ハノイで観てきた映画オデッセイの感想



2月のハノイは寒く、私が訪れた日は気温が15℃くらいしかなかった。

東南アジアだし熱帯に属しているのかと思いきや、冬とはいえ、ここまで気温が下がるのは予想外。

来てみなければわからないこともあると思う反面で、年間の気温の推移をみてみればデータでも読み取れるわけで、そこら辺はある意味、個人的な想像力の範疇の外にある事実だったということだろう。

体調もイマイチだったので、ハノイは観光をそこそこに切り上げ、ホテルの部屋にこもって映画を観ている時間が長かった。

もしも2つ目の予想外として移住先として魅力的な街だと感じたのであれば、下見を兼ねた街歩きをしていたのだろうが、この点は残念ながら予想の範疇を超えることはなく、ハノイに住みたいとは全く思わなかったので、それほどやりたいことがなかった。

そもそもハノイの観光は一日もかからないし、むしろ半日ぐらいあれば主要なスポットはまわれるぐらい。

今回ホーチミン廟等は省いたし、博物館関係もやめておいたが、それでも主要なお寺や教会は見て回ることができた。

昼食にバインミーを食べて、帰り道にタピオカの入ったロイヤルミルクティーを買ってからホテルに戻り、しばしの昼寝の後で映画を観ることにした。

オデッセイは火星に置き去りにされてしまった主人公が、食糧不足、酸素不足、電気不足という三重苦をいかにして乗り越え、餓死、窒息死、爆発死といった脅威から身を守り、通常であれば絶体絶命という状態でどうにかして生き延びようとする物語。

幸いなことに主人公は植物学者で、火星のビニールシートの中でじゃがいもを育てるという活動を始める。

一方で電気の確保や、水素を燃焼させることによって水を得たりと、諸問題を解決していくが、途中自分の呼気を計算に入れるのを忘れて予想外のタイミングで水素が爆発してしまったり、ビニールシート農場が爆発して吹っ飛んでしまったりといったトラブルにも見舞われる。

当初は助かる見込みがないと思われた主人公だが、NASAとの通信に成功し、最終的には助けを呼び込むことに成功した。

もちろんその間には紆余曲折があるのだが、それはオデッセイを観ていただくとして、主人公が宇宙を、法律上は海として表現していたのが興味深かった。



宇宙の位置づけ

国際法上は宇宙の解釈としていくつかの見解があるが、その一つとしてどの国にも属していない海洋とみなされるというもの。

これは単なる法律の不備でしかないが、主人公が自らをスペースパイレーツと名付け、既存のプロジェクトによって放棄された火星用の車を利用したりするのは面白い表現だった。

しかしながらオデッセイの全体としての感想は、何がテーマなのかよくわからず、かといって小気味よいリズムで進んでいくとか、ふんだんに笑いがちりばめられているとか、そういったことでもなく、結局何の映画だったのかイマイチ理解できなかった。

宇宙をテーマにして人が生き残ることや、命の重みを扱っているといわれればそうなのだろうが、地球上でこれだけ難民問題等が紛糾してしまうと、もはやわざわざ火星で一人の命が救われるということにイマイチ敏感になれない。

しかもNASAのエリートだからこそ、あるいは宇宙飛行士という大衆のヒーローだからこそこのような扱いを受けられるだけと、どこか穿った目で見てしまう部分もある。

個人的にはなんだかいまいち消化不良の感が否めなかった。


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