退職者ビザと聞くと、その言葉から年齢の高い人が申請するイメージがある。
しかしながら実際はそうでもなく、フィリピンの退職者ビザ、SRRVの場合は取得者のだいたい半数が50歳未満と言われている。
しかも申請者のうちの半分は独身であったり、もしくは結婚をしている女性ということになっていて、男女比もだいたい5対5となっているらしい。
また別のデータを見ると、申請者の半分程度はある程度社会的にステータスのある人で、例えば大手の上場企業に勤務しているとか、あるいは医師や大学教授ということも言われている。
これは実際、投資の世界を見ても納得できる話で、ビザの取得をする人は、一つの目的として投資を念頭に置いていることがある。
ビザがあることによって、ローンにおいて有利な扱いを受けることが出来るので、それを目的にビザを取得しておいて、より積極的にフィリピンに投資をするというスタンス。
それ以外には私のように確実に住める国を確保しておきたいとか、もしくはフィリピンで物価の安い生活をしたいので、長期的に安定して暮らすためにしっかりとビザを取っておくことが必要で、それを確実にする目的という場合もある。
だいたい200万円程度の預託金を積めば、一番安いものであれば退職者ビザを取ることが出来るので、これであればハードルは低い。
ただし、甘い考えでフィリピンに来たものの、結果的に働き口がなかったり、あるいはお金をだまし取られてしまったことによって、まともに生活が出来なくなってしまう人がいる。
こういった人は困窮邦人と呼ばれていて、日本大使館に行ってもなかなか保護してもらうことが出来ない。
確かに自分の計画性のなさによって生活が成り立たなくなったのであれば、それを大使館が保護するのもおかしな話だし、結局それをすることによって大使館の費用が税金で賄われることになるので、日本で税金を払っている人がフィリピンに来て自業自得で困窮した人の面倒を見る構図になってしまう。
それをしないのは、まっとうな話だろう。
では、実際のところ困窮邦人が大使館に駆け込んだ場合にどのようなことになるのかというと、だいたいは日本にいる家族へのコンタクトを取るための支援という程度になる。
さすがに一切何もしないで追い出すわけにはいかないので、連絡くらいは取らせるものの、帰国費用等については家族や親族に出してもらうように説得して、あとは自力で生きて行ってくださいという話になる。
では困窮邦人の中でも、そういった支援をしてくれる家族や頼りになる人がいない場合どうするかというと、かなりの割合の人がフィリピン人に世話になりながら生きているという。
フィリピンは元々全員がちゃんと働こうという文化ではなくて、家族の助け合いとか稼げる人が稼げていない人の面倒を見ようという文化があるので、その中に組み込まれてやっていく人がいる。
これを逆の立場にすると、フィリピン人と国際結婚をした一般的な日本人の立場になって、自分がフィリピン人の奥さんを持った途端に、何十人もの家族がたかってくるという現象になる。
こうした事実を見ると、日本人から見てフィリピン人は厄介であるという考えが強くなるものの、実を言うと日本人が困っているときにもフィリピン人は助けてくれる場合もあるし、そもそもフィリピン人同士では文化として行われている。
必ずしも彼らがただ単に怪しいとか、ある程度お金を持っている外国人をターゲットにしてカモにしようとしているということばかりではない。
元々が相互扶助の意識が強い文化に生きているのがフィリピン人で、比較的南国においてはこういった文化が強く根付いている。
逆に日本のようにどんどん核家族化が進み、親も高齢になると子どもの世話にはなりたくないと言って、自分で老人ホームに入っていくとか、そういった国の方が新興国においては少ない状況にある。
やはりそこら辺の文化の違いが様々なところで衝突するので、そういったところについてもある程度寛容に受け止めるか、あるいは必要以上に干渉しあわないように上手にライフスタイルを整えていくとか、海外生活においてはそういった調整も必要になってくる。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
電子書籍のプレゼントページへ