フランクフルトへの移住はドイツの中でも優先度が低い


フランクフルトを移住先として考えた場合、純粋に住環境としてみると決して悪い町ではない。

ミュンヘンやニュルンベルクに比べると自然からの距離が遠く、大都市であるという印象はあるし、そう言った部分では多少求めているものとは違うものの、エリアを選べば自然も決して少なくはない。

別にオフィス街の真っ只中に住む必要はどこにもない訳なので、そう言った意味ではフランクフルトでも上手く住居の場所を選べば、質の高い生活が出来るメージはある。

ドイツの食生活は、それなりに私は適性もあると思っていて、オニオンスープのツヴィーベル・ズッペやヴルスト、アイスバインといった肉料理も好きだし、ニシンの塩漬けのマチェスはバゲットに挟んで食べても絶妙で、食事において特に問題はない。

そもそもフランクフルトは大都市なので、ドイツ料理以外も楽しむ事が出来るため、食の面での心配は全くしていない。


安全面では懸念も

治安を考えた場合、ドイツは難民の受け入れを積極的に行ったため、この点での懸念はどの都市についてもある。

ケルンでは、年明けのときに集団での暴行が行われたという話も出てきたし、それを当初、警察やマスコミが隠蔽しようとした痕跡についても指摘されている。

治安面でのリスクの増加はケルンに限ったことではなく、大量の難民を受け入れた国として、ドイツにおいては多かれ少なかれどの町についても言える事。

とはいえ、そこまで極端に治安が悪い訳ではないし、仮にフランクフルトに移住しようと思った場合にも、周辺の国の大都市と比べて極端に危険とか、あるいはかつて私が住んでいたフィリピンやマレーシアと比べて危ないといったことはないだろう。

さらに言えば、フランクフルトはヨーロッパの中でも主要国際空港の一つとなっているので、交通の便も良い。

ヨーロッパ各国に気軽に遊びに行けるのはもちろん、東京やバンコクのような長距離フライトにも適していて、短距離にしろ長距離にしろ、移動がスムーズで楽というメリットがある。

しかしながら、この点がまさに、移住先としてフランクフルトを選ばなくて良い理由になっている。


フランクフルトにあえて住む必要がない理由

ヨーロッパには暮らしてみたい国が多々あるし、ドイツだけで見てもニュルンベルクやミュンヘン等に住んでみたい。

そしてその思いはフランクフルトにも元々あって、それだけの町の魅力はある。

実際に訪れてみて住環境としての魅力を感じたし、これからもフランクフルトで時間を過ごしたいと思った。

しかしながら、ヨーロッパの主要空港という位置づけになっているため、長距離フライトをする場合には特にそうだが、フランクフルトを経由して他の町に行く事が多い。

そうなれば、ただ単にトランジットを空港の中で済ませてしまうのではなく、何泊かフランクフルトで泊まって町歩きを楽しんで、そこでのショートステイを満喫する事が出来る。

そう考えると、わざわざ移住してフランクフルトを楽しまなくても、移動のついでとして何度も訪問する機会があるので、それで良いのではないかという結論に至った。


結局のところ、ヨーロッパに行く際に最初に基点となる町は限られている。

もちろんヨーロッパに来る手前の段階で一度乗り換えて、例えば、前回のフライトで言えばモスクワとか、あるいはイスラエルのキエフとか、こういったところを経由する事によってワルシャワやソフィアと言ったマイナーな町に行く事も出来る。

とは言え、ヨーロッパの主要都市に行くのであれば、やはりフランクフルト経由のフライトが少なくない。


ロンドンやアムステルダムもヨーロッパの主要な空港となっているが、フランクフルトもそれに引けをとらないレベルだけに、これからもたびたび立ち寄る事になるはず。

そうなれば、あえて移住先として選ばなくて良いのではないかという結論に至った。


ドイツと近隣の国の生活費の比較

私が最近頻繁に訪れているのは東欧だが、ドイツとは国境を接している。

チェコやポーランドは直接的に国境を接していて、プラハはニュルンベルクから近いし、ワルシャワはベルリンから比較的近い。

スロバキアやハンガリーは直接隣り合ってはいないものの、チェコやオーストリアを挟んで隣の隣の国という位置づけになる。

ドイツにもそのついでで行ってみたりしたが、生活費や物価という事で言うと、ドイツの方が東欧各国よりだいたい7割から8割くらい高いという印象を受けている。

何しろドイツと言えばヨーロッパ経済の牽引役で、逆に東欧と言えばヨーロッパの中でも経済は弱い国が集まっている。

東欧の中ではチェコやポーランド、ハンガリーの三国は比較的一人当たりのGDPも高いが、それでもポーランドはより豊かな国、例えばドイツやイギリスに多くの労働者を移民として輩出している側なので、経済力に差があることは議論するまでもない。

そうなってくると、ドイツの方が生活費が高いのはきわめてあたり前で、それは住環境としてみた場合にもやむを得ない。

しかしながら、プラハやブタペスト、さらに言えばワルシャワの中でも一部のエリアであれば、フランクフルトやベルリンと比べても決して住環境が劣っている訳ではない。

それでいながら、半分ちょっとぐらいの生活費で暮らせるという事であれば、東欧の方が移住先としての魅力が大きいのではないだろうか。

どちらかというと、ドイツとそれ以外の東欧の国で差がついてくるのは、都市部よりも地方。

東欧の中でも特に旧共産圏の国は、その名残が地方に行くほどに色濃くなっていき、建物や風景にあまり魅力を感じなくなる。

逆に言えば、都市の中に住むのであれば、あまりそう言った印象もなく、実際ブタペストやプラハを訪れてみると見事な町並みである事に驚かされる。


それに対して、ドイツが移住先として大きな魅力を持っているのは、やはり日本人が多く住んでいるために情報が沢山あるという事。

さらに言えば、比較的ビジネスビザが取りやすいというメリットがあって、最新のビザ情報を得やすい事も含めて大きなプラスになる。


そして、このメリットは東欧とは反対側の隣国であるオランダにも言える事。

実際、オランダには私の知人も移住したが、アムステルダムやハーグには多くの日本人が住み、さらには労働許可証がなくても働けるという事もあって、ヨーロッパに移住したい日本人には注目の的となっている。


こうして考えると、ドイツは隣国と常に比較される立場にある。

しかしながらこれはとても健全な事で、競争があるからこそ切磋琢磨する部分もあるし、選ぶ側としてはやはり選択肢が多い方が適切な判断を下す事が出来る。

魅力的な選択肢が多数あるからこそ、フランクフルトはどうしても優先順位の中で多少低めの位置づけになってしまう。

もちろんそれはフランクフルトが住むのに適していないという事ではなく、より魅力的な町が他にもあるということ。

例えばドイツの中でもニュルンベルクやミュンヘンがそうだし、近隣諸国に視野を広げると、なおさらこの傾向は強まってしまうというだけ。

フランクフルトには当面空港を利用した時に、立ち寄る距離感で関わっていきたい。


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