フィラデルフィア美術館は意外な穴場だった


残念ながら朝からシトシトと雨が降っていたので出かけるには不向きな日だったが、こんな日も室内で過ごすにはいいかと思い、The Warwick Hotelを出てフィラデルフィア美術館に行ってきた。

地下鉄を使って行こうと思ったが、中途半端な位置にあって、徒歩で行くのとたいして所要時間が変わらないため、傘ごしに景色を眺めながらぶらぶら歩いて行ってみることにした。

フィラデルフィアは映画ロッキーの舞台になった町なので、美術館の脇にはロッキーの像が立っている。

そこを通りがかってiphoneで写真を一枚撮っておこうと思ったら、写真を撮ってやろうかとおじさんが寄ってきた。

どうやら私とその像の2ショットを撮ってくれるということだったが、特に必要ないので断った。

離れた位置からそのおじさんを見ていたら、ずっとその像の脇に立っていて、どうやら写真撮影をして、チップをもらうのが目的らしい。

ロッキーの像自体は、誰も管理をしていないようなので、係員が周りにいるわけでもなく、そのおじさんとしても特に関係があるわけではなくて、勝手に商売をしている様子だった。


フィラデルフィア美術館に到着

フィラデルフィア美術館の前に行くと、今度はロッキーがトレーニングで駆け上っていた階段があるので、そこでそのシーンを再現している観光客をちらほら見かけた。

その階段を昇って本命であるフィラデルフィア美術館に入ったが、入館料を20ドル払い、中に入ると荘厳な階段が目の前に広がっている。

こういっては失礼な話だが、ニューヨークのメトロポリタン美術館やMOMAに比べると、フィラデルフィア美術館には同等の期待はしていなかった。

片田舎というわけではないものの、ニューヨークに比べると、都市の規模として圧倒的に劣るわけなので、所蔵されている美術品の数や質も同じように落ちるのではないかと思っていたから。

しかしながら、その期待は良い意味で裏切られた。

フィラデルフィア美術館には、ゴッホのひまわりやモネの睡蓮、ダリの作品等を初めとして、様々な名画が飾ってあったし、これまでに画集で見たことがあり記憶に残っていた作品も何点かあった。

それ以外でも、個人的に心をがっしり掴まれる作品が複数あって、とても良い美術館だった。


環境面でもフィラデルフィア美術館は良かった

ニューヨークと違って訪問者が少ないので、フィラデルフィア美術館では作品を落ち着いてじっくり眺めることができる。

ニューヨークの場合、ゆっくり鑑賞しようとしても、とにかく人がガヤガヤしていて、なかなかそうはいかない。

視界を遮られることもたびたび。

それに対してフィラデルフィア美術館の場合は、広々とした館内に人がまばらにいるぐらいなので、ゆっくりとリラックスして鑑賞することができる。

あまりにも人が少ないためにスタッフも気が緩んでいるのか、なぜか鞄を褒められたり、ゴッホのひまわりの前で立ち止まっていたらその絵の前ではみんな必ず立ち止まると話しかけられたり、和やかな雰囲気が流れていた。

フィラデルフィア美術館は絵画だけではなくて、鎧兜や室内の調度品、ギリシャ遺跡を再現をした展示、巨大なテニスコート1面分ぐらいあるような絨毯等も展示されている。

ここは確実に訪れる価値のある美術館であったと確信している。

その後、昼食をAl Cancellettoで食べてから、ロダン美術館へ向かった。


■フィラデルフィア美術館の基本情報
住所:2600 Benjamin Franklin Pkwy, Philadelphia, PA 19130
電話番号:+12157638100
開館時間:10時〜17時(水曜、金曜は10時〜20時45分)
定休日:月曜日
HP:https://www.philamuseum.org/


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