オタワからモントリオールへ、そしてモントリオールからトロントへの移動はカナダのVIA鉄道を使った。
VIA鉄道にはヨーロッパの鉄道網とは全く違うルールがあって、列車の到着ギリギリになるまでホームに移動することができない。
まずは駅の構内に到着して、空港のように電光掲示板にどこ行きの列車は何番窓口に集まるようにと書かれている。
そして、時間が近づいてくるとそこに列ができて、ちょうど空港の搭乗口と同じように入口にスタッフが待っていて、そこでチケットのチェックを受けてホームに入っていく仕組みになっている。
ヨーロッパの駅であれば、通常はホームにいつでも行くことができて、そこで勝手に電車に乗り込んで、車掌が車内でチケットを点検する仕組みになっている。
VIA鉄道のように入場規制をかけておくことによって不自由さを感じる人がいる一方で、間違って別の列車に乗り込んでしまうリスクを低減させることができる。
というのも、ヨーロッパの鉄道はしばしば時間が遅れる上に、はっきりと列車の車体にどこ行きということが書かれていなかったりするので、自分が乗り込むはずの列車のホームにそれらしい時間帯にきた電車が、別のところに行くという場合がある。
実際、ポーランドのカトヴィツェ駅では、そういった事態に遭遇してしまった。
カナダのVIA鉄道の場合は、スタッフがちゃんと確認してくれるので、そういったミスが起こることもない。
暑さ・寒さ対策でもVIA鉄道に軍配が上がる
ホームは吹きさらしになっているので、冬は寒いし夏は暑い。ヨーロッパの場合はホームに早めに到着しておかないと、鉄道の到着に気付かずに乗り過ごしてしまうリスクがあるが、カナダのシステムであれば、そもそも早い時間にはホームに入れないようになっていて、どのタイミングで行けばいいか、スタッフが示してくれる。
この点を考慮すると、乗客にとってはかえって利便性が高い。
乗り込む際にチケットをチェックしてもらった方が、間違って別の電車に乗ってしまっているのではないかと心配する必要もないし、いちいち車掌を見つけて確認を取る必要もない。
その意味で言うと、ヨーロッパの鉄道よりもカナダのVIAレールウェイの方が、はるかに利便性が高くて親切であると感じている。
鉄道の性能面や清掃状況による乗り心地は特に差がないし、ヨーロッパの中であっても、乗り込む鉄道によってそこら辺は千差万別なのでなんとも言えないが、乗り間違えることのない仕組みがあるのはありがたい。
せめてヨーロッパもここまでのシステムを作るのが大変なのであれば、その列車にどこ行きかを表示するぐらいのことはしてほしい。
時間通りにしっかり定時運行するよりははるかに簡単なはずだし、旅行者が多い路線もあるはずなので、そのくらいの配慮はあってもいいのではないかということを、改めて今回は感じている。
スピリットエアラインやサウスウェスト航空、ウエストジェット等のLCCも北米では発達しているが、VIAレールウェイもなかなか使い勝手が良かった。
ひとまずVIA鉄道に乗るのは今回の旅の中ではこの2回だけで、それ以降は一旦アメリカに移って、そこから飛行機でエアカナダを使ってバンクーバーに移動し、そこから再びアジアに戻るというルートを想定している。