台風ヨランダの爪痕は深いが、報道のいい加減さも際立つ


フィリピンのレイテ島をはじめとして、多くの被害が台風ヨランダによってもたらされた。

これは映像を見る限り事実だし、実際に現地の人たちの話を聞いても傷痕はかなり深いのが窺える。

参考:JICA、巨大台風「ヨランダ」の復興に貢献する日本のODA

ただその反面で、日本人に意図的に誤解をさせようとしているような報道がされていることも、ネットで日本の報道を垣間見る限り窺い知ることができる。

というのも、たとえば廃墟となったところ、あるいは瓦礫の山になったところを集中的に映したり、浸水して水浸しになってしまった屋内を放送することによって、如何にフィリピンがボロボロになっているかということを報道していたりするものの、元々の生活レベルはあまり知らされていない。

日本のどこかの都市があそこまでのレベルに落ちたのであれば、確かにその被害は甚大。

しかし、フィリピンのレイテ島は元々が豊かなわけではなくて、台風が来る前の家も決して立派だったとは言えない。

元の画像等を見てみればそのことは明らかなわけで、台風ヨランダがやってくる前から貧しい暮らしを営んでいて、決して清潔とは言えないような、日本人の環境から見ると衛生的に不安を感じてしまうような場所で彼らは暮らしていたわけで、仮に浸水があったとしても日本人の思う感覚とは全く別物。

そういった意味では、大げさに悲劇を取りざたしている。

これは台風ヨランダの件だけではなくて、特にこういった貧しい国を報道する場合、日本のマスコミは如何に劇的に面白おかしく報道するかということを競い合って、それによって視聴率を確保しようとしている節がある。

台風ヨランダが去った後に起きたタイでの暴動においても同じこと。


タイの報道でも同様の傾向

実際にバンコクに住んでいる現地在住の人の話も聞いたが、日本人の目からしても基本的にバンコク市内は穏やかで、ごく一部のエリアで暴動が起こっていたに過ぎない。

しかもデモの参加者の大部分は政権闘争がらみで雇われているだけで、お小遣いをもらうために座り込みをしているだけあって、別に殺気立っていたわけでもない。

ネット上で見てみても、座り込みをしている人が満面の笑みでカメラに笑いかけている映像も見られる。

こういった実態を報道せずに悲劇的な面とか、如何に国が荒れているとかという面だけを映すのは、確かに人の好奇心は刺激するものの、報道の公平さとはかけ離れた姿であると言わざるを得ない。

テレビが都合のいい時だけ報道の自由や報道の中立性を口にして、自分たちの防御壁としながら、それとはかけ離れた報道を普段行っているのは如何なものかと思う。

災害には必ずビフォーアフターがあって、元々災害が起こる前も現地の人たちの暮らしは日本人から見て苦しかったのかもしれない。

そういった可能性を考えない人はかなり情報に疎いごく一部だと思うが、やはりそれすらも担保した情報提供をするのがテレビであったり、新聞の責任ではないだろうか。


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