バンコクからマニラにやって来て、ニノイ・アキノ国際空港からはビザのエージェントの車で送ってもらうことが出来た。
そして初めて泊まるホテルで受付に行って覚えた違和感の原因は、妙に暗いということ。
そしてエージェントがホテルのフロントスタッフと話していたところ、どうやら辺り一帯が停電になっているという話だった。
何しろ到着したのが昼間だったので、電気がついているかどうかはほとんど気にならなかったし、そもそもフィリピンの街はほとんど信号がないので、そこら辺も影響がない。
そのため全く気付かなかったものの、実は近くを含めて電気が通っていなかったということだった。
そのホテルはジェネレーターがあるということで、それを起動させれば電気が復旧するということだったが、それまでに少し時間を要するとのこと。
とはいっても、近くで時間を潰そうにも他の店もすべて閉まっているか、もしくは電気がついていない、さらに言うとエアコンも使えない状態のはずなので、その点については諦めることにして、そのまま素直にホテルの部屋に入ることにした。
こんな話をすると如何にも新興国のイメージ通りという反応が返って来そうではあるものの、実際のところ、フィリピンに一年中住んでいても、大規模な停電一、二回しか経験していない。
しかも空港から到着したその当日に停電に見舞われるのは、かなり驚きを持って受け止めるところとなった。
停電中でも部屋は案外快適だった
実際問題として部屋に入ると意外にひんやりしていて、先ほどまでエアコンが効いていたのであろうことは推測できたし、窓を開けることがなければ、特に暑くなることもなかった。当然ながら停電している状態ではネットも使えないので、仕方がないのでしばらくオフラインで出来るような仕事をしたり、あるいはパソコンで本を読んだりしていた。
パソコンの電源も充電できない状態なので、電力の復旧まであまり長くかかってしまうと困ったことになるものの、2時間ほどで電気が復旧して、特に不自由なく宿泊することが出来た。
しかもスタンダードの部屋を予約していたところ、空いているということでファミリールームに通されて、一人では持て余すほど広い部屋だったので、その点でも有難かった。
今回の停電は、この建物一つだけではなくて、そこら中に電気が行き届いていないということだったので、あまりにも長引いていたら、仕方がないのでタクシーでちょっと離れたところまで行って、そこのカフェで充電をしながらパソコンを使うことも視野に入れていたし、もしくはiPadで本を読むということも考えていた。
こういったことがあっても、臨機応変に対応できるし、むしろフィリピンくらいの停電事情であれば、全く生活に支障をきたすことはない。
ただし、こういった電気事情があまりにもひどいと、やはり長期滞在は躊躇するところがあって、それはネパールに行こうと思っていた時にまさに問題になった。
現地在住者の知人の話だと、首都のカトマンズであっても毎日停電を起こすということで、さすがにそのレベルになってくると、仕事が途切れ途切れになってしまって、困ることになるのではないかと心配した。
さらに今回の旅行の中に組み込むと雨季に訪れることになってしまうので、そういった事情もあって、カトマンズ行きはひとまず保留ということにした。