このときはダナン国際空港でアライバルビザを取得した。
一方、タイはこれまでに繰り返し訪れている国で、正確には把握していないが、おそらく合計滞在日数は10カ月程度になるものと思われる。
そして、台湾の後はバンコクに移住しようと思っているので、今後はさらに関係の深い国になる予定。
両国とも東南アジアの新興国という位置づけになるが、治安においてはかなりの差があると感じる。
安全なのはやはりタイで、交通を見てもまだまだ差がある。
ベトナムといえば、タクシーの危険度が東南アジアの中でも特に高い国の一角とされ、マイリンタクシーやピナサンタクシーのように、比較的評判の良い会社のタクシーを意識的に探す必要がある。
一方、バンコクであればBTS(高架鉄道)や地下鉄で安全に移動ができる。
タイのタクシーも問題がないわけではないし、初めてバンコクを訪れ時にはわざと同じ道をぐるぐる廻られ、友人がそれを指摘したところトラブルになったこともある。
それでも、タイはツーリストポリスが観光客向けに苦情窓口も設置しているし、通報のあった運転手から免許を剥奪したというニュースもあった。
日常茶飯事でタクシーのトラブルが起きていて、政府や警察が全く信用できないベトナムと比べると、やはり安心感が違う。
ベトナムの場合、ハノイやホーチミンであっても地下鉄が存在しない状況で(現在建設中)、タクシーかバイクタクシーで移動しなければいけないのはストレス。
ちなみに、運転の荒さや信号の設置数もタイとベトナムでは違いがあり、ベトナムの方が運転が荒く、信号が少ない。
ハノイ・ホーチミンを離れると信号の少なさは顕著で、国内第三の都市のダナンでさえ、信号を見かけることはめったになく、外国人から見ると無秩序な交通ルールにさえ映る。
ベトナムの人口は約9500万人なので、第三の都市と言えど、そこまで小さくはない。
しかし、信号をめったに見かけることさえない独特な交通事情が残っている。
ハノイとホーチミンの治安は、現在でも決して望ましいとは言えず、ホーチミンではブイビエン通り近くのホテルのスタッフから、夜の一人歩きは細心の注意を払うように注意されたこともある。
このあたりもバンコクとの違いを感じる部分。
ダナンやホイアンのようなベトナム中部の町となると、お金目当ての犯罪は減少するものの、交通事故の危険性が高いことは変わりない。
タイも治安が悪いエリアはあり、深南部と呼ばれるマレーシア国境沿いは危険だったりもするが、バンコクに関して言えば概ね安全と言える。
それでも両替詐欺の常習犯であるアラブ人の目撃情報が日本人の間で共有されていたり、王宮(ワット・プラケオ)の近くではトゥクトゥクの運転手が日常的に詐欺的な営業を行っていたりもする。
ここらへんは新興国だからという一面もあるが、日本でも歌舞伎町の呼び込みに悪質なケースがあるように、不慣れな人がたくさん来る場所だからカモを狙った質の悪い人たちが寄ってくる一面もある。
とはいえ、バンコクやチェンマイにおいては基本的な注意を怠らなければ、犯罪に巻き込まれるリスクは少ない。
一方で、ハノイ・ホーチミンについては気をつけることが必要なのは当然だが、注意力が不足していなければ安心して暮らせるのかと言われれば、疑問が残る。
近隣の国ではあるが生活環境の差は今なお大きく、ベトナムが現在のタイと肩を並べるところまで発展するのには15年以上かかるだろう。
そして、その頃にはタイがもっと先に進んでいるはずなので、この差が縮まる要因があまり見当たらない。
政治的な不安定さという問題
タイは政治的に不安定な国で、大規模デモやクーデターが頻繁に起こる。事実、現在も2014年5月にインラック政権に対しタイ王国国軍がクーデターを起こし、そのまま暫定政権が2019年まで続いた。
これまでのクーデターの回数はなんと19回目ということで、このあたりの不安定さはマイナス要素。
とはいえ、社会主義国であり役人の汚職で有名なベトナムも、政治的な面での強みを有しているわけではない。
シンガポールがリー・クアンユーの圧倒的な指導力で急激に発展したのとは違い、タイ及びベトナムは政治が国の発展を妨げる要因となってしまっている。
問題の所在は違うものの、ベトナムだけがタイに発展するほどの劇的な成長を遂げ、一方でタイが停滞し続ける未来は描きづらい。
個人的にはビザ制度が安定しないのがタイの不安要素で、エリートカードや投資家ビザが今後どのような状況に置かれるかが滞在条件に直接関わってくるので、注視している。
文化的な背景でタイとベトナムの違いを見てみると、海外からの影響の受け方が違う。
タイは東南アジアで唯一植民地にされた経験がない国である一方、現在では旅行者・移住者の両面で多数の外国人を抱える国。
バンコクやチェンマイ、プーケットに行くと、言語も人種も様々な人々が楽しんでいるのを見かける。
東南アジアでもトップクラスに外国人から愛され、多くの人がロングステイをしているため、それに応じたレストランやアイリッシュパブ、ヨガ等、様々な文化が早くから入り込んでいる。
ベトナムはフランスの植民地だった経験を持ち、その時代の建物が今も残る。
たとえば、ホーチミンのサイゴン大教会や中央郵便局、ハノイの迎賓館やNha Hat Lon(大劇場)等。
食文化にもフランスの影響を受けていて、ベトナムコーヒーやバインミー(フランスパンのサンドイッチ)は代表的。
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