一般的に富裕層というと、日本円ベースなら1億円、ドルベースであれば100万ドル以上の資産を持っている人をさすことが多い。
世界的な基準は100万ドルのほうなので、為替によって特定の国の富裕層が増えたり減ったりすることになる。
今回中国にあるHURUNが発表したところでは、100万ドルどころか10億ドル以上の富豪がそれぞれの都市に何人いるかということがランキングされており、1位はニューヨークを抜いて北京の100人となっていた。
2015年の段階では北京には68人の資産10億ドル以上の大富豪がいて、2016年は100人と50%近い伸び率を示している。
2位はニューヨークで95人。
3位はモスクワで66人。
4位は金融立国である香港で64人。
香港は人口の絶対数が約720万人しかいないので、その中で4位につけてくるのがいかに異常値であるかということがうかがえる。
私も香港にはHSBCの口座を持ったり投資を行なったりもしているが、8人に一人は富裕層といわれる街だけに、10億ドル以上という規格外の資産を持った富裕層も世界で4番目に多いことになる。
そして5位は上海とロンドンでそれぞれ50人。
しかしながら、上海は2015年の段階では30人しかいなかったのに対して、ロンドンはもともと49人いて一人しか増えていないので、伸び率の違いには厳然とした差が存在している。
そして7位は深圳で46人。
こちらは香港の隣町で中国本土の街となる。
個人的には何度か行ってみたが、もう訪れたくはない街のひとつ。
7位はもう一つあり、インドのムンバイ。
9位が中国の杭州。
10位がパリとなっている。
こうしてみると、以外にも先進国の首都、あるいは大都市は少なく、日本の都市は10位以内には入っていない。
11位は台北とサンフランシスコ、イスタンブールが並び28人。
14位が香港と並ぶアジアの金融立国であるシンガポールで27人。
ソウルも14位のタイとなっている。
そしてようやく東京が16位で出てきて26人だが、2016年には28人ということだったので、2人減っている。
そして17位はサンパウロとバンコク。
この2つの国は大富豪が増えているかと思いきや、サンパウロは2015年の30人から、バンコクは27人から24人に減少している。
そして19位はロサンゼルス。
20位はニューデリーとなっていた。
こうしてみてみると、世界の中でどこに勢いがあるかもわかるし、一般的なお金持ちのレベルではなくて、一生かかっても資産を使い切ることができないレベルの大富豪の分布が分かる。
もっとも、賢明なお金持ちはそもそも自分の資産額を誇ったりしないし、法人や財団を利用して実態を隠すのが妬みや嫉みを買わないための方法なので、今回のランキングも事実の一部しかとらえていないものとして考えておくべきだろう。