これまでもバンコクへの移住計画を立てては
ある条件を満たせずに失敗してきた。
フィリピン、マレーシア、台湾に住んできたが、
それらの国と比べてもタイが暮らしやすい国である確信はある。
何度も訪れてきた経験から、
その点に関しては疑いがない。
時にはドンムアン空港近くの移民局で滞在延長の手続きをして、
2ヶ月近く滞在したこともある。
それ以外はたいてい1ヶ月弱の滞在だが、
バンコクが日本人にとって、
そして私にとって移住先として住みやすい条件を
兼ね備えていることには疑いがない。
しかし、移住にはビザという現実の壁が立ちはだかる。
この部分の条件を満たせなければ、
ショートステイしかできない。
しかも繰り返し入出国をすることには
タイの入国管理が厳しい態度を取るようになっている。
かつてのようなビザランは、現在では使えない。
正式にビザを得ることが移住の絶対条件となる。
マレーシアに住んでいた当時は、
この条件を満たす方法が見えなかった。
そのため、計画の段階でタイに住むことは断念せざるを得なかった。
しかし、その後ビザ制度が色々と変わった。
ビザなしでの滞在の上限であった
半年で90日以内という規定がなくなったり、
エリートカード・イージーアクセスが復活したり、
6ヶ月有効な観光ビザが誕生したり。
そこで、新しいバンコク移住計画が立ち上がった。
それは5年分のビザがもらえる
タイランド・イージーアクセス(エリートカードの準会員)を
取得するということ。
これによってビザの面の条件を満たせる。
費用については、
イージーアクセスの取得時に50万バーツかかる。
サポート業者を利用すると、
手数料含めてもろもろで200万円程度。
これはすでに取得した
マレーシアのリタイアメントビザのような預託金ではない。
取得のために支払う費用で、
戻ってくる性質のお金ではない。
つまり、バンコクに5年住む権利を
200万円で購入することになる。
単純計算で年間40万円、
月々3万円ほどなので暴利とは思わない。
本来他国に住むのであれば、
相手の国が利益を求めてくるのは当然のこと。
タイの生活環境を考えれば、
この金額は妥当な範囲に収まっているだろう。
ただし、問題もある。
たしかにタイランドイージーアクセスを取得すれば
5年間住む権利を得ることができる。
しかし、バンコクにしろ、
チェンマイやプーケット、
パタヤ等の他の街を含めて考えるにしろ、
5年住みたいかは不明。
海外移住以前の話として、
日本に住んでいた頃でも同じ街に
5年住んだのは実家ぐらい。
一人暮らしを始めてからは
それだけ一つどころに腰を落ち着けた経験がない。
タイに住むにしても、
途中で飽きる懸念は十分にあるし、
他の国に行きたい衝動におそわれる可能性もある。
この点がイージーアクセスの難点だった。
とりあえず6ヶ月のビザ取得を計画
タイが新しく6ヶ月の観光ビザを
発給するようになったので、
それを取得してみることにした。
半年も住めば、
その後の見通しも立てやすい。
もっと住みたいと思えば、
そこからイージーアクセスを取得することもできる。
ただ、この6ヶ月の観光ビザは新設された制度だけあって
情報が少なかった。
しかも、ラオスやベトナムのタイ大使館ではだめで、
日本の大使館まで出向く必要がある。
この時点で他の観光ビザよりも条件が厳しい。
申請書類も厳密な書式や条件が不明だし、
質問は大使館に直接行かないとできない仕組み。
電話もメールも質問は不可と明記されていた。
仕方ないので、
ヨーロッパ3ヶ月の旅を終え
ハンガリーから東京に飛んだ。
そして、タイ大使館へ行き、
そろえた書類を見せたところで却下された。
薄々予想はしていたが、
銀行の残高証明書の書式が条件を満たしていないらしい。
改めて銀行に電話を入れ、
大使館が求める書式でもう1度送ってもらうように依頼したが
出国の期限をどうやっても過ぎることが判明。
こうして6ヶ月の観光ビザの取得計画は頓挫した。
もう1度チャレンジすることも可能だが、
漏れ伝わってくる話を聞く限り
6ヶ月のビザは相当ハードルが高いとのこと。
条件を満たした書類を提出しても、
3ヶ月に期間を短縮される場合もあると聞く。
日本入りのついでならともかく、
ビザの申請だけのために一時帰国するのは負担が大きい。
そんなわけで、
バンコク移住計画は宙に浮いている。
その間に、ビザなしで住める台湾でコンドミニアムを借り、
暮らし始めてしまった。
1年契約で借りているので、
この1年が終わった段階でイージーアクセスを取得するかどうかを
改めて決定したいと思う。
仮にそうするのであれば、
台湾からいきなりタイに行くのではなく、
他に行きたい国がいくつかあるので
ヨーロッパと南米を先に訪れておきたい。
そうなると、
台湾を出て世界一周をしてから
バンコクに移住するというのが
今のところぼんやりと描いている計画。
もっとも、シナリオ通りに行くのか、
別の案が浮上してくるかは分からない。
なるようになればいいので、
あまり気負わずに状況に合わせた選択ができればいい。
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