
東洋医学の考え方に基づくと、どうも私のように胃腸や脾臓が弱い場合には、根菜を煮込んだ料理を食べるとお腹に優しくて消化吸収を助けてくれる働きがあるという。
ではそういったものを食べようかと思い、特に昆布だし、もしくはかつおだしで煮込んだ根菜の煮物がベストということだったのが、実際問題としてそういった食品がマニラの中ではなかなか見つからない。
日本料理屋に行って筑前煮がないか幾多の店でチェックしてみたものの、残念ながら筑前煮が置いてある店は見つからなかった。
そもそも根菜がうまくイメージができなくて、ごぼうやたけのこ、蓮根の三つくらいしか想像がつかなかった。
さすがにこの三つだけというのはあまりにも少なすぎるし、他にどういった選択肢があるのか調べてみたら意外に身近な食品も含まれていた。
例えば大根やにんじんもそうだし、長ねぎやたまねぎも根菜に含まれるらしい。
さらにこんにゃくも一応根菜の一つに入るらしいので、実はおでんの具の中には根菜がいくつかあることがわかった。
ということで、リトル東京の里雄禅という店に行っておでんのこんにゃくや大根を頼んで、プラスして完全栄養食とも言われる卵を食べることで、里雄禅である程度根菜をとることができるようになった。
マニラは比較的野菜不足になりやすい町なので、意識的に普段から野菜を食べるようにはしていたものの、根菜はピンポイントに狙わないとなかなか食べる機会がない。
ごぼうや蓮根についてはマニラで見かけることがほとんどないので、口にする機会も限られている。
それに比べると大根やにんじんは比較的身近な食べ物だし、にんじんは根菜であるという以外にも、東洋医学的には血をつくるという意味でもプラスの働きらしいので、そこらへんは意識して食べて行こうと思う。
ちなみに一時期は野菜ジュースを飲もうかと思ったものの、野菜ジュースには糖分が付け加えられていたりするので、飲みやすい反面であまり体には良くない側面もあるという事。
トマトジュースの場合でいえば塩が添加されているので塩分のとりすぎになって、やはりこちらも生で食べるのと比べて体に与えるプラスの影響が限られてしまうだけではなく、飲み過ぎるとかえって塩分のとりすぎで高血圧になりやすくなるとか、体にはマイナスの影響もある。
なかなか新鮮な野菜が手に入らないマニラだからこそ、そういったジュースを上手に活用しようと思っていた時期もあるものの、こういった食品業界の内情を知るにつれて、やはり新鮮な野菜をできるだけ選んで食べるようにしなければいけないと、原点に帰ることにした。
それにしても日本は比較的根菜が身近な国だということを、フィリピンに住んで改めて感じている。