学歴によって住む国が限られれるとしたら、
それは不平等だろうか?
海外移住をする上では、
時として最終学歴によって優遇されたり、
冷遇されたりすることがある。
たとえば、シンガポールで起業家ビザを取る場合には
複数の要素の1つとして最終学歴が加味される。
しかも四年制の大学さえ出ていればいいというわけではなく、
世界の大学が格付けされており、
日本の大学はほとんど上位に入ってこない。
つまり日本では優秀な大学を出たとされていても、
二流大学を出た頭の悪い人扱いされることも。
慶応や早稲田を卒業した日本では秀才扱いの人も
国際的な評価は高くない。
逆に言えば、
海外の有名大学に留学した方が評価が上がることになる。
こうした既定はオーストラリアやカナダにも存在し、
ビザ取得の上で評価基準の一端を担う。
その趣旨は優秀な人材を確保することであって、
シンガポールもカナダもオーストラリアも、
誰でも海外移住させようという国ではない。
ビザの種類も複数あるので、
当然ながらすべてに高学歴が求められるわけではないし、
シンガポールは単純労働を
安い労働力の外国人に頼っているのは周知の通り。
そんな彼らが学歴を要求されるはずもなく、
ビザの種類によって扱いは大きく異なる。
高度人材をめぐる獲得競争
世界的には優秀な人材をいかに自国に誘致するかという競争があり、
一部の有名大学の学生には在学中にスカウトがかかるほど。
東大の学生が必死に就活している一方で、
企業の方から頭を下げてくる学生も世界には存在する。
そうした一端として高学歴がビザ取得に求められる場合があるだけで、
世界の有名大学を卒業したことが条件になっているのは
取得が困難な一部のビザだけ。
オーストラリアの投資家ビザなら
1億円以上の出費は覚悟する必要があるし、
学歴とは別のハードルを設けているビザはしばしばある。
つまり、低学歴だと海外移住ができないというわけではなく、
出身大学によってはビザの選択の幅が広がるということ。
そんなことを学生時代に想像したことはなかったし、
そもそもこうして日本以外に住むなんて予想もしていなかったが、
ビザという面では大学を出ておく意味はあった。
もっとも、私自身は特に学歴が必要なビザを取ったことがないので、
中卒や高卒だったとしても問題はなかったが。
マレーシアのリタイアメントビザも
フィリピンの永住権もその部分は問題にならず、
お金さえ用意できれば取得可能。
ただし、フィリピン永住権のクオータビザも
大卒の方が面接は通りやすいという話も一部にはある。
やはり大学に行ったというのは
国際的な信用力を高めるためには有効なのだろう。
学費と4年という期間を投資するほどの価値があったかは
疑問が残る部分ではあるが。
なお、このような既定は外国にばかりあるわけではなく、
日本も外国人へのビザの発行に同様の制度がある。
たとえば永住権を発行する場合、
一定以上のレベルの大学を卒業していると
ポイントがもらえる制度が作られた。
この制度は他にも年収等の要件を満たすと加算され、
ポイントの総数によって短期間で永住権取得が可能になる。
こちらも高度な人材を確保する施策となっており、
新興国でも学歴要件が設けられている場合も
私が住んだマレーシアでも、
法人を作って役員としてビザを発給する場合には
学歴が問われると知人から聞いた。
その知人はスタッフにビザを取らせようとしたところ、
この壁が持ち上がった。
大卒のスタッフは問題なく手続きが進んだが、
専門高校卒だと要件に引っかかってしまうため。
日本よりも学費が安いマレーシアで
大学に行かせる話も持ち上がったが、
そのスタッフの退職で話は立ち消えになった模様。
マレーシアのこのビザについては、
特に有名大学を出ている必要はなく、
4年制大学を出ているかどうかが焦点になる。
こうしたケースも中にはあるので、
学歴もビザ取得の条件の1つとして考慮しておく必要がある。
学歴の他にも海外移住をしようと思う場合、
ワーカービザが取りやすい資格や職歴があるかどうか、
リタイアメントビザや投資家ビザを取れる資産があるかどうか、
起業家ビザを取れるだけの起業歴があるかどうか等が
鍵になりやすい。
当然すべてを満たす必要はなく、
取得するのは特定のビザのみなわけなので
どれかを取れれば十分。
たとえ学歴がなくても海外に住めないわけではない。
ただし、選択肢が増減するのは事実。
もっともお金がある人の方が移住しやすいとか、
人に雇われる方がワーカービザを簡単に取れるとか、
条件の優劣を言いだしたらキリのない部分はあるのだが。
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