
イポーからペナンにやって来て、今日はボタニカルガーデンという国立公園にやってきた。
ここはとても静かな場所で、基本的にそれほど人もいないし、自然が広がっている。
ちょっとした川や滝もあるし、山の中に入って行く小道もあるので、ペナンの中にあっては比較的涼しく、そして静かな場所ということになる。
鳥の鳴き声とか、虫の羽根の音を聞きながらのんびりすることが出来て、なおかつ樹木の枝や葉のおかげで直射日光がない上に、緑がある程度までは熱を吸収してくれるので、比較的過ごしやすい。
こういった場所が日常的に身近なことは素晴らしいことだし、過ごしやすいのだろう。
特にこれまでの一年間はマニラで暮らしていたので、緑に接する機会が少なく、Legazpi Active ParkやAyala TriangleParkのような一部の公園に行かない限りは緑の恩恵を受けることは全くなかった。
そういった場所で暮らしていたからこそ、自然のありがたさを感じたし、日常的に緑との触れ合いを持てて、なおかつ空気がきれいな場所で暮らせるのは一つの理想的なライフスタイルではないかと思うに至った。
しかしながら、考えてみると四季のある国の場合、必ず秋や冬という季節があるし、春や夏ばかりではない。
特に冬の時期になればどうしたって葉は散り、緑は減ってしまう。
それはそれで情緒があるので別に良いとは思うが、過ごしやすさの面で考えると、年中気候が安定しないのはかなり面倒な要素になる。
実際問題としてペナンも常に暑すぎる状態なので、いくら緑が多いとはいえ、こういった場所では理想の暮らしをするには難しいだろう。
そういった意味で言うと、季節を選びながら場所を転々として暮らしていくのが理想な気もするが、それはそれで色々と困難もある。
なにしろ理想の時期を選んで移動するということは、それなりに各地域の季節や状況を知っていなければいけない。
同じ場所ばかりでは飽きるとなれば、様々な場所を検討する必要もあるので、こうなってくると膨大な下調べと経験則が求められる。
そう考えてみると、あまり理想にこだわらない方が良いのではないかという気もしてきた。
そもそもいくら田舎に住んだところで移動手段は車やバイクになるわけだし、そうなれば排気ガスと無縁の生活をすることは出来ない。
自分自身も排気ガスを排出する側になってしまうわけだし、あるいは公共交通機関のバス等を使ったところで、そういった乗り物が乗り入れていること自体が環境を破壊しているとも言え、完璧な調和のとれた空間は存在しないと割り切った方が現実的。
そんなことを思いながらも、ボタニカルガーデンの中でのんびりと安らいでいたら、大都会で暮らすことの弊害を考えさせられてしまった。
都会の利便性は手放しがたいものがあるし、特に自炊をしない場合にはある程度外食のレパートリーがないと日々が苦しくなる。
そういったこともあるので、田舎暮らしは難しいところもあるものの、一つの理想の生き方ではある。
■ボタニカル・ガーデンの基本情報
住所:Unnamed Road, 10470 George Town, Penang