フィリピンのセブンイレブンは実は日本資本ではなく、台湾の資本であることを友人から聞いた。
なかなか驚く事ではあるが、こうした事はセブンイレブンに限った話ではない。
例えば、ファミリーマートもフィリピンに進出しているが、約半分の資本はフィリピンの現地。
たしか、アヤラというグループの資本だったと思う。
こういった形で半分以上現地の資本が入っている事は普通の事だし、法律的にそうした事が義務付けられている国もある。
さすがに第三国の資本が入っている事はそう多くはないものの、セブンイレブンの例のようにそういったケースもある。
つまり、ブランド価値であるとか、一部のノウハウを欲しているだけで、資本金は他の国が出すという事。
考えてみると、フィリピンのセブンイレブンというのは、決して商品も接客も質が高いとは言えない。
基本的に接客のレベルでいえば、日本の深夜のバイトと同じくらい。
それに対して、フィリピンのファミリーマートというのは日本人と大差のない接客をしている。
商品の価格帯というのもファミリーマートの方が高価格に設定していて、セブンイレブンというのはフィリピンの現地の小さな小売店と同じくらいの価格帯。
こういった事を考えても日本らしさというのは圧倒的にファミリーマートの方が大きい。
運営者がどこかという事を考えればこれも無理のない話。
という事で、海外で日本のブランドを見たからといって必ずしも日本の企業が頑張っているとは限らない。
ただ単に看板を売って儲けているだけで、実際にそこで商売をしているのはまったく別の国の資本であったり、あるいは現地の国の現地の会社がお金を出して運営していたりする事もある。
海外に出てしまえば、ある意味で言うと日本企業であるかどうかというのはそれほど重要ではないのかも知れない。
というのも実際にそこでビジネスをしている人間というのは大部分はどの道外国人。
いくら日本から進出してきたといっても一部のマネジメント層だけが日本人とか、そういった形にするのが経営効率がいいという事になる。
そう考えると、サービスや商品の品質さえよければ日本ブランドという事で知名度を上げたり、信頼度を高めておいて、実をいうと蓋をあけると中身は外国人がやっているというのもそれほど違和感がない。
むしろ、人件費の安い国で日本人が中心になって運営している会社というのは効率が悪くて仕方がない。
なにしろ、日本人というのは人件費が圧倒的に高いわけで、その給料というのは結局、サービスや商品の価格に上乗せされる事になる。
そういった意味でいえば、どうでもいい作業というのはどんどん現地の人に任せて、人件費を下げる事によってコストを縮小してその分だけ商品の付加価値を上げるとか、価格を下げるというのが消費者の為という事になる。
とはいえ、心のどこかで日本の企業の頑張りに期待してしまうという部分もある。
海外で生活していると、トヨタや日産のような日本の車が数多く走っているのを見ると、どこか誇らしい気持ちになるし、山頭火のような日本でも人気の店が出店していると、やはりほっとするところがある。
やはりそういった心の拠り所になっている部分もあるというのが海外で生活していて感じるところ。