東南アジアの危険度は?現地で暮らしてきた経験から治安を語った

スポンサーリンク
ホーチミン
これまでフィリピン・マレーシア・タイで暮らし、
東南アジア各国を旅して治安や住環境について観察してきた。

時には危険な目に遭ったこともあるし、
安全そのものだった街もある。

まず、大雑把な傾向としては、
新興国の集まりとは言え、
世界的に見たら特に危険なエリアではない。

たとえば、中南米に比べたら犯罪率は低いし、
特に殺人や強盗のような凶悪犯罪は圧倒的に少ない。

先進国を含むヨーロッパと比べても、
東南アジアが著しく危険ということはない。

むしろロンドンやパリ、ミュンヘン等の先進国の大都市も
スラム化したエリアが増えているのが現状。

アメリカの治安の悪さは噂通りだし、
先進国も安全な街は限られている。


客観的な指標を1つ見てみよう。

世界平和度指数は各国の安全度を図る指標の1つで、
東南アジア各国の順位を見て見ると、
シンガポールが17位、
マレーシアが31位、
ラオスが41位、
ベトナムが43位、
インドネシアが56位、
カンボジアが118位、
フィリピンが132位、
タイが133位、
ミャンマーが142位となっている。

タイが異様に順位が低いが、
これは政権の不安定さや、
深南部と呼ばれるマレーシアとの国境沿いのエリアが
イスラム勢力のテロ行為等によって危険地域になっていることが
考慮されてのものと思われる。

多くの旅行者が訪れるバンコクやプーケット、
チェンマイ、アユタヤ、パタヤといった街に限れば
シンガポールに次いで安全という印象がある。



スポンサーリンク

海外初心者でも安心な国といえば

東南アジアで最も安全な国は、
やはりシンガポールで間違いないだろう。

シンガポール

クリーン&グリーンをスローガンとして掲げるだけあって、
街中の安全度は高い。

また、東京23区と同じ程度の広さしかないため、
警察による管理が行き届きやすい点もメリット。

もっとも、貧しい人が住むエリアもあるため、
そうしたところではシンガポールのイメージとは
ずいぶん違った様子も見られる。

歩きタバコをしている人が
そこら中にいるエリアもあった。

また、高級ショッピングモールが集まるオーチャード・ロードで
知人が信号待ちの間にスリにあったことも。

お金を持っている人が集まるエリアでは
こういったこともあるので最低限の注意は必要。


住んで分かったマレーシアの治安

世界平和度指数で
東南アジアでは2番手だったマレーシアは安全なのか?

元居住者としての意見は違う。

ジョホールバルの駐車場

たしかにマレーシアはそこそこ安全な国だが、
突然ノコギリを持った男が走ってきたこともある。

どうやら強盗に失敗したらしく、
ノコギリ男を追って
ゴルフクラブやバットを持った4人の男が走ってきて、
その後武装した警官がノコギリ男を取り押さえて出てきた。

犯人が逃げ切れないと思い、
私のいる方に方向転換して人質にでもされたら
たまったものではなかったが、
幸運にもそのような事態は避けられた。

なお、これは住宅街の話で、
繁華街のように人が多い場所ではなく、
私の周りには誰もいなかったため、
唯一の人質候補だったことになる。


日本人の知人は刃物を持った4人組の強盗に襲われ、
車の窓を割られて鞄を持ち去られた。

他にも強盗や誘拐の話はいくつか聞いたし、
タクシートラブルが異常に多い国でもある。

クアラルンプールはスカイトレインと地下鉄があるが、
マラッカやペナン等の他の街はタクシーが移動の基本。

しかし、ドライバーがメーターを使わないのは日常茶飯事で、
脅すように怒鳴ってきたりすることもたびたび。

旅行者にとって安全とは言い切れないし、
移住者にとってはなおさら厳しかった。


想定外に安全だった国

旅行者にとっての危険度が低かったのはラオス。

ビエンチャン

首都ビエンチャンも東南アジア各国の首都と異なり、
小さな地方都市の様相を呈している。

バンコクやクアラルンプール、マニラのような
人口と高層ビルが密集した大都会の雰囲気は見当たらない。

人々がのどかで、
ビエンチャンにしろ、
街が世界遺産であるルアンパバーンにしろのどかな場所。

ビエンチャン
ビエンチャン

ルアンパバーン
ルアンパバーン

もちろん日本に比べたら危険な場面もあり、
バイクに乗った男が執拗に時間を聞いてきたこともあった。

これはビエンチャンでタート・ルアンを見た帰りだったが、
どうやらスマホを取り出させようとしていた模様。

半袖だったので私が腕時計をしていないのは明らかだったし、
スマホを手にしたところでひったくるのか、
何かしら仕掛けようとしていたのだろう。

いかにもあやしげな人相の男だったので
大まかな時間だけ伝えて、
スマホは取り出さなかった。

安全な国でも、観光客が増えればこうした輩は現れる。

彼がラオス人なのか、
他の国からやって来たのかは分からないが。


一方ベトナムは・・・

ブイビエン通り
日本国内の来日外国人による犯罪において、
2017年にはベトナム人が摘発数で最多になったことが
警察庁から発表された。

日本にまで犯罪を持ち込んでいる形になっているが、
では、国内ではどうなのか?

ベトナムは犯罪面での危険度も低くないし、
交通事情がカオスなために事故に遭わないための注意も必要。

ラオスとともに40位台という順位が不思議。

スリや置き引き以外にも、
ホーチミンではマッサージ店でのぼったくり被害も
たびたび話題にされる。

3ヶ月の観光ビザを取得して
それなりに長期の滞在をしてみたこともあるが、
ホイアンやダナン、フエのような小さな町でも
とにかく騒音がひどかった。

バイクや車のクラクションはけたたましく、
ホテルの防音も適当。

ホイアン

ダナン在住者に聞いたら、
コンドミニアムも防音性能は低いらしい。

ハノイやホーチミンが静かでないのは当然のこと。


なお、ホーチミンでブイビエン通り近くのホテルに泊まったら、
夕食を食べに行く際にボーイから
荷物にはくれぐれも気をつけるように忠告された。

それだけひったくり等の被害が多いのだろう。

ハノイでも似たようなアドバイスをもらった。


東南アジア最南端の国、インドネシア


インドネシアはむき出しのナイフが
ジャカルタの露天で売られていたりして、
物騒な雰囲気を感じる場面もあった。

ジャカルタ

これは裏通りの話でも、
治安が悪いローカルの人だけが歩くような場所の話でもなく、
ブロックMという日本人街とショッピングモールをつなぐ
歩道橋での話。

他にも街灯が少ないため、
ジャカルタであっても暗い場所は本当に闇になっている。

都会の片隅の薄暗さというレベルではなく、
何も見えないのではないかというレベル。

ここまで街灯が少ない首都は珍しく、
インドネシアが東南アジアでも
経済的にまだまだこれからの国という事実を実感した。

ベトナム同様に交通事情が悪く、
道を渡るだけで命がけな場面も。

スカルノハッタ国際空港から街中までの渋滞のひどさや、
不便で危険でもバンコクやクアラルンプールと
物価が変わらないこともあり、
今後の移住先候補からは外した。


危険なイメージのフィリピンだが・・・

一気に順位が下がってフィリピンの話をすると、
私はマニラのマカティ市とセブのセブシティに住んだ。

セブシティ

最初にマカティに住み、その後セブシティへ。

両方の街で暮らした感想としては、
フィリピンは危険度の高い地域とそうでない地域の落差が激しい国。

これはしたたかな政策の賜物でもあり、
国土全体を均等に成長させていたら
安心して外国人が住めるようになるまで時間がかかりすぎる。

何十年かかるか分かったものではない。

一方、フィリピンはボラカイやエルニド、セブをはじめとして
観光資源に恵まれている国。

欧米の旅行雑誌等からのリゾートの評価はとても高い。

パングラオ島のホテル

そして、リゾートにバカンスに来る旅行者は
気前よくお金を落としていってくれる傾向にある。

当然、国としても彼らを誘致したい。


さらに、外国人移住者を確保して、
継続的な消費も促したい。

こうした思惑が一部エリアの治安を著しく改善させた。

結果、私が住んだマカティやセブシティは、
マレーシアよりもむしろ安全度が高く感じた。

こうしたエリアごとの不均衡が顕著なのがフィリピンで、
東南アジアの中でも地域格差が激しい傾向にある。

また、日本人同士でのトラブルから
刃傷沙汰に及ぶケースも耳にするし、
世界一困窮邦人が多い国でもある。

困窮邦人とは、海外で経済的に立ち行かなくなった日本人のことで、
フィリピン人女性に入れあげて
身ぐるみを剥がされるケースが多い。

女性が悪人でなくても、
元々フィリピンはお金を持っている親戚に
頼るのが当たり前の文化。

日本人が親類縁者になったりすれば、
お金の無心をしてくる親戚や
嫁に余計な入れ知恵をして不動産を買わせ、
その不動産を乗っ取るケースも。


女性関係のトラブルはフィリピンやタイ、ベトナムでよく聞くし、
これは結婚した場合を含めての話。

国際結婚で幸せな家庭を築くケースもあるが、
長期的で合法の詐欺のような場合もあるので要注意。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事