昔ながらの成功法則を捨てて生きていく


懐かしい昭和の香りは、時として心の琴線に触れるもので、郷愁を呼び覚ますようなイベントに無性に心を揺さぶられることもある。

特に昔懐かしいジャンクフードはその傾向が強いような気がしていて、昔ながらの中華そばとか、昭和を再現したカップラーメンとか、そういった定番商品から期間限定ものまで、様々なものが発売されているし、実際に売れてもいる。

確か一平ちゃんのカップ焼きそばでも期間限定で、昭和の時代を再現した商品が何年か前に出ていたが、近年のヘルシー志向と対照的な昭和の時代のジャンク嗜好は、人間の脳の発達した部分(いわゆる人間脳)ではなくて、猿に近い太古の本能に直接的に響くところがある。

言いかえれば、食べた瞬間は美味しくても、健康を損なうとか、食後に胃がもたれるとか、そういったマイナスの副作用を伴うものを一時的に発作のように欲するのは、人間としてというよりは、哺乳類として、猿としての本能に近いものがある。

考えてみると、食事についてもこの数年で随分ジャンクフードから離れたし、マレーシア時代はマクドナルドでハンバーガーとポテトを疑問もなく食べていたが、そういったことはこの2、3年、ほぼなくなった。

コーラも飲まなくなったし、カップラーメンやカップ焼きそばを食べることもない。

外食ばかりとはいえ、食べるものは選んでいるので、随分と健康な食生活を送れるようになった。

それはそうと、昭和の時代を時折懐かしみつつ、駄菓子を大人が買ってみたりとか、昔の味を再現した料理を食べてみたりする程度ならまだしも、昔ながらの成功法則にのっとって行動して、うまくいかないのを嘆くというのは、悲劇というよりは喜劇に近いし、ましてそれで憤るのは理不尽でしかない。


普遍性の伴わない成功法則

成功法則は往々にして市場環境によって左右され、時代によって変遷していくもの。

高度経済成長の時期と現代の衰退期において同じ成功法則が丸々使えるわけもなく、むしろそんなこともわからないでビジネスをしていることの方が痛々しい。

中途半端に古い法則を使うからなおさらうまくいかないわけで、賢い経営者は、逆に何百年、何千年と続いている叡智を使っていたりする。

例えば、あるコンサルタントは古神道をベースにして理論を構築しているし、経営者の中には占星術や四柱推命、奇門遁甲、あるいはその他の占い等を、事業拡大のタイミングや撤退、商品の開発、その他経営判断に取り入れていたりする。

こういった統計を基にした法則は、少なくとも数百年以上も続いているわけなので、時代の波に揉まれても生き残ってきたことになる。

少なくとも昭和の時代のビジネス本を見て、何の疑いもなく、そこに書かれている成功法則を信じ込んだり、あるいは、他の国のカリスマと呼ばれるような筆者が書いた自己啓発本を読んで、日本でもそのままカスタマイズせずに通用すると思っていたりするのは、いったい何なんだろうと思ってしまう。

例えば、インターネットの黎明期と現在では環境が違うのは当然のことだし、バブルの時とバブル崩壊後、そして今現在がそれぞれ異なる消費環境にあるのも、慎重に考えるまでもなく理解できるはず。

そうした情勢を読まずに同じ戦略を使うのは、相手チームの戦力の分析や自分のチームの出場できるメンバーの体調や顔ぶれを考えずに、毎回同じ戦略で戦うことを指示するサッカー監督の様なもの。

それはセオリーに忠実なのではなく、地道な努力を続けられる忍耐強い人というのでもなく、ただ単に思考停止をしている知能の足りない人ということになる。

古い成功法則は、積極的に自分が追い求めなくても、時として何か勘違いした人が勝手に吹き込んでくることもある。

しかも、自分自身の成功体験を基にしたものですらなく、どこかで聞きかじっただけの知識を、自分の人生の惨状を顧みずに吹聴している人すらいるので、時としてばかばかしい話だと切り捨てて脳をシャットダウンするとか、あるいはさっさとその場を立ち去るとか、そういったことも必要。

成功法則もどきは世の中に溢れているが、実際に成功した例は数少ないわけなので、そのアンバランスさには当然理由がある。

そう考えれば、他人の意見をいかに鵜呑みにしてはいけないかということが、理解できるだろう。

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