
事前に推し量ることはほぼ不可能だし、
日本国内でも様々な問題がある。
海外にロングステイをするとなれば、
学校の選択肢は大幅に狭まるわけなので
問題が起きた時には対処が難しいこともある。
こうした点で壁に当たり、
ロングステイを失敗と認識して帰国する人もいた。
その一方で、
バンコクで暮らしていた日本人夫婦が
円満にネパールのカトマンズに移住していく例や、
大阪から中国・珠海へ、
その後フィリピン・セブに移住した一家は
日本に1年だけ戻って
再び海外でロングステイする予定だった。
こんな例もあるので、
家族持ちが必ずロングステイに失敗するわけではないが、
不確定要素が増えることは認識しておく必要がある。
ビザを甘く見た結果
ノービザで長期滞在するためにビザランを繰り返すような場合には、
どのタイミングで止められるか分からないという問題がある。
近年のタイのように、
ビザランに厳格な姿勢に転換した国もある。
台湾やフィリピンのように
今のところノービザでのロングステイに寛容な国も、
いつ方針転換するかは分からない。
外国人が滞在することの経済効果がそれなりにあっても、
増え過ぎれば絞り込みを行うことは十分ありえる。
それこそタイが打ち出したタイランドエリートのように、
お金を出せばビザを取れる仕組みを作って、
ビザを持っていない外国人は締め出すといった施策もある。
より自国の利益にかなう外国人を確保し、
そうでない人を排除するのは自然な流れ。
特に滞在期間が長くなるほど、
ビザの問題は重要になる。
この点を軽く見て後悔している人の話は、
特に最近のタイでよく耳にする。
また、シンガポールのワーキングパーミットの基準が
年々厳しくなって更新できなくなった人の
恨み節も聞いたことがある。
基準が今後も一定という保証はないので、
ルール変更に伴うビザの喪失(更新拒否)もありえる。
マレーシアのリタイアメントビザ、MM2Hも
デポジットの定期預金の金額を上げる案が
以前から政府内でも出ている。
これが実現すれば、
私も含め既存の取得者が
10年ごとの更新の際に差額分の入金を
求められる可能性がある。
となれば、
マレーシアにロングステイをしている人にとっては
差額の入金が不可能な場合には
マレーシアから出なければいけなくなる。
外国人として海外に住む以上、
こうした可能性はついてまわる。
柔軟性さえあれば
たとえビザの要件が厳格化しても、一つの国へのこだわりを捨てれば、
快適なロングステイ先を見つけることは可能。
むしろ一国に永住するつもりで日本を出るのは
なかなか難易度が高い気がする。
移住先に住むか、日本に帰国するかの二択ではなく、
第三の選択肢、第四の選択肢を用意しておけば
視野が広がる。
どこかの国と心中する必要もないし、
柔軟性を持てれば簡単な解決策が見つかることもある。
そもそも海外にロングステイをするなら
今までの基準値を書き換える必要がある。
それができずに日本基準をひきずっている人は、
どうしても現地になじめずにフラストレーションがたまる。
それが原因で移住を後悔するよりも、
適応できる範囲で適応してしまった方がいいのではないかと。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
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