もっとも頻繁に訪れていた国はシンガポールだった。
理由は単純で、
チャンギ国際空港から他国へ行くためだったので、
必ずしもシンガポールそのものに用があったわけではなかったが。
シンガポールと言えば移住先人気国であり、
当時は特に富裕層が日本を離れて
タックスヘイブンでもあるシンガポールに
移り住むことが話題になっていた。
実際、そうした決断をした人のコンドミニアムを
見せてもらったこともある。
マレーシアでの暮らしに見切りをつけた時、
次の生活拠点として選んだのはフィリピンだった。
明らかにシンガポールの方が親しみはあったわけだが、
そこを選ばなかったのには理由があった。
ビザの問題
シンガポールの移民政策は明確で、
ハイスキル人材と3K労働をしてくれる人材の受け入れ。
つまりハイエンドとローエンドの二極化した人材を欲している。
ハイスキル人材には起業家も含むが、
こちらはシンガポールに繁栄をもたらしてくれるし、
いくら税制が優遇されているとは言え、
高収入の人が集まれば税収も増える。
一方、シンガポール人がやりたくない労働を
代わりに担ってくれる人材も集めている。
このあたりは強かに政策が運営されている。
一般にビザの取得は難しい上、
更新のたびに不安定な状況にさらされることも。
こうして考えると、
安定的にシンガポールに移住するのは
なかなかハードルが高い。
狭く飽きやすい国土
シンガポールの面積は東京23区ほどで、
隣接しているのはマレーシアのみ。
仮にシンガポールに住んだとして、
わざわざマレーシアに遊びに行く理由も乏しい。
となると、旅行をするならタイ等へ行くことになる。
いちいち飛行機を使わなければならず、
位置的にも中途半端に南の方にあって不便な印象。
結局、シンガポールに住んだら
自宅周りとオーチャード・ロードのような
限られた場所で生活することになりそうな予感しかなかった。
ガーデン・バイ・ザ・ベイは美しいが、
暑い中何度も出かけるとも思えず、
生活圏がかなり狭くなりそうなのは問題だった。
ここはシンガポールへ旅行に行くのとは違う部分で、
滞在するスパンが変われば問題も違ってくる。
物価の面での不利益
シンガポールは税金が安い反面、
物価はとても高い。
特に顕著なのは住宅費で、
中心部を外れたコンドミニアムでも
1LDKで月に35万円以上する物件も。
これだけの費用があれば、
フィリピンやタイで暮らすことで
もっと余裕のある生活をしながら資産形成ができる。
あるいは住環境にこだわるなら、
シンガポールと同程度の生活費で
ロンドンやパリに住むことだってできる。
特に憧れがあるわけでもないシンガポールに
そこまでコストをかけて住む気にはなれなかった。
そんなわけで、
シンガポールは移住先候補から外れ、
フィリピンを離れた今でも住む予定はない。
資産形成が終わった後なら候補になるかとも思ったが、
税制上の優遇があまり意味をなさなくなってしまえば、
それはそれでシンガポールに住む理由が不足するのも事実。
やはり旅行で行くぐらいで良さそうな模様。
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