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セブのバルコニーで鳩が育児中



東京に住んでいた頃に不思議だったことの一つに、スズメや鳩やカラスが大量にいるのに、その巣や卵を見かけることがほとんどないし、まだ育児中と思われるようなヒナを目にすることもほぼ皆無であったこと。

鳥もいきなり大人になるわけがないので、必ず成長の段階があるはずだが、あまり自然がなく、どこでも人の目が行き届いてしまう都心部において、どういった場所で鳥が巣を作り、子供を育てているのか疑問だった。

そして、セブに引っ越してきて住み始めたコンドミニアムは、バルコニーというほどでもないが、一応窓の外に手すり等が付いているエリアがある。

とは言っても、こちらの窓は全開で開けるようにはなっておらず、ホテルなどにあるように、窓の右側のみは固定されており、左側が手で押すとある程度の角度までは開くものの、体を全て出すことができるほどではない。

そして、そのバルコニーの部分の端の方に、小さな卵が2つあることに気付いた。

手すりの部分によく鳩が止まっているとは思っていたが、どうやらその鳩が親鳥らしく、卵を温めに来ていたのかもしれない。

ツバメの巣の話はよく聞くが、鳩の巣というのは聞いたことがなく、しかも藁等の巣の材料を集めてくるわけでもなく、ただ単に卵が2個放置されているだけ。

これで本当に孵化するのかどうかはわからないが、ここまで間近で毎日見ていると、無事に卵が孵ってヒナには育ってほしいという、ちょっとした親心のようなものが芽生えてしまった。

頻繁に鳩やカラスが来るようになると、糞がバルコニーに散乱したりといった問題も起ることがあるが、幸いそういったことには悩まされていないので迷惑でもないし、むしろどこかシンパシーを感じる。

セブシティの場合はそれなりに都会なので、自然が多いとは言えないものの、この辺り一帯は比較的緑が多く、もし仮に鳩が木の上に巣を作る習性を持っているのであれば、その候補となる場所はいくらでもありそうなもの。

その中で、どういうわけなのかコンドミニアムの一角に巣を作ってしまうのは不思議なところ。

しかし、鳩が賢いのは、ちょうどその卵があるエリアは、部屋の中からではよほどのことをしない限り、手が届かないエリア。

素手では届かないが、棒を使ったりして、どうにか触れることもやろうと思えばできるだろうが、相当な執念がなければ届かないようなところだし、外部からのアクセスということを考えても、階数的に鳥以外では簡単に到達することができない。

もちろんビルの外側の窓を清掃するような装置を使えば話は別だろうが、通常の状態で人間が何か手出しをできるような場所ではないので、そういった意味では安全なのかもしれないし、通常の木よりも天敵から身を守る上では、目的に適うのかもしれない。

とは言っても、この辺りで見かける鳥はスズメと鳩ぐらいで、カラスすらもいない状態なので、鳩が産卵し子供を育てるには、比較的緩い条件なのかもしれない。

あとどのくらいで卵からヒナが出てくるのかはわからないが、自信を持って飛び立てるようになるまでは、ゆっくりこのまま目の届く範囲ですくすく育ってくれればと思う。


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執筆者、伊田武蔵

「旅をするように暮らしたい」

そんな思いで2011年に
下見なしで海外移住後、
フィリピンとマレーシアで
コンドミニアムを借りて住む。

その後、
今後の移住先候補の視察のため、
各国を周り住環境の研究をしながら
2年9ヶ月のホテル暮らし。

1年間の台湾生活を経て、
現在はタイでの暮らしを満喫中。

フィリピン永住権と
マレーシアのリタイアメントビザ、
タイランドエリートを取得済み。

8カ国に資産分散。

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