かつての歴史を見ていると、オーストラリアは人類史の中でも不毛の地と呼べる大陸だった。
人口は一向に増えず、文明も発展しなかったため、欧米人が来た時にあっさりと征服されてしまった。
その後の発展ぶりはご存知の通りで、現在はグレートバリアリーフとか、あるいは砂漠やエコツーリズムなども含めた観光業なども盛んだし、世界の中でも資源国として知られている。
なんとエコノミストによって、最も人類の居住に適した都市にも認定されたということ。
加えて、国連が選んだ世界の幸福な国ベスト10でも見事に10位に入っている。
この幸福な国の内容を見てみると、ほとんどの国がヨーロッパに偏っていて、1位はデンマーク、2位がスイス、3位がノルウェー、4位がオランダ、5位がスウェーデンと続いて、6位は北米からカナダ、7位は北欧に戻ってフィンランド、8位がオーストリア、9位がアイスランド、そして10位は唯一南半球からランクインしたオーストラリアとなっている。
残念ながらこの中には日本は入っていないし、それ以外のアジアの国もランクインしていない。
こういったランキングは基準によって大きく左右されるものなので、それを鵜呑みにすることは出来ないし、最近よく感じているのは、こういった幸福度とか住みやすさの感覚が誰の目線で語られているかを考えなければいけないということ。
例えば、バンクーバーは世界一住みやすい国と呼ばれることが多いが、実際のところ、それは欧米人にとっての話で、日本人やアジア人が住みやすいかどうかはまた別の話。
オーストラリアについても、食事量一つとって考えても、日本人にとってはレストランに入って出てくる料理の量が多すぎて、肌に合わないと思うところがある。
もちろん、自然が豊かであることとか、人々がそこそこ礼儀正しくて文化がしっかりと根付いていることとか、そういった快適な要素は数々あるが、白人が住む場合と日本人が住む場合では、その満足度は自ずと変わってくる。
個人差があるのは当たり前の前提としても、それ以前の問題として、育った国とか文化や風習によっても満足度は変わってくるものなので、どういった機関が発表している統計であるのかはしっかりとチェックしておく必要がある。
アジアの持つ可能性は大きい
最近思うのは、日本人が暮らすのであれば、やはりアジアの方が文化的に違和感がないし、そこら辺を歩いている人との体格で負けないので、リラックスして歩くことが出来るとか、そういった利点もある。やはり筋骨隆々のマッチョな人たちに囲まれて暮らしているのは肩身が狭いところがあるし、生物としての本能で危険を感じるところがある。
いわゆる新しい脳ではなく、古い脳で感じる恐怖や威圧感は、軽視できないストレスを日々もたらす。
そういったこともあるので、最終的にはアジアがもっと発展してタイであったりマレーシアだったり、フィリピンだったりが住みやすい国になってくれれば、移住先候補もどんどん増えていって助かると思う。
特に早急に解決してもらいたいと思うのは大気汚染の問題で、空気が澄んでいるかどうかは、住んでいる人の健康状態にも直接関わる問題。
そういった環境の部分にも東南アジアの国々が配慮できるようになっていくと、もっと世界は面白いフィールドになっていく。