海外移住で「何とかなる」が禁句な場面


初めて海外移住をするにあたって、
すべてが最初から見えている人はいないだろうし、
「何とかなる」という楽観的な気持ちが
プラスに働く場面があるのも事実。

いつまでも石橋を叩いていても先には進めないし、
どこかのタイミングで思い切りも要る。

ただ、それはどの場面で言えることではなく、
過度な楽観論は悲惨な結果をもたらすこともある。


海外移住において、
必ずクリアしなければいけない課題は複数あり、
何とかなるだろうという見切り発車は許されない。

たとえば、ビザの問題。

これは客観的な事実であって、
調べれば制度の概要は分かるもの。

そこまでのリサーチをしないのは論外だが、
住みたい国を口にする人の中でも
ビザについてまったく知識がないことは少なからずある。

ただし、ビザの表面的な規定と、
実際の運用の間には大きな溝がある場合も。


バンコクやチェンマイ、プーケット等に
多くの日本人移住者を抱えるタイは分かりやすい例。

以前はビザなしでタイに渡航し、
30日の滞在期限が過ぎる前に移民局で滞在延長の手続きを済ませ、
さらに追加で30日の期限をもらい、
入国から60日が近づいてきたら一度出国し
また戻ってくるという方法が通用していた。

いわゆるビザランと呼ばれる方法だが、
現在ではこのやり方についてタイ政府は
厳格な姿勢に一変した。

しかも明確に上限日数や渡航回数の制限があるわけではなく、
どこまでがセーフで、どこからがアウトなのか
ラインの判定が困難になっている。

これは表面的な文言だけを見ても
まったく解決しない。

以前の感覚が抜けず、
何とかなるだろうと高をくくってバンコクに入国しようとしたところ、
次回からはビザがないと入国を認められないと
通達されたという話も聞く。

その場で送り返されなかっただけ
ましかも知れないが、
海外移住を本格的にする上で
ビザは重要なポイント。

正式にその国に住めるかどうかの問題なので、
あらかじめクリアしておく必要がある。


ここでいうあらかじめとは、
事前にワーカービザや投資家ビザ、リタイアメントビザ等を
取得しておかなければいけないということではない。

最初はノービザで入国しても、
その後に取得できるビザがあるのであれば
それで問題ないケースも多々ある。

あるいは期間限定のロングステイなら、
わざわざビザを取らなくても
実質的に問題なく滞在できる国も。

たとえばカナダに1年だけ移住したいのなら、
観光目的でのビザなし入国で6ヶ月いられるし、
滞在延長の申請をすればさらに6ヶ月もらえる。

これで1年になるので、
必ずしもビザがなくても大丈夫。

私の知人はかつてこの方法でカナダに住んでいた。

あるいは途中でアメリカにでも行って、
滞在期限をリセットする手もある。

重要なのはビザの規定を理解しておくこと。

これは海外に行けば分かるものではなく、
日本にいても調べるためのハードルはさほど変わらない。


楽観視が許されないもう1つの要素


海外移住において、「何とかなる」が
許されないもう1つの要素はお金の問題。

極端な話、ビザとお金の問題が解決すれば、
そこから先は一気に簡単になる。

特に独身の場合には。


困窮邦人という言葉があって、
海外で経済的に困難を極め、
帰国する資金すらなくなる人を指す。

こんな状態になって大使館に駆け込んでも、
お金を貸すことは彼らの業務の範疇ではない。

日本にいる家族や知人に連絡を取るのを手伝ってもらえるぐらいで、
気まずい思いをしてお金の無心をすることになる。

そんな未来をあなたは望んでいないだろうし、
経済的な面はどの国でもシビア。

最近だと短期の株式やFXで生計を立てられるようになって
海外移住したいという人もいるが、
いつ資金が飛んでも大丈夫な状態を作れていないなら
危なっかしくて仕方がない。


あるいは海外に出れば職が見つかるという考えも危うい。

よほど奥地のような場所でない限り、
外国人の現地採用についての情報は
ネット上でも相当な情報が上がっている。

そうした情報を利用すれば
事前にある程度の見当はつくはずで、
そこまでは準備段階でやっておくべきではないかと。

一か八かで移住しても、
往復の渡航費が無駄になっただけで終わる可能性も。

さらに言えば、
1年契約でコンドミニアムを借りてしまえば、
途中で解約するのにもお金がかかることがある。

たとえばフィリピンの場合、
前払いで1年分を支払うか小切手払いだが、
契約期間内の解約でも基本的に返金されない。

3ヶ月で日本に帰るとしても家賃は一年分。

これは痛い。


台湾やマレーシアだと、
不動産業者にもよるが満期前の退去の場合は
家賃一ヶ月分を違約金として
敷金(デポジット)から差し引くことが多い。

フィリピンに比べるとダメージは小さいが、
できれば避けたい出費。


仕事やお金の問題以外で、
何とかなるで済ませたくない問題としては
他に子供の教育のことがある。

現地で学校を視察しないとわからないこと、
もっと言えば通わせてみないとわからないこともある。

が、日本人学校やインターナショナルスクールの有無、
その評判ぐらいは事前に調べられるもの。

そのくらいは海外移住を決める前に
リサーチをしておいた方がいいだろう。


大抵のことは何とかなる

ここまでは厳しいことを言ってきたが、
ポイントさえ押えてしまえば
後のことはどうとでもなるもの。

たとえば、語学力が低いとしても、
以外になんとかなるものだと体験的に感じる。

私はマレーシアに2年住んだが、
マレー語は学ぶこともなかった。

片言の英語でも十分生活できたので。

しかも英語も得意とは言えないレベルなのに。


フィリピンでもタガログ語やビサヤ語といった
現地の言葉を覚えることはなかった。


もっと極端なことを言えば、
バンコクなら日本語だけでも暮らせる気がする。

海外の中でも特異なほどに日本人が住むための環境が整い、
日本語が通じる不動産屋、病院、薬局、居酒屋等が整備され、
タイ語や英語なしでも生活できる。

むしろタイは英語がろくに通じないので、
英語力を磨いてもあまり効果がない。


語学力以外でも、
様々な心配が海外移住の前にはあるもの。

食事は合うのか?

治安は大丈夫なのか?

その国の人とうまくやっていけるのか?

私も海外旅行すらろくに行ったことがなかったので、
不安の種には事欠かなかった。


しかし、実際には問題が起きても解決策が見つかるもの。

例を挙げると、
マレーシアに住んでいた頃、
最初は思いの外マレー料理が口に合うことに、
そして、半年もたたずに飽きたことに驚いた。

今ではミーゴレンもナシレマも見たくもない。


この問題は住む場所の立地で解決する。

マレーシアにも和食レストランやイタリアン等の店があるので、
そこに通いやすいコンドミニアムに住めばいい。

こうした解決策というのは
必ずしも独自に編み出さなければいけないわけではない。

周りの日本人移住者も似たような問題を経験し、
解決している場合が多い。

そのため、解決策はすでに存在することが一般的。


特に移住を考えているのが
日本人が多く住み着いている国であれば、
それだけの住環境が整っているはず。

大抵のことは何とかなるからこそ
その国が選ばれているわけなので、
細かい点はあまり心配しなくていいのではないかと。

ビザや仕事、子供の学校のように
重要な点さえしっかり押さえておけば、
後のことはどうとでもなったし、
現地に行って解決する方が早かった。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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