家族が各国に散らばって暮らす未来


日本では今のところ、家族は全員が日本の国内に住んでいる状況が一般的。

日本人の海外居住者は常に100万人前後なので、人口の1%程度しか国外には暮らしていないことになる。

日本人と外国人の国際結婚もそこまで多いわけではないので、子どもや孫が純粋な日本人ということもあくまで一般的というのが、2014年の段階での多くの人の見解だと思う。

しかしながら、今後新興国に仕事を取られていく中で、嫌でもアジアを中心として各国に派遣されていく人は増えていく。

いま現在でもタイやフィリピンに派遣された駐在員の中には、現地の人と結婚してハーフの子どもをもうけることが少なくないし、最近だと韓国人とフィリピン人の間に生まれたコピノと呼ばれる子供が、韓国人男性が妊娠発覚後に逃げることが多いためにフィリピンで社会問題になっている。

タイとフィリピンは日本人にも人気の国で、一度海外駐在で赴任してしまうと、そのまま日本に戻りたくないという人も多く、実際、本社に戻るように言われてもそのまま退職してしまって、現地で就労するという人もいるらしい。

こういった形で各国に日本人が出ていけば、それだけ子どもの国籍も変わっていくし、場合によっては日本人ではなくて現地の国籍を取得する場合も考えられる。

少なくとも国籍をどちらにしても、ハーフの子どもが生まれれば、その子どもはどちらかの国、もしくはその第三国で暮らすことを考える必要が出てくる。

こうなってくれば家族がみんな同じ国に住んでいるのが常識ではなくなっていくし、そもそも働く場所が海外であれば、親から見れば自分の子どもが日本から出て行ってしまったことになる。

こうしたことが増えていくと、もはや家族が一つの国に留まっている状況はどんどん減っていくのではないかと思う。

年老いた親は日本に住んでいて、息子はインドに派遣され、そこで子どもをもうけて、そのままインドで子育てをしながら仕事もしているとか、もしくは子どもには高いレベルの教育を受けさせようと思って、アメリカやカナダに留学させるかもしれない。

インドよりもきれいな英語を安価で身に付けさせようとして、フィリピンに留学させる親も出てくるだろう。

こうして家族がバラバラに解体されて暮らすようになれば、当然ながら会う機会はますます減っていくわけだし、スカイプやZoomで行えるようなテレビ電話でのコミュニケーションとか、そういった遠隔地同士での会話が増えていくのではないかと思う。

しかしながら、電話と対面で会うのはやはり別物であって、スカイプで通話が終わった後の寂しさや虚しさを経験したことがある人は多いのではないだろうか?

そういったことが家族でも増えていくことは、必ずしも幸福ではないのかもしれない。

しかしながら、私自身もすでに海外で生活をしているし、こういった流れを止められるイメージがわかない。

私たちの世代は、これから人間関係を新しくとらえ直す必要があるのかもしれない。

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