フィリピンのOFWの驚異的な力



フィリピンにはOFWと呼ばれる出稼ぎ労働者がおり、国の一大産業となっている。
マニラやセブを含め、フィリピン国内では非常に人件費が安いため、普通に働いたところで大きな収入を得ることは難しい。

そこで海外に職場を求めるOFWと呼ばれる人たちが昔から一定層いる。

このOFWというのは海外出稼ぎ労働者のことで、だいたい国民の一割が常時、アメリカを中心とした他の国で仕事をして、そこから送金を行っている。

正式な送金金額だけでも軽く一兆円を超える規模になっていて、正式ではない部分についても含めると、だいたい二兆円から三兆円程度になるのではないかと言われている。

この正式な送金額だけでもフィリピンの国家予算に匹敵する金額になっていて、如何にOFWというのが大きな金額を稼いでいるかということが窺える。

そして彼らがフィリピンの中間層になって、結果として数百万円から一千万円弱のコンドミニアムをどんどん買っているということになる。

フィリピンにおいては不動産投資の対象として外国人から見られているので、勿論外国からのお金も流入しているものの、コンドミニアムであれば60%はフィリピン人が購入しなければいけないとか、あるいは一戸建てや土地については外国人が所有できないと言ったルールがあるので、どうしてもフィリピン人の所有権というのが優先されることになる。

では地価が上がっているフィリピンにおいて、なぜ所得が二万円や三万円のフィリピン人がこういった物件を買えるのかといえば、このOFWが大きくかかわっている。

彼らがアメリカ等で稼いだお金を使えば、十分に数百万円程度の不動産を購入することは出来るし、そのためのローンの仕組みというのも整っている。

一家の中から一人、OFWを出すことが出来れば彼らは自宅を購入することも出来るし、家庭の結びつきが強いフィリピン人は一気にその一家自体が豊かになることになる。

更に言えば、家族や親せきの伝手を伝って働き口を海外に求める人というのも多いので、一人がOFWとなると、それ以外の家族や親類も海外で働き始めることが出来る場合も多い。

こうしてフィリピンという二極化が激しい国においても、一部の人は中間層になっている。

尤も、こういった形というのはあくまでも国際間の人件費の差額を取るものなので、かなり歪な形であるという気がする。

そして一般的にOFWというのは出稼ぎ労働者という形で定義されるだけあって、一生をフィリピン国外で過ごす場合は多くはなく、ある程度の期間働いてお金を貯めたらフィリピンに戻ってきて、そこで小さなビジネスを起こすとか、そういったことも多い。

ちなみにフィリピンのGDPには、このOFWから送金されてくる分というのはカウントされていないので、GDPの割に妙にフィリピンで購入力が強いとか、どこに買い物に行ってもたくさんの人が買い物をしている姿を見かけるというのは、こういった裏事情がある。

極端な話、フィリピン国内で一切の産業が機能しなくなっても、このOFWだけの仕送りでフィリピン人が全員、どうにか生きていく程度の金額になっている。

物価が安い国なので大きな金額が必要なわけではないし、だいたい一人二万円程度あれば暮らしていくことが出来る。

フィリピンの人口というのは9000万人なので、単純計算として一人に二万円ずつ配っていったとしても一兆八千万円ということになる。

そこまではいかないものの、もう少し金額を下げれば、フィリピン人全員に渡すことは可能なので、OFWだけでも如何にこの国を支えているかというのがよく分かる。



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