アーユルヴェーダから見たセブ移住


アーユルヴェーダの起源は
5,000年以上前にさかのぼる。

一説には6,000年以上前から
受け継がれてきたという話も。

長きにわたって絶えることなく育まれ、
現代に至るまで生き残ってきた人類の叡智を
思考の枠組みとして拝借してみると、
時として物事の違った側面が見えてくることがある。


アーユルヴェーダにおいては
ドーシャと呼ばれる3つの要素があり、
それぞれのバランスが健康に生きる上で重要とされる。

3つのドーシャ(要素)とは、
火(ピッタ)、水(カファ)、風(ヴァータ)。


元々の体質として、
この3つの中のどれが強いかというのは人によって異なる。

そして、特定の要素が強くなりすぎると
体調を崩す原因となる。


たとえば、火の要素の強い体質の人は、
火を抑えて水や風を強くするように
食事や生活習慣を調整することになる。

「あなたは火の性質が強い」というのは、
火を強化して長所を伸ばせばいいという意味ではない。


ヴァータを抑える

私の場合は風(ヴァータ)の要素が強い。

風の一般的な傾向としては、
好奇心が強く、想像力が豊か。

同じ場所にとどまったり、同じことを続けるというよりは
興味が移りやすく、新しいことを始めたがる。

ストレス耐性は低く、
理解力や短期記憶に優れる一方で、
長期記憶は苦手で忘れっぽい。


風(ヴァータ)の性質を考慮すると、
非定住生活をスタートしたのは
ある意味で必然だったと言える。

3日〜1ヶ月ぐらいのスパンで街から街に移動を繰り返し、
泊まるホテルも日によってまちまちというのは
完全に風の性質に当てはまる。

非定住生活を考える以前から
1年ぐらいのスパンで次の国に移りたいと思っていたが、
これも典型的な風の気質。

逆にどっしりと一箇所に根を下ろして生活するのは
水(カファ)の性質の人に向いている。


アーユルヴェーダというと
食事の食べ合わせのイメージも強いが、
実際には生活習慣や持ち物、服、音楽等にも
火・水・風の要素は入っており、
どれかにかたよると体調を崩しやすくなる。

たとえば、スーツは火(ピッタ)の性質を持つので、
元々火の性質が強い人がスーツを着てバリバリ働くと、
火が過剰になりやすくなる。

仕事後にアルコールをがんがん飲むような生活なら、なおさら。

アルコールは火を助長するため。

火は上昇志向が強くて仕事を精力的に行いやすく、
経営者や起業家に多い。


私なら風(ヴァータ)の性質を強くしすぎるのは良くないのだが、
非定住生活はこの点で見ると
健康にはマイナスということになる。

1年半の非定住生活を中断し、
セブでコンドミニアムを借りて暮らす判断をした時には、
このような背景も1つにはあった。

1つの場所で暮らして体を休めながら、
体調への影響を見てみることに。

理論だけ分かっても使えなければ意味がないので、
とりあえず実験してみることにした。


もちろん風(ヴァータ)の性質を抑えるには
他にも食事や生活習慣等がある。

私はアーユルヴェーダ信者ではないので
盲信することはないが、
5,000年以上かけて培われてきた叡智を利用することで
得られるものは大きいと思っている。

それだけの時代を生き残れるだけの
理由があったはずなのだから。


一方で、根拠なく、もしくは不十分な根拠で
特定の考え方に囚われたくないという思いもある。

たまたま施術を受けたら体調が良くなったというだけで、
特定の治療法に傾倒しすぎるとか。


過度な傾倒は、
食事の大部分をサプリの錠剤が占める人のように
気持ち悪いものがある。

ジャラジャラと大量の錠剤を口にする姿を見て、
健康的だと思えるかどうかは大いに疑問。

サプリ信者になりたくないように、
かと言ってアンチサプリ主義者になりたいわけでもないように、
バランスの取れた中庸の精神を失いたくない。

もっとも、何の叡智も学ばず、
いつまでも子供のような浅い考えしか
持てないままでいたいとも思わないが。

思考のフレームワークは複数持っている方がいいし、
それが多角的な視点につながる。

持っているフレームワークのどれかに依存するのではなく、
あくまでも道具の1つとして使うこと。

それさえできれば、
少なくとも学んだことが邪魔にはならない。


複合的な視点を


特定の考え方に依存する気はないので、
私はアーユルヴェーダのみを追求しているわけではなく、
その枠組みを理解して、時に利用しているだけ。

東洋医学や禅もヨガも学ぶし、
時にはそれぞれの間で矛盾や共通点が
見つかったりすることもある。


例を挙げると、
アーユルヴェーダと東洋医学を使って
私の体質を分析した場合、
生野菜より温かい煮込み料理が適していたり、
鶏肉が推奨される点は同じ。

こういった部分は無理のない範囲で取り入れる。

複数の枠組みを使ってたどりついた結論が同じなら、
それなりに確度が高いと思われるため。


逆に矛盾する点があったとしても、
あまりこだわらずにスルーして終わり。

すべての答えが出るとも思っていないし、
食事にしても健康だけにこだわりたいわけではなく、
あくまで判断材料の1つにすぎない。

そして、自分の体感覚も重要な判断材料となる。

体感覚を失って頭でっかちになることは戒めつつ、
かといって頭脳のアップデートは怠らない。

そんなスタンスでいる。


セブ移住の理由はいくつかある

アーユルヴェーダは
あくまで非定住生活からセブ生活に移った理由の1つ。

他にもいくつか理由があり、
その1つは非定住生活を続けていると
パスポートの入出国記録において、
居住国不明というマイナスの要素になること。

パスポートには各国の入出国の履歴が残るため、
常に移動しているとどの国に住んでいるのか
客観的に見た時に分からなくなる。

イミグレの担当官から見ると、
居住国が分からないといったように
「普通」と違う事情があれば警戒しなくてはならない。


これを解消するためには、
しばらく1つの国にとどまる期間があった方がいい。

それにより、
スムーズに各国に入国できる。


ということで、
非定住生活をひたすら繰り返すよりは、
パスポートを見た時に居住国らしき国が
推測できるようにしておいた方が
余計な面倒に巻き込まれずに済む。

そんなわけで、
非定住生活だけをずっと続けるよりも、
どこかで羽を休めた方がいいという背景があった。

その滞在先として
目下ベストと判断したのが
セブだったということになる。


なお、セブは海外で住んだ街として、
初めての移住先であるマレーシア、
2カ所目のフィリピン、マカティに続く街。

ただし、私にとっては3カ所目というよりは、
4カ所目という感覚がある。

それは非定住生活が
マカティとセブの間にはさまっていたためで、
非定住生活は意外に汎用性の高い選択肢として
今後も重宝することは間違いなさそう。

選択の幅が広がって、面白いことになってきた。

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