東南アジアのテレビの画質の皮肉な事情




東南アジアというとまだまだ未開発であるとか、発展途上というイメージが強いものの、家電製品を見てみると必ずしもそんなことはない。

外国人向けのコンドミニアムに関して言えば、薄型テレビが配置されているのは当然のこととして、洗濯機や乾燥機もドラム式のものが配備されているのが通常。

さらに言うと、家電売り場に行ってみても、日本と変わらない価格で最新のものが売っているので、よほどの家電マニアでもない限り、その差を感じることはないだろう。

実際、私のようにテレビやその他の家電に疎い人間にとっては、東南アジアの家電量販店に入っても、日本のビックカメラとの違いがよく分からない。

そんなわけで、高画質の薄型テレビが色々なホテルやコンドミニアムに配備されているものの、ではそのテレビの画質が素晴らしいのかといえば、そんなことはない。

というのも、いくらテレビのハードとしての性能が素晴らしくても、そもそも受信しているデータが非常に荒く、まともにテレビが映らないことも多い。

つまり、受信するテレビの性能は高いものの、そもそものデータの質が高くないので、結局のところ宝の持ち腐れになってしまうという皮肉な結果に陥ってしまっている。


フィリピンの自宅の場合

私がフィリピンで住んでいたコンドミニアムの場合、有料のテレビ放送に入れば高画質のものを見られるという話だったが、無料で見ることが出来る番組は非常に画質が荒れていて、画面が波立っていることすらあるレベルで、ハイビジョンで綺麗かどうかを問うようなレベルではなかった。

元々私はテレビを見るつもりもないし、ましてやフィリピンの番組を見たところで意味が分からないので有料のチャンネルには入らなかったが、こういったことを考えてみると、最新型のテレビを使ったところで結局のところ意味があまりない。

マレーシアやインドネシアでホテルに泊まってみても、薄型のテレビが配置されているからと言って画質が美麗なわけではなく、むしろ日本で地デジが始まる前の画質よりも荒かったりする。

これもテレビの性能がどうこうというよりは、そもそも送られてきているデータ自体の質が悪いためだと思われる。

こういったインフラ整備の部分で先進国とは全く違う状況にあるにもかかわらず、受信するテレビだけが進化してしまっているのは無駄なこと。

なんだかちぐはぐで、部分最適は行われても、全体最適が不十分。


それでも最新型のテレビは売れる

新興国ほど消費が旺盛だったりするし、むしろ先進国と同じ環境を整えたいと思うものなので、こういった商品も売れ行きが好調な様子。

実際、家電売り場を見ると安さよりも新しさとか、性能を売りにして販売しているので、そういった戦略が通用しているということが窺える。

しかしながら、実際に色々な国を周ってみて思うのは、まずインフラの部分を整備しないことには生活の質は上がっていかないし、その部分については新興国はまだまだ力を入れるべき段階にある。

例えば、今いるジャカルタの場合であれば、住んでいる地域によっては歩道をバイクや車が走っていることすらも黙認されている状態だし、道がガタガタであるとか、そういったことも普通にある。

水道水も変な臭いがするし、こういったところからまずは改善していかないと、いくら家電製品や身の周りの持ち物ばかり最新のものにアップデートしていっても、根本的な部分での生活の質は上がっていかないのが厄介なところ。


よく読まれている記事

1位:海外移住の電子書籍を無料プレゼント中

2位:フィリピン永住権、クオータービザを取得完了

3位:マレーシアに移住して分かった生活費・ビザ・仕事・食事の現実



メールアドレス

ページの先頭へ