グローバルシティは不動産投資目的でコンドミニアムを持つ街として、
マニラの中でもマカティと並んで人気の街。
ただし、うっかり物件を購入してしまい、
失敗した人も見てきた。
マスコミや一部の業者の甘い言葉に乗せられて
お金を出したのはいいものの、
思うような利回りを得られなかったとか。
付くはずの銀行ローンを組めなかったとか。
そうした失敗を避ける方法について、
今回はお伝えしようかと思う。
私もマニラ現地の事情を投資家として理解するために
マカティに移住して1年間暮らしたが、
グローバルシティは隣町として親しみを感じている街。
渋滞がない時間帯であれば、
10分ほどで到着できる。
もっとも、渋滞がひどい街なので、
通勤時間帯になったりすると30分以上かかったりもするのだが。
マカティの街中の車がひしめき合っているエリアは歩いた方が早く、
途中でタクシーを拾うほうが時間の短縮になるケースもあった。
グローバルシティはフィリピンの一般的なイメージをくつがえすほど
街並みはきれいで、治安も良い。
特にフォートボニファシオ(BGCと略されることも)は
グローバルシティの中でも最新エリアであるだけではなく、
フィリピンの中でも最も洗練された都市と言っていいだろう。
ただし、不動産価格はもちろん、
レストランのメニュー等を見てもマニラで最も高い。
マカティも外国人居住エリアとして
他の地区よりも生活費は高い傾向にあるが、
フォートボニファシオはさらに6割増しといった感覚。
もはや新興国の物価ではない。
そして、この事実は不動産投資をする際にも関係してくる。
グローバルシティの中でもエリアによって
販売価格や設定できる適切や家賃が違ってくるが、
フォートボニファシオであれば最高値。
そして賃貸付け(客付け)をする際にも、
その家賃を払える人だけが対象となる。
となれば、フィリピンにコンドミニアムを買うと言っても、
ごく一部の富裕層以外のフィリピン人は対象外。
物件によっては駐在員が対象の場合もあれば、
お金に余裕のあるリタイアメント層であったり、
経営者が対象になるような物件もある。
フィリピンは貧しい新興国というイメージを拭い去れないと、
賃貸付けの時にも転売して売却益を得るときにも、
そもそも正しい取引相手を想定できない。
フォートボニファシオはその傾向が特に顕著だが、
新興国の中にありながら下手な先進国よりも価格は高い。
そうした特殊なエリアであることを理解する必要がある。
たとえば、コンドミニアムの1室が
3,000万円台ということも別に珍しいことではない。
マニラの不動産の中には300万円台の物件もあることを考えると、
天と地ほどの差に思えるが、
立地や建物のレベルを比べると納得できる。
当然入居者の属性もまったく違うので、
そこを混同するのは大問題。
内装面にしろ、コンシェルジュやセキュリティに求めるものにしろ、
根本的に違うと思っておいた方がいい。
ルイヴィトンが販売するバッグと、
露天商が販売するバッグのように大きな違いがあるのだから。
立地は日本人が思う以上に重要
日本の場合は公共交通機関、特に電車や地下鉄が発達しているため、
東京や大阪、福岡等では車なしでも快適に生活できる。
むしろ電車を使うほうが時間を読めるし、遅れづらい。
地方も道路は整備されているし、
渋滞が少ないのでカーライフにはそれほど不便はしない。
しかし、グローバルシティやマカティを含めたマニラの事情は違う。
この街には電車は一応通っているものの、
需要に対して供給がまったく追いついていない。
結果、とにかく車での移動が主流になっている。
車を持っていない人はバスやジプニーを使うが、
交通量が多くて渋滞がひどい。
早朝のような車の少ない時間帯なら20分で行ける距離が、
昼間だと1時間以上かかることもざら。
移動に費やす時間と労力は並々ならぬものがある。
結果、私がマカティに住んでいる時もそうだったが、
むやみに移動をしないようになった。
タクシーを拾っても、思うように動けないのだから、
徒歩圏内で生活が完結するようになってくる。
これはグローバルシティに不動産投資をする場合にも
考えておかなくてはいけないポイント。
想定する入居者の生活に必要な物が、
歩いていける範囲で全て揃うのかどうか?
これは物件が選ばれるかどうかに関わってくる。
たとえば駐在員であれば、
休日に食事に行く時に便利なレストランは近くにあるのか?
オフィス街の店だと、
平日のみの営業で土日は営業していない場合とか、
日曜日は定休日にしていることもある。
そうなると、土日が休みの駐在員には不便な立地となる。
欧米人のリタイアメント層を狙っているなら、
気楽に息抜きができるバーはあるか?
ちょっとした普段の買い物に行けるような
外国人向けのスーパーはあるか?
こういった満足度の積み重ねが
賃貸契約の更新にもつながっていく。
いちいち渋滞覚悟でタクシーに乗らなければいけないのと、
ふらっと歩いていけるのではストレスが違う。
渋滞がひどい街だからこそ、
立地による優位性は重要なポイントになる。
「とりあえず売りつけてしまえば勝ち」と言わんばかりの業者に限って、
細かい立地については言及しない。
グローバルシティとかマカティとかオルティガスとか、
大まかな街のネームバリューで成約させようとして
その後の賃貸付けのことは考えない。
結果、入居者が見つからずに家賃が入ってこない期間が多くなり、
想定よりも賃貸利回りが大幅に悪くなるという結果に陥ることも。
徒歩1分程度の距離であっても、
道を挟んでいるといった理由で
利便性が変わってくることもある。
当然、それはコンドミニアムの価値にも響いてくること。
立地については細かくチェックする必要がある。
ローンが予定通り組めないことも
中古の物件は原則として現金払いになるが、プレビルドは審査に通れば銀行ローンが組める。
不動産投資の常として、
ローンの支払いに家賃を充てながら
物件価格の上昇を狙っていくという人も多い。
プレビルドだと完成前の期間に分割払いが始まり、
完成時に残った支払額についてローンを組むことになる。
基本的に日本の銀行は海外不動産を担保にローンは組まないため、
フィリピンの銀行に頼むことに。
コンドミニアムによっては
購入するとSRRVビザというリタイアメントビザが付いてくることがあり、
無料サポートもセットで付帯していることがある。
タダでリタイアメントビザがもらえるのなら、
とりあえず取っておいた方が得という心理は分かる。
日本に何かあった時の避難先として
フィリピンを活用することもできる。
将来的にマニラやセブに移住したいと思っている人であれば、
なおさら価値を感じるだろう。
問題なのは、
SRRVビザの取得が銀行ローンの条件になっている場合。
つまりビザが取得できなければ、
ローンが組めないことになる。
ここに落とし穴がある。
まずSRRVビザの取得は
本人がフィリピンに来なければ手続きができない。
その期間がどれくらいかと言うと、短い場合で3週間。
この段階で多くの人には厳しい。
グローバルシティに不動産投資をしようとしている人の中には
少なからずサラリーマンも含まれている。
しかし、3週間の休みをサラリーマンが取得できるだろうか?
マニラから日本に戻った時、
会社にまだ席は残っているだろうか?
経営者だとしても、
会社から3週間離れられる人は限られるだろう。
遠隔からの指示出しはできるにしても、
現場を長く離れることに抵抗を示す人は多い。
長引いた場合には4週間ほどかかることもあり、
親戚に不幸があったことにして有給を取れる範囲でもない。
サポート業者に任せると言っても、
この3週間から4週間の期間はフィリピンから出られない。
プレビルドの不動産購入後にこの事実を知り、
物件完成時になってから
SRRVビザは取得できないという結論に至ることも。
これでローンが組めないことも確定してしまう。
残った金額を気前よく現金で一括払いできればいいが、
それだけの資金が手元になければアウト。
最悪の場合、今まで投資してきた資金は回収できず、
コンドミニアムも自分の手に入らない。
フィリピンはノンリコースローンの国なので、
支払額以上のリスクを背負うことはないが、
途中で支払いがとどこおれば物件はデベロッパーのもの。
そこまでの支払額が返還されるわけでもなく、
踏んだり蹴ったりの状況になる。
一部の不動産業者は意図的にSRRVビザの利点のみを説明し、
このようなマイナスの面は言及していない模様。
泣くに泣けない状況になっている投資家もいる。
また、SRRVビザは毎年360ドルの費用がかかるので、
この点も意外に負担が大きい。
私も以前にプレビルドのコンドミニアムを購入したが、
その時にSRRVビザの取得を検討した。
幸いなことに、私の場合は仕事がどこでも行えるので、
3週間でも4週間でも滞在することはできる。
この点の障壁はない。
しかし、結局完成時に一括で支払い、
ローンは組まないことに決めた。
将来の安心を確保するため、
日本以外に住める権利を持つ目的で
フィリピンではビザを持ちたかったが、
それはSRRVではなく永住権のクオータビザにした。
クオータビザの方が今後の継続性という部分での信頼度が高いし、
毎年の費用は1,000円程度で済む。
取得費用はやや割高だったが、
長期で保有するのには有利だった。
あやしい不動産業者も
マカティに住み始めてから、不動産業者について調べ始めた。
本当は部屋を借りる前にやりたかったが、
間に合わなかったので移住後に投資の用途で。
日系の業者に限ると、
マニラを対象としている場合には
グローバルシティ・マカティ・オルティガスを中心にしつつ、
ケソンやパサイのコンドミニアムも扱っている場合がある。
セブ等の他の島については、
扱いがあるかどうかは業者によってまちまち。
日系の不動産業者を中心に調べてみたが、
色々とあやしい情報が出てきた。
他の会社の中傷をネット上で行い、
自社に誘導しているとか。
購入後のサポートがほとんどないばかりか、
賃貸付け困難な物件、つまりハズレ物件ばかり扱っているとか。
ローンの条件を説明していないために
購入者がローンを組めずに支払いが滞るとか。
ちなみに、私が部屋を借りた時に使った不動産業者は、
元々日本で大規模に展開している会社だったのだが、
フィリピンにおいては日本人・フィリピン人合わせて3名しかおらず、
細々と営業しているだけだった。
しかも日本人は社長のみな上、
不動産と関係のない業界から転向したばかり。
マカティへの移住に際して調べる時間がなかったので
適当に選んでしまったが、
サポートも散々だった。
契約した途端に日本語対応ではなくなり、
スタッフによる英語対応に変更し、
退去までこれが続いた。
これなら日系の業者を選ぶメリットがない。
こうした経験もしながら投資をする際に
購入後の賃貸付けまで視野に入れて任せられる会社を探したら、
信頼できる会社が幸いな事に見つかった。
マカティに住んだ後はセブにも移住してみたが、
その時にもその会社にお世話になった。
不動産視察をお願いしたり、
ビザの取得でもサポートをしてもらったりしたが、
フィリピンの中ではトップクラスに信頼できる会社だと思う。
おかしな会社にだまされないために、
もし必要であればその会社の名前をお伝えさせていただく。
情報を希望の場合はこちらから連絡いただけば、
折り返し会社名をお伝えする。
ただし、担当者への取次までは手間がかかってできないので、
その会社への連絡や相談はご自身でどうぞ。
コンドミニアムを選ぶときには、
立地を含めた現地事情に精通している人の話を聞きたいところ。
十分な土地勘があれば話は別だが、
現地に住んでいるのでない限りはなかなか難しい。
そこでグローバルシティの不動産に投資をするのなら、
パートナーとしてプロの業者を味方に付けたい。
ただ単に売り込みだけを目的にした業者ではなく、
その後の実質的な利回りまで真剣に考えてくれるような会社は
現地での活動に根ざした貴重な情報をもたらしてくれる。
本来的に言えば、
不動産業者と投資家は利益が対立する存在ではなく、
協力し合える存在。
ただし、それが実現できている会社が
フィリピンでは少ないということも、
事実として認識しておく必要がある。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
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