日本で言うところの100円ショップが、クアラルンプールでは5リンギットで値段が設定されていることが多い。
5リンギットはだいたい150円くらいなので、日本の5割増しということになる。
ダイソーもクアラルンプールのパビリオンに出店している。
インビ駅のところにあるタイムズスクエアというショッピングモールには同じく5リンギットショップが入っている。
ではその内容はどうなのかというと、中に入ってみてみたらほぼ日本の100均と同じ商品を扱っている。
つまり台所用品や子どものおもちゃ、パーティーグッズ、ちょっとしたお菓子等々、ジャンルが広すぎてとりとめなく見えるほどの商品が取り揃えられている。
多くの商品が日本で作られているわけではなくて、中国で生産されている訳なので、輸送コストが極端に上がるということでもない。
どういった流通経路を確保しているかは分からないが、わざわざ日本で一度荷物をまとめてそこからマレーシアに送っているわけではなくて、生産地から直接輸送しているのだろう。
DAISO等の百均はマレーシアばかりではなくて、フィリピンやタイ等でも見かけるので、わざわざコストのかかる方法でやっているとは考え難い。
ということは、この50円分の余剰利益はそのまま丸々利益率の高さに直結することになる。
まして日本であればアルバイトを雇うだけでも時給800円かかるところ、マレーシアであればそれが200円弱で済むわけなので、人件費が安い。
フィリピンのように無駄に店員の数を増やすこともマレーシアではしていないので、床面積辺りの店員数は日本とマレーシアなら大差ない。
ということは、そのまま人件費は圧縮できるので、経営者としてはかなり有利な立場に立てるのではないかと思う。
陳列の仕方に関して言うと、やはり日本の方が工夫をしている印象は受けるし、全くの同レベルとは言えないものの、コンビニのレベルの違いから見ると、日本の100均とマレーシアの5リンギットショップの違いはそこまで大きなものではない。
実際こういった店を覗いてみると、かなり賑わっているのが分かるし、若干割高にもかかわらずお客さんは入っている。
これはフィリピンでも同様の傾向にあって、こういった分かりやすさは各国でも受け入れられている模様。
イギリスに行ったときにも1ペニーショップという店があって、当時の為替レートだと1ペニーがだいたい210円くらいだった。
日本の倍ということになるが、こちらもそこそこ賑わってはいたので、価格を統一するのは商売をするうえで顧客を呼び込むための一つの方法ではないかと思う。
マレーシアのような新興国であれば物価が安いのが常識となっているので、何でもかんでも安いと思っている日本人もいるが、実際にはこのように一部の店舗は日本と同じものを扱っていながら、むしろ高額になることもある。
日本の食材のように分かりやすいところばかりではなくて、こういったところでも物価のデコボコな格差はあるので、そこらへんに注目して旅行してみるのも面白い。