メイドを雇わずに家事から解放されたセブ生活

日本で住み込みの家政婦を雇う場合、
紹介所に月45万円〜60万円ほど払うのが相場らしい。

一般的なサラリーマンの給与では、
家政婦を雇うだけで赤字になりかねない。



しかし、国が変われば人件費は大きく変わる。

たとえばフィリピンのセブ。

こちらでは住み込みのメイドを雇って月に3〜4万円程度。

いきなり15分の1に費用が下がってしまった。


フィリピンはメイド大国と呼ばれ、
近隣諸国に多くのメイドを送っている。

それだけ仕事ぶりに定評がありながら、
驚くほどの低コストで働いてくれる。



実は、セブのコンドミニアムで生活していた時には、
メイドを雇うことも考えていた。

メイド部屋も付いてはいたが、
一人暮らしの部屋に住みつかれるのも気になるため、
通いできてもらおうかと。


ただし、メイドに関してはトラブルも多い。

もっともよく聞くのは盗難。

マニラ在住歴10年以上の知人も、
奥さんのネックレスがメイドに盗まれたと言う。

当初は紛失と思っていたが、
そのメイドが仕事を辞めて故郷の島に戻った後、
奥さんの帰郷時にばったり再会したメイドの首に
自分のネックレスがあるのを見かけたという。

フィリピン人の奥さんが
知人を経由して故郷からメイドを連れて来ていたため、
故郷の島で偶然の再会という出来事が生まれた。

ネックレスはすんなり返してもらえたらしいが、
後味の悪い話なのは間違いない。


盗難以外にも、
メイドとしての教育やトレーニングを受けていない場合、
(ほとんどは受けていない)
電球を変えたりする時に
靴を履いたままテーブルに乗るといった
文化の違いにストレスを感じたという声も。


また、子供を実家に置いて
働きに来ていた住み込みのメイドが、
休暇で故郷に戻った際に
なぜか子供連れで戻ってきたというケースもあった。

既成事実として子供を連れて来てしまい、
なし崩し的にメイド部屋で一緒に暮らし始めようとしたという。

その1件が原因で解雇したらしいが、
当初の契約が正直に守られるとは限らない。



こういった事情があるので、
基本的に最初から素晴らしいメイドに恵まれる確率は低く、
メイド探しは長期戦になる。

とりあえず雇ってみて、
合わなかったりトラブルがあれば辞めてもらう。

それを繰り返して新しい人を迎えるうちに
真面目に仕事をしてくれる人が見つかったら、
待遇を厚くして気持よく働いてもらう。


セブに何年も住み続けるなら、
このような戦略もありかもしれない。

しかし、数ヶ月のみの滞在となると、
メイド探しの負担が大きすぎて
何のために雇うのか分からない。



そこでメイドを雇うのは辞めて、
他の方法で家事を外に任せることにした。

そして、事実として料理・洗濯・掃除のすべてから
解放されることができた。



まずは料理。

これがもっとも簡単で、外で食べればいい。

アヤラモールというセブの中心にあたるショッピングモール近くに
コンドミニアムを借りていたので、
この点は問題なく解消された。

ちなみにセブは美味しいイタリアンの店が多く、
特にパスタが他の国よりも気に入った。

海外のパスタは妙に柔らかかったり、
あまり美味しくないことが多いが、
セブは初めての例外だった。



続いて洗濯。

こちらはコンドミニアムの受付に洗濯物を渡すと、
ランドリー業者が取りに来てくれる。

ランドリー業者とは日本のクリーニングの簡易版で、
洗濯と乾燥、たたむところまでやってくれる。

必要ならアイロンがけも任せられるし、
下着や靴下も扱っているため、
洗濯物はすべてまとめて依頼できる。



そして掃除については、
掃除専門の業者に来てもらうことにした。

基本的にメイドは訓練を受けていないので、
自分の育った家庭の常識の延長線上で仕事をする。

しかし、この会社の人はトレーニングも受けており、
外国人が納得できるレベルの仕事をしてくれる。

フィリピン人といえば仕事が遅く、
常にダラダラしているイメージがあったが、
そのイメージをくつがえすほどキビキビと
毎回掃除をしてくれた。

1時間半ほどの時間だが、
日本人でもなかなかできないぐらいに
機敏に作業を済ませてくれる。

部屋に長々いられるのも気が散るし、
仕事を次々に終わらせてくれるのは助かった。

洗い物もしてくれるので、
グラスも洗ってもらっていた。



こうしてメイドを雇うよりもはるかに簡単に、
トラブルなく家事から解放されることができた。

どの国でも同じことを簡単に、
そして安い費用で行えるわけではないし、
むしろフィリピンは例外的な国でもある。

人件費の高い先進国では、
時として日本以上にコストがかかる場合も。

そう考えると、やはり場所の自由を得ておくことは
人生の選択肢を増やしてくれると改めて感じた。



セブ生活に慣れた駐在員の奥さんの中には、
会社から帰国命令が出た後も
日本に帰りたくないと嘆く人がいるという。

その気持は理解できる。

日本に戻ればトイレ掃除や食事の準備、
洗濯物を畳んだりといった家事に忙殺される日々に逆戻りだし、
会社からの手当ては減り、生活コストは上がるため、
パートにも出なければいけないかもしれない。

家事から解放されて、
もちろんパートなんて無縁なセブでの生活が
名残惜しくなるのもうなづける。

自分で住む場所を選べないと、
気に入った居住地を見つけたとしても
会社の思惑1つで生活を奪われることになってしまう。


偶然手に入れることができた生活を
必然の結果に変えるということ。

そして、他人に左右されずに
自分の住む場所を決められること。

その価値の大きさを改めて認識した。


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