
イポーからバタワースに移動しようと思ってバスターミナルに来たは良いものの、既に10時出発のバスは無くなっていて、二時間以上待って12時からのバスに乗らなくてはいけなくなった。
到着時刻は4時過ぎになるので、それまでに昼食をとっておく必要がある。
ということで、バックパックと両手いっぱいの荷物を持って、それまでに食事をしなければいけないということになり近くを歩いてみたが、残念ながらローカルレストランしか見つからなかった。
仕方がないのでそこに入ってみたものの、黄色いミーという麺を注文したが、それ以外のトッピングを自分でやれということで、既に両手がふさがっているにもかかわらず、そのまま器を渡して来ようとする。
仕方がないので近くの席に荷物を置いてから来たが、そこだと今度は死角になってしまうので、荷物を見張ることが出来ない。
当然持っていかれても困るので落ち着いて注文が出来る訳もなく、かといって指をさしても店員の側ではそれを入れようとしないのでうんざりしてしまった。
そもそもこのローカルレストランに入ること自体も気が向かなかったが、どうやら周囲に同じような店しかなかったようなので、妥協してそこで食事を済ませることにした。
残念ながらジョホールバルに住んでいた時期に、もうローカルレストランでマレー料理を食べたいという気持ちは全くなくなってしまったし、今回のようなことがない限りは極力避けるようにしている。
実際にジョホールバルであったり、あるいはクアラルンプールにいた時もできるだけ日本食や洋食を食べるようにしていたので、そういった意味で言うとどこの国に住んでいてもあまり変わらない食生活をしている。
旅の醍醐味の一つを失っていると言えなくもないかもしれないが、わたし自身としてはそれによって快適な生活が出来ているので全く不満はない。
むしろ無理矢理ローカルの状態に合わせようとしたところで、日本人にとってはストレスが溜まるだけだし、そういったことはジョホールバルに移住して最初の一年で嫌と言うほど感じていたので、イポーでも同じ過ちを繰り返そうとはしていない。
しかしながら、そもそも選択肢が極端に少ないイポーという街においては、自分の意思がどうであれローカルレストランに入らざるを得ないという事情があるので、その点はかなり苦しいところだった。
二泊でこの町を切り上げることに決めた理由もそこにある。
残念ながら、イポーは評判通り美味しいものが食べられる街というわけでもなく、パクテーはジョホールバルで食べたのと同じ程度のレベルだったし、ローカルレストランのインド料理屋に入ったら、既に冷め切ったナンが出てきたりといった具合に決して食のレベルは高くない。
空気や水がきれいという前評判ではあったが、実際に街中はそういったこともなく、かなり評判倒れの街という印象を受けてしまった。
ケロットンやテンプルン洞窟、ケリーズキャッスルも見てきたし、よほどの理由がない限りはもうここに来ることはないと思うが、それについて特に未練も感じない。