マニラは旅行者に優しくない街であると移住者が感じる理由



マニラからクアラルンプールに来て生活してみて、利便性が違うと感じていることがある。

それはクアラルンプールであれば、ペットボトルの水を一本買っただけでもビニール袋をくれること。

実際問題として言うと、500mlのペットボトルであれば日本と同じように袋はつけてくれないこともあるが、一言プラスチックバックをくださいと言えば貰えるし、ビニール袋は簡単に手が入る。

これに対して、マニラでも特にマカティ地区においては、買い物をしてもビニール袋を貰えなくなっている。

これはなぜかというと条例に決められているからで、すぐに破れる紙袋しかもらえない。

この紙袋も手提げがついたものではなくて、パリジェンヌがフランスパンでも入れていそうなものなので、底を持って赤ちゃんを抱えるようにしないとすぐに破れてしまう。

例えば豆乳や牛乳を買って袋の上の方を鷲掴みで持ってしまうと、あっという間に破れて使い物にならならなくなるので、日常の生活から不便。

そしてこれは旅行をする時にはなおさら顕著で、旅行中は何かとビニール袋は重宝する。

例えば幾つかの荷物をまとめて入れるとか、もしくは既に使った着替えを鞄の中に入れる際にビニール袋に別に分けて入れておくとか、そういったことにも使うのでビニール袋は地味に重要度の高いものとなる。

こういったものをマニラの中でもマカティ等ではなかなか入手できないことで不便な思いをしていた。

なぜこのような条例があるのかというと、マカティの環境保全に対する取り組みの一環という話もあるし、もう少し現実的なところではビニール袋を道端に捨てる人がいると、それによって排水溝が詰まってしまって、道の冠水が酷くなるから。

マニラは治水の状況が良くはないし、地域によっては年に何回か定期的に洪水のような状態に陥る。

これはマニラに限ったことではなくて、基本的に東南アジアの都市は治水管理がまだまだ出来ていないので、バンコクにおいても毎年水が膝くらいまで来るエリアもあるし、冠水は珍しくない。

こういった治水管理の取り組みの一環として、排水溝に詰まって水をせき止めてしまうビニール袋を廃止して、その分すぐに水に溶ける紙袋に変えるのは確かに理にかなったことではあるものの、生活の利便性で言うとかなり面倒なところがある。

車を使っている人であれば、買い物の手間はそこまで変わらないかもしれないが、徒歩で食材を買出しに来ると不便な思いをするということは多々あった。

フィリピンはかなりローカライズされたルールというか、独自ルールが多い国でもあるので、こういった独自路線は条例等でも適用されているのかもしれないが、残念ながらフィリピンが環境への取り組みでの先進的な国とは世界中の誰も思っていないわけだし、結局のところはいまいち意味がない。

そもそも国を挙げての取り組みではなくて、あくまでもマカティ地区での条例ということなので、どの程度の効果があるのかは不明。

むしろマカティではなくて、もっと冠水の状態が酷い日本大使館付近とか、そういったところで同様の施策を打ったほうが良いのではないかと思ってしまう。

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